りゅうおうのおしごと!9/白鳥士郎


りゅうおうのおしごと! 9 (GA文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年8月刊。
天衣ちゃん回。
幼い心に負った傷が大きすぎて、なかなか心を開かなかった天衣の力強い成長を感じる第9巻でした。
今回もとても面白かった!
まぁラストはとても不穏でしたけど!!泣

☆あらすじ☆
夜叉神天衣。
わずか十歳にしてタイトル挑戦を決めたシンデレラは、両親の墓の前で誓いを立てていた。
「お父さま、お母さま。必ず女王のタイトルを手に入れます……私たちの夢を」
しかし彼女の前に立ちはだかるのは、史上最強の女性棋士にして師匠の姉弟子――空銀子。
二人が争うのは女王のタイトルだけなのか、それとも……?
≪浪速の白雪姫≫と≪神戸のシンデレラ≫が遂に激突!
アニメ化も果たしますます過熱する盤上のお伽話、家族の絆と感動の第9巻!
シンデレラの頬を伝う一筋の涙を、若き竜王の飛車が拭い去る――!! 

以下、ネタバレありの感想です。

 

銀子と天衣が衝突する女王戦を描く第9巻。

両親を失い、父の遺した将棋にしがみついてきた孤独な少女が、その将棋を通して孤独から脱する姿を描いたストーリーでした。
序盤で天衣にかけられる負荷が容赦なさすぎて、「これが女流棋士の頂点の世界か」と戦慄しつつ「わずか10歳の少女に課せる試練がえげつねぇ・・・!」と白鳥さんの容赦のなさに震えました。
特に初戦のミスが・・・・・・自分のミスに気づかずに勝利を確信したあたりで共感性羞恥で死にそうでした。あれはトラウマになるレベル。

 

しかし、負荷が大きければ大きいほど、絶望が深ければ深いほど、そこから這い上がるカタルシスが高まるというもの。
その点に関して、このシリーズは常に期待を裏切りません。今回の天衣の物語も本当に素晴らしかった。

 

天衣との関係では微妙に師匠としての役目が目立っていなかった八一の活躍も良かったです。
回によっては空気になることもある八一だけど、今回は「棋士であり師匠である八一」の魅力が遺憾なく発揮されていたと思います。
自分の戦いから弟子にエールを送る展開、めちゃくちゃ好きなんですよね。あのシーンはとても熱かったです。

 

自分の失敗を受け入れ、乗り越え、師匠の応援を受け取り、モノにし、そうして自分の戦いを見せてくれた天衣。
ラストのあまりの盛り上がりっぷりに「もしや勝てるのでは!?」とめちゃくちゃドキドキしました。あの高揚感がたまらない。
結果は悔しいものだったけれど、ラストの晴れやかに笑う天衣は史上最高に可愛くて不思議な充実感が残りました。

 

それにしても、女流棋士の世界における銀子の異端な強さが何度も語られるたびに、私は6巻を思い出して心がヒヤリとするのですが。
孤高にして無敵。嫉妬と尊敬を一身に集める才女。
そんな風に銀子を外から見る人と、6巻で痛々しく語られた銀子の内面の乖離が激しすぎて心が引きちぎれそうです。
「恋をして世界を広げ、多くを手に入れた天衣」と、「恋をしたために強さ以外の全てを捨てようとする銀子」の対比もキツすぎて。
なんですか、アレ。ラストの後ろ姿・・・!
敗者と勝者の対比が残酷すぎませんか!!

 

私は姉弟子推しなんです。
6巻ラストで綴られた銀子の悲痛な恋心に胸を打たれた人間なんです。
だからお願いします、姉弟子を幸せにしてください・・・・・・怖いよう、もしかして次巻は銀子の奨励会の話になるの?めちゃくちゃ怖いよう・・・!
八一にしか銀子を救えないのに、あまりにも近すぎて八一には何も見えてないのが辛い。

 

ああ、どうなるんでしょうか。次巻が楽しみだけど怖い!

 

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