天才王子の赤字国家再生術 ~そうだ、売国しよう~/鳥羽徹


天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)
天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年5月刊。
面白かったー!
売国奴志望の天才王子が、(そんなつもりじゃなかったのに)国家運営に成功してカリスマ君主の道を歩むファンタジー。
コメディ全開で楽しく進むけれど、ガッツリ戦記としても楽しめる作品です。
有能ゆえに快進撃を続け、そのせいでドツボにはまっていく主人公。その葛藤(?)がめちゃくちゃ笑えましたw
頑張れば頑張るほど隠居の夢が遠のくんだから、もう開き直って名君になればいいのに!
主人公と補佐役ヒロインの関係も個人的にツボ。
この主人公、ヒロインのことを「俺の心臓」って呼ぶんですよ。どんだけ大事やねん!と思ったら恐怖の逆鱗でした。
ひぇぇ・・・・・・このカップル好き・・・!

☆あらすじ☆
「さすが殿下! これが狙いとは!」「どこまでもついて参ります!」「殿下!」「殿下!」「殿下!」「殿下!」
『(一体どうしてこうなった!?)』
資源も人材も兵力もない弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。文武に秀で、臣下からの信頼も厚い彼にはひそかな願いがあった。
「国売ってトンズラしてえええ!」
そう、王子の本性は悠々自適の隠居生活を目論む売国奴だったのだ!
だが、大国に媚びを売ろうと外交すれば予期せず一方的に利益を手にし、隣国との戦争で程よく勝とうとすれば大勝利。名声は上がるが売国は遠のき、臣民はイケイケ状態で退くに退けない!?
天才王子による予想外だらけの弱小国家運営譚、開幕! 

以下、ネタバレありの感想です。

 

国王が病に倒れ、代わりにナトラ王国を摂政として導くことになった王子ウェイン
仁徳にあふれた次代の賢君として尊敬を集めるウェインだが、その実体は「このド貧国を売ってトンズラしたい!」と叫ぶダメ人間だった――・・・!

 

というわけで、名君の顔をして売国を目論むウェインが、なんとか穏便に国を売り飛ばせないものかとアレコレ画策する姿を描いていく本作。

・・・・・・たぶん画策するのがダメなんですよね。

ウェインが国を売ろうと何かするたびに、その結果は(思惑とは裏腹に)ウェインの名声を高めるばかり。
ジリ貧だったナトラ王国の状況も良い方向へと転がり始め、臣下たちのテンションもウナギ登りの絶好調。
そうして最後にウェインひとりが「どうしてこうなったあああ!」と痛々しく叫ぶ羽目に陥るのです。

このズレっぷりが楽しくて楽しくてw
優秀すぎてドツボにはまるとか、まさに天才とバカは何とやら・・・・・・・

上手くいきすぎて上手くいかないウェインのテンションの乱高下は凄まじく、コメディ全開ですごく楽しかったです。

 

また、戦記ものとしても面白い作品でした。
冒頭の外交的駆け引きがメインかと思いきや、実際は戦争パートが8割くらい?
その戦時にあっても物語からコメディ成分は失われないんですけどね。戦記なのにコメディっていうのがすごく楽しい。
ウェイン、常に相手より先読みできているのに、肝心な場面で読み間違えるのは運があるのかないのか・・・・・・

コメディで楽しく読ませる一方、シリアスはシリアスでびしっと締めているのも良いんですよね。国家を運営する立場から損得勘定重視で戦局を考えていくところも面白かったです。
これくらいメリハリがきいている作品は読んでて本当に楽しいなぁ。

 

ウェインの望まぬ快進撃を描く本作で、忘れてはならないのがヒロイン・ニニムの存在。
ウェインの補佐官であり、唯一素顔をみせる友人であるニニム。彼女の遠慮ないツッコミがまた楽しかった!。
本当に遠慮がないんですよね。どれくらいないかと言うとウェイン(一応王子だよ!)の鼻にジャガイモを突っ込もうとするくらい。普段から関節狙ってますし。
でも誰よりもウェインのことを理解していて、彼の寝顔を見ながら「自分の夢を見てくれていたら嬉しいな」と思う健気な可愛さもある。
ちょっとヒロインとして理想形すぎません?
は〜〜〜ニニム可愛いんじゃ〜〜〜〜
これで有能な片腕でもあるっていうのがまたもぉ〜〜〜〜((└(:3」┌)┘))

 

そもそもウェインとニニムの関係自体が萌えのかたまりすぎて。
「死なないでね」「心臓がここに残るんだ。死ぬ理由がどこにある」のやり取りには私が死ぬかと思ったよ・・・!
ニニム侮辱したやつ絶対殺すマンのウェインも本当に何なんだお前何なんだ・・・!って感じですし。ニニム大好きすぎか。愛が重いっていうか愛が怖すぎて最高。
外面温厚な王子の絶対不可触な逆鱗とかさぁ・・・・・・美味しいよう美味しいよう

こんな関係を見せられたら、二人のことをもっと掘り下げてもらわないと困るじゃないですか。
ウェインとニニムのこれまでを見せてくれ〜!これからも見せてくれ〜〜!!

 

これは是非ともシリーズ化してもらわないと。
帝国の皇帝が崩御したことで大陸に動乱が起きるなか、ウェインが無事に売国に成功するのかも気になりますし。無理なんだろうなーw
きっとウェインは頑張れば頑張るほど泥沼にはまるのだろうし、そんな彼の国家再生術をニコニコしながら見届けたい。
というわけで続刊楽しみに待ってます!

 

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