君と僕との世界再編/音無白野


君と僕との世界再変 (角川スニーカー文庫)
君と僕との世界再変 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年7月刊。
人間的な価値が全て数値によって決められる未来を舞台にしたディストピアSF。
人工知能に依存した世界観や、「数値を持たない少年」と「更なる未来からきた少女」のボーイ・ミーツ・ガールな設定が楽しい作品でした。
ストーリーはいまいち盛り上がりに欠けるかな。というか、続刊ありきで全く問題が解決していないので、今後に期待という感じです。

☆あらすじ☆
人の価値が数値化された世界で、無価値な少年が世界の命運を握る――!?
2184年。人の価値は人間性で数値化され、それが通貨にもなり、働かずとも衣食住が保障された楽園――通称《庭国》。
たった一人、数値が《0》の少年・アオは、外敵から国を守ることで生計を立て、ただ生きるためだけの毎日を送っていた。
その任務中、負傷した少女を手助けしたことでアオの日常は激変する――。起こりえないはずのテロ、それを皮切りに庭国の崩壊が始まると告げる少女。
「あたしは崩壊を止める為に、今から20年後の未来から来たの。あんたも協力しなさい」
荒廃未来の孤独な少女と楽園世界の無価値な少年、時空の十字路で二人の異端者が出逢う時――世界は、再変される!

以下、ネタバレありの感想です。

 

人間的な価値を数値化した「拡散回路」。
物語の舞台は、人工知能によって算出され可視化された拡散回路によって、人の命すら簡単に天秤にかけることができる2184年の未来。

―――という初手ディストピア!!で始まるSFラノベでした。
冒頭の交通事故シーンの「この世界はやばい・・・」感がすごいです。
全く理想郷の皮をかぶる気がなくてゾクゾクしてしまいましたw

 

そんな世界で唯一拡散回路の数字が「0」の少年・アオ
ある日、謎の少女・モアを助けたアオは、実は20年後の未来から来たという彼女から衝撃の事実を聞かされることになるのです。

 

拡散回路0=人間的な価値が0、という前提がある以上、「私掠官」という職業にも何か裏があるんだろうなぁとピンとくるものがあって。
このへんの話が1巻では山場になっているわけだけど、個人的にはもう少しドラマチックに盛り上げてほしかったかなぁ、と感じました。
いや、真実を知ったアオはショックを受けているのだけど、その割に精神的に追い詰められてる感じは薄くて。個人的には心理描写が少し物足りなかったかな。

 

ただ、2184年の世界でのアオの拡散回路以外の順応っぷりを見ると、この主人公自体が常人よりメンタルがタフなだけなのかも。
でも冒頭のエピソードでは繊細な感性をチラ見せしてるし・・・・・・うーん、どっちなんだ?どっちもかな??

 

さて、物語は、テロリストが企む「庭園」の崩壊を阻止すべく、アオがモアへの協力を決意するところまでが描かれています。
この巻はまさに序章という感じで、色んな問題が提示されたところで終了しているので、ちょっと評価が難しかったりします。

 

キャラで掘り下げられたのもアオくらいですしね。
まだ何か秘密がありそうなモアはともかく、上司であるアーシュラや、ラブコメ要員っぽいレイの描写は足りなすぎて何とも言えません。
アーシュラさんはあの展開に行く前にもう少し掘り下げほしかったかなー。
個人的にはレイが結構好みなサブヒロインなので今後に期待しています。

 

レイといえば神出鬼没キャラの印象が強すぎて、途中まで「この子はアオのイマジナリーフレンドなのでは・・・?」と少し疑っていたのだけど、モアと元気に絡んでいるのを見てホッとしました(笑)だって最初の方、幽霊みたいな描写だったし。
レイとアオの関係ってよくわからないんですよね。キスされてもレイの好意に気づかないアオは鈍いってレベルじゃない。
メインヒロインはモアなのでしょうけど、レイの出番が増えると嬉しいなぁ。

 

何はともあれ物語は始まったばかり。続きも読みたいと思います。

 

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