契約結婚はじめました。3 椿屋敷の偽夫婦/白川紺子


契約結婚はじめました。 3 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)
契約結婚はじめました。 3 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年6月刊。
契約結婚をした偽夫婦が、「椿」にまつわる様々な謎と出会うライトミステリー第3弾。
今回は二人の関係に見逃せぬ動きがありました。これは楽しくなってきたー!

☆あらすじ☆
“椿屋敷”と呼ばれる一軒家に住む香澄と柊一は、ワケあって結婚した“偽装夫婦”。
―しかし最近、偽装とも言い切れない感情が、お互いに芽生えつつあるような。
そんな時、香澄の元・許婚の晶紀が、椿屋敷の裏にあるアパート“すみれ荘”に引っ越してきた!
彼の目的はもちろん―。
また、ひょんなことから、すみれさんに二人の秘密を知られてしまい…?第3巻。

以下、ネタバレありの感想です。

 

香澄の元婚約者である義兄・晶紀がすみれ荘に引っ越したことにより、にわかに三角関係が動き始めた本作。
特に柊一が良い具合に心を揺らし始めましたねー
だんだん腹黒さが目立ってきて、すごく好みな感じになってきました(笑)
晶紀さんへの地味な嫌がらせが楽しい。なるほど、他人との距離をとるのが上手い人はこうやって他人を攻撃するのだな、としみじみ納得しました。陰湿ぅー!だが良し!

 

柊一が自分の気持ちを自覚するという、なかなか大きな変換点となる回だったと思います。
既に新たな距離感を作ろうと動き始めているけれど、今後の彼の動きから目が離せません。
しかし二人のデート中の様子が見たかったなぁ。なんで椿屋敷は動けないんだ!(無茶振り)

 

また、今回いつもよりスポットが当てられたのはすみれさん。
ついにバレちゃったかー。
柊一さん、あんな風に外で失言するのが意外だったのだけど、それだけ彼が普段と違っていたということですよね。
滲み出る焦り。これはこれで美味しいですね。

 

ただ、本当のことを知ったすみれさんの反応は予想以上に厳しくてハラハラしました。
もっと和やかに「言ってくれたらよかったのにー!」って軽くプンプンする程度だと思ってたので・・・・・・ガチギレやんけ・・・・・・
まぁ親しい人が自分に嘘をついていたと知ったら怒るのも当然か。

 

このすみれさんへの対応で、香澄さんの言葉が良かった。

「いや――それはいいよ、香澄さん。言い訳になるだけだし」
「言い訳は大事です」
香澄さんは言う。
「言い訳もしないなんて、向き合うのが怖くてただ説明を放棄してるだけです」

当たり前のことなんだけど、忘れがちなことなんだよなぁ、と思ったり。胸に刻みたい。

 

さて、今回は「秘めた恋」がテーマということで、様々な秘めた恋の物語が描かれていました。
「すみれ荘にて」の廣田くんの話も良かったけれど、一番好きなのはすみれさんの話かな。
同性の教師に恋するという複雑な恋の思い出を、サラサラとした優しい語り口で綴られるのが印象的で。
結末も良いんですよね。ほのかな繋がりに優しさを感じて、ちょっぴり切なくなりました。

 

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