僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転/六升六郎太


僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転〈ゲームチェンジ〉 (HJ文庫)
僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転〈ゲームチェンジ〉 (HJ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年7月刊。
面白かった!
魔女と人間がタッグを組んで空を駆けるレース競技を描いた青春小説。
誰にも必要とされなかった少年と落ちこぼれの魔女が、ドン底から逆転を目指す物語です。
レースの疾走感や熱量が心地良かったし、トラウマを抱えた主役2人の葛藤や再起も読み応えがありました。
過去の挫折に正面から立ち向かう。一人では無理なことも、二人なら頑張れる。
そんなバディものの魅力が詰まっている作品だと思います。
一応綺麗に終わっているけれど、この先が見てみたいなぁ。続編待ってます!

☆あらすじ☆
魔法が実在する世界。魔法の乗り物を用いたレース競技で、かつて「最強」と呼ばれながら引退した少年・明日葉進也はある日、東雲早希という魔女と出会う。自分とペアになってレースに復帰してほしいと進也に頼む早希だが、魔女の才能に恵まれなかった彼女の魔法は「進也に3秒先の未来を見せる」だけのささやかなものだった。しかし彼女の魔法に意外な可能性を見つけた進也は、伝統あるレース「大如月祭」での一発逆転を目指す――!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔女と人間が二人一組となることで空を駆ける「加速する箒(アクセラレーション・ブルーム)」
このブルームを使用したレースでは、前席の人間が操縦を担当し、後席の魔女が動力源として魔力を供給、かつ魔法で敵を攻撃する。

このブルーム、オリジナル競技でありつつ、シンプルなルールに戦略性をもたせ、競技自体を「面白そう!」と思わせてくれるのが良かったです。
ゴールを目指して速さを競いつつ、格闘技みたいな魔法戦があるブルーム。
操縦手と魔女の二人が協力し、戦況に応じて「スピード」を取るか「攻撃」を取るかを選んでいくので、随所でバディの絆が光る場面が多いんですよね。こういうの好きだな〜

 

そして、この「バディの絆」こそが、本作で一番に推したいポイントなのです。

 

かつてレース不敗を誇ったものの、世間からドライバーとしての価値を認めてもらえず腐っていた少年・明日葉進也
魔女の名門に生まれながら、役に立たない魔法しか使えず、落ちこぼれとして放逐された少女・東雲早希
この色々とワケありな進也と早希の間にバディとしての絆が生まれていくのです。二人の距離が徐々に縮まる描写はとても丁寧に感じました。

 

腐っていた進也を早希が引っ張り上げ、心と身体に傷を抱えた早希を進也が激励する。
最強の敵を前に恐怖しても、二人一緒なら乗り越えられる。

 

個人的に、早希が進也を口説き落としたシーンの「世界で唯一、僕を見つけてくれた少女の手を、ありったけの力をこめて握り返した」の一文がすごく好きですよね。

早希には進也しかいなくて、進也にも早希しかいなくて。
困難な道のりで何度も立ち止まるけれど、その度にどちらかが相棒の手を引いて二人で前に進む。

壁を乗り越える度に一心同体となる姿に、バディものの青春を感じてワクワクしました。
同じ苦しみを抱えた二人だから、同情よりも深いところで心を通じ合えるのでしょう。めっちゃ素敵。

 

底辺から頂点を目指すレースの行方にも胸が熱くなりました。
特に最後のデッドヒートが最高。
一秒でも早く進むために全ての力を絞り出す、そんな白熱した空気が伝わってくるかのようでした。こういうのがレースものの醍醐味なんだろうなぁ。素晴らしい。

 

進也・早希組の前に立ちはだかる、進也のかつてのパートナー・蘭奈の強敵感も良い塩梅だったと思います。
いや、強敵というよりも因縁の強さの方が印象的かな。
進也の心を無邪気にへし折り、今なおその傷をグリグリとを痛めつけるところとか・・・・・・
無視を決め込む進也の態度は少し問題があると思いつつも、あんなに無邪気に心の傷をグリグリ掘り返す人とは付き合えなくない?と同情します。私も音信不通を選びそう(笑)

蘭奈が進也に構うほど彼との噛み合わなさが目立つんですよね。その結果、進也には早希がベストなのだと再確認する。
物語の中で蘭奈は徹底して当て馬にされるため、メタ的に可哀想だなと思うところもあります。もし続刊があるなら蘭奈をもう少し掘り下げてほしいかな。

 

さて、進也と早希の再起を賭けたレースは無事に終了。
物語も綺麗に終わっているけれど、シリーズ化はあるのでしょうか。
早希を苦しめた魔女の問題や、願いを叶える水晶の話があるので、続けようと思えば続けられそう?
期待を込めて続刊を待ちたいと思います。

 

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