宝石商リチャード氏の謎鑑定7 紅宝玉の女王と裏切りの海/辻村七子


宝石商リチャード氏の謎鑑定 紅宝石の女王と裏切りの海 (集英社オレンジ文庫)
宝石商リチャード氏の謎鑑定 紅宝石の女王と裏切りの海 (集英社オレンジ文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年6月刊。
ついに第二部スタート!
宝石商見習いとして修行を始めた正義。
時系列的には前巻エピローグより前の話になるのかな?

☆あらすじ☆
スリランカで宝石商として修行中の中田正義。
ビザを取得し、山間の都市キャンディにインターンとして滞在し一か月が経った頃、不思議なメールが届いた。
見知らぬメールアドレスだったが、ドメインには「ジェフリー」という名前があった。
件名は「リチャードを助けて」。
メールを開いてみると、リチャードの名前で予約された豪華客船クルーズの旅程表だ。出発日は三日後。
悩むまもなく、同じアドレスからのメールで、中田正義名義の航空券と豪華客船のチケットが届き……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

公務員試験に失敗したことで宝石商見習いとなった正義。
前巻エピローグで既に語られていたことだけど、一応は公務員試験の勉強と並行する形で宝石についても学ぶんですね。
でも開幕早々、スリランカで寂しくぼっち修行しているのには少し笑いました。なんか哀愁が・・・!可哀想・・・!!

 

しかし、この哀愁漂う姿は前巻から持ち越した伏線。これがすごかった。
なんとなく前巻で全てが解決した気になっていたけれど、そんな簡単に癒える傷ではなかったということか。
就活から寄り道しただけのように見えていたのに、これは正義にとって必要な静養だったんですね・・・・・・ううむ、あのへんの伏線回収、絶妙すぎでは。

 

さて、今回はそんなスリランカ修行中の正義に届いた謎のメールから物語が動き始めます。
「リチャードを助けて」という意味深なメッセージと共に送られた豪華客船のチケット。
不安(と、リチャードに会いたい気持ち)に突き動かされた正義は、この不穏な招待に応じるものの、そこには狡猾な罠が待っていた――  というストーリー。

 

リチャードへのセクハラ問題って、まぁ、あるよなぁ・・・と正義と一緒にげんなりした気分になります。
あの憎々しい金持ちめ!痛い目にあうがよい!!と念じ続けること224ページ。
我慢に我慢を重ねた正義が、最後の最後で大人としての微笑みを浮かべた瞬間、私の心は歯がゆさと虚しさと諦念がぐるぐると渦巻いていました。
そこに至るまでの頑張りを無にしてはいけないと分かっているけれど。
あ〜〜〜でも腹立つこのくそおやじぃ〜〜〜〜って机バンバンしたのは私だけではないはず。
私もサンドバッグ殴りたい。ていうか普通に欲しいなサンドバッグ。

 

まぁその後でちゃんと因果応報があったから落ち着いたんですけどね。
この物語の世界はちゃんとスッキリさせてくれるから好きだ。

 

さて、今回は長編ということで1本の物語としては読み応えがあって面白かったです。
ただ、いつもの宝石薀蓄少なめだったのは寂しかったかなぁ。リチャードの畳み掛けるような宝石講義が恋しい。
もしかしたら2部は作風を変えてくるのでしょうか。
何やら因縁めいた相手が登場しましたしね。新キャラも登場したし、宝石商の世界の闇ももっと掘り下げるのかも?
色々と気になりますが、とにかく続きが楽しみです。

 

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