ピンポンラバー/谷山走太


ピンポンラバー (ガガガ文庫)
ピンポンラバー (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年6月刊。
一流の卓球選手を養成する学園を舞台に、かつて負けた少女との再戦に燃える少年が主人公のスポ根ラノベ。
努力、友情、勝利、といったスポ根ものならではの爽やかな青春が心地よく感じる作品だと思います。
ただ、個人的には期待していたほどの疾走感を得られなかったのは惜しかったかな。
主人公とヒロインの会話はテンポが良くて楽しかったです。

☆あらすじ☆
かつて天才卓球少年と呼ばれた飛鳥翔星は、怪我のため卓球界から姿を消した。それから数年後、私立卓越学園の入学式に彼の姿があった。
そこは日本全国から集まった卓球エリートたちがひしめく最高峰の学園。翔星がこの学園に進学した目的は小学生時代に唯一敗北を喫した名も知らぬ少女を見つけ出し、そして勝利することにあった。
だが、入学初日にして彼は本物のエリートによる厳しい洗礼を受けることになる。
一年生最強の女子・白鳳院瑠璃に、怪我をしていた膝の弱点を見抜かれ、あっけなく敗北してしまう。敗北しうなだれる翔星に、瑠璃は「あなた、私のパートナーになりなさい」と告げる。彼女の目的は、才能のある彼とダブルスを組み、これまで一度も勝てたことのない相手、姉の紅亜を負かすことにあった。そして、その紅亜こそが、翔星が捜し求めていた、あの日の少女だったのだ。
学園最強女子・紅亜という共通の敵を倒すため、翔星と瑠璃は共闘関係を結ぶことになるのだが……。
その身を焦がすほどに卓球を愛し、すべてを捧げた少年の燃えるような青春。第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。

以下、ネタバレありの感想です。

 

幼い頃に出会った少女との再会と再戦を望む少年・飛鳥翔星
かつては「音速の鳥(ソニックバード)」と呼ばれる天才卓球選手だった翔星は、怪我をした膝を治療し、長いリハビリを乗り越え、ついに卓球選手養成学校である卓越学園の門を叩いた。
そこで出会った「氷結の瑠璃姫」白鳳院瑠璃をパートナーとし、翔星は因縁の少女・白鳳院紅亜にダブルスで挑むことになるのです。

 

一流の卓球選手を育てるためだけに存在し、卓球の実力で序列が決まる全寮制の中高一貫校。
卓球ラノベの舞台としては、これ以上ないほどワクワクする設定だと思いました。
ランキングを決めるポイント制とか、それで練習環境にすら優劣がついたりとか、いいですよね。
勝負の世界の厳しさが分かりやすく学園生活に落とし込まれてる感じがして。

 

そんな学園の高等部に編入した翔星。
これまたスポ根ものの主人公として魅力的なキャラクターだったと思います。
卓球で約束したことを愚直に守り続けるところとか、彼の卓球への愛は強く、決して歪まない。
膝の故障という挫折を既に経験しているからかな。
物語の中で翔星の卓球に対する姿勢には迷いがなくて、ただひたすらに突き進む姿には尊敬を覚えました。
まぁ私は性癖的に心に弱さを抱えているひとの方が好きだから、そういう意味では瑠璃の方が好みなんですけどw

 

と言っても、別に瑠璃のメンタルが弱いというわけではなくて。
ただ、瑠璃の姉に対するコンプレックスは時に翔星の執着よりも強く感じるほどで、そういう泥臭いキャラクターがとても好きでした。
一度も勝てない相手に勝ちたくて、無謀な約束をして、勝つために自分を変えてでもひたすら努力し続けた瑠璃。
ヒロインというより、もう一人の主人公のようだったなぁ。彼女の視点からこの物語を読んでみたかったなぁと思うくらいです。

 

瑠璃との特訓、翔星自身の戦い、学園で知り合った新たな友達など、卓球ありきの青春小説として綺麗にまとまっている作品だったと思います。
ただ、ちょっと惜しいのは、肝心の卓球シーンに疾走感と熱さを感じられなかったことかな。個人的には、試合中の文章にあまり勢いがあるように思えなくて。
小説を読みながら試合内容に高揚する、みたいな気持ちにはなれませんでした。
ちょっと展開もストレートで読みやすかったので、カタルシスもあんまり・・・って感じでしたし。うーん。

 

そのへん残念だったのだけど、気性は違えど卓球愛がそっくりな翔星と瑠璃のコンビは好きなので、物語の結末には満足です。
瑠璃のボケが良いんだよなぁ。ノリツッコミで何度か吹き出してしまったw
ちなみに、正直、幼馴染ヒロインとのWヒロイン制っぽい配置は微妙にバランス悪くも感じたり・・・・・・

新人さんだし、今後の期待も込めて続刊があれば読みたいです。

 

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