皇帝つき女官は花嫁として望まれ中/佐槻奏多


皇帝つき女官は花嫁として望まれ中 (一迅社文庫アイリス)
皇帝つき女官は花嫁として望まれ中 (一迅社文庫アイリス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年4月刊。
帝国の女騎士の生まれ変わりである王宮女官。
皇帝つき女官に選ばれてしまったことで、彼女は予期せぬトラブルに巻き込まれていきます。
前世から持ち越した秘密や人間関係が交錯しつつ、皇帝を巡る陰謀劇を描いていく本作。
状況はシリアスなのに妙にコメディタッチなお話でした。
全部シリアスブレイカーな皇帝のせいですよね???
イケメンが鳴く度にめちゃくちゃ笑いましたw

ちなみに、タイトルからの個人的予想に反して、ラブコメのお相手は皇帝ではなく皇帝の騎士。
こちらは砂糖過剰供給状態で、度々休憩が必要なほどでした。甘すぎるわ・・・!
あとがきには「ヒーローはそっとアピールしつつ迫るような感じ」と書いてあったけれど。
嘘やん・・・・・・「そっと」ではなくない???

ご都合主義が悪目立ちしてる部分は気になったけれど、ラブコメとして楽しく笑える作品でした。
よく分からない部分が残っているのでシリーズ化に期待しています。

☆あらすじ☆
「帝国の人間と婚約していただきましょう」
前世、帝国の女性騎士だった記憶を持つオルウェン王国の男爵令嬢リーゼ。彼女は、死の間際に帝国の重大な秘密を知ってしまった。だからこそ、今世は絶対に帝国とはかかわらないようにしようと誓っていたのに……。とある難題を抱えて、王国へ視察に来た皇帝の女官に指名されたあげく、騎士シディスと婚約することになってしまい!?
その婚約を解消するため、前世仕込みの戦闘能力で、皇帝達の抱える問題を私が解決します!
秘密を抱える女官の転生婚約ラブコメディ!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

帝国の女騎士として皇族の少年を守って死に、属国の男爵令嬢として生まれ変わった主人公・リーゼ
帝国とは違い、女が剣を振りまわすことに否定的なオルウェス王国で肩身が狭い思いをしていたリーゼは、結婚を諦めつつ王宮女官として働いていた。
しかし、訪問中の皇帝の世話をする女官を探していた帝国の騎士・シディスに指名されたことで、彼女の運命が動き始めるのです。

 

リーゼを待っていたのは、なぜか犬の鳴き真似をする皇帝エグザードと、それをフォローする公爵アルセード
魔力を歪められた皇帝の不調を知ってしまったリーゼは、口外しないようシディスと強制的に婚約させられ――と進むわけだけど、この婚約のくだり、めちゃくちゃ強引だな!と笑ってしまいました。意外と真面目な理由があるんですけどね。

 

シディスのリーゼに対する執着とか、前世絡みの謎とか、今現在皇帝を襲っている脅威とか、気になる点をたくさんバラまきながらスタートした本作。
状況は思ったよりもシリアスで、アウェーな王国で皇帝たちが徐々に追い詰められていく大変な事態なわけです。

でも、それを一声で吹き飛ばしてしまう皇帝のインパクトが強烈すぎるw

だって可愛い! もうシリアスとかどうでもいいよくない?ってなるくらいに皇帝が可愛い。
最終的に完全わんこ化するのだけど、この皇帝、わんこライフを満喫しすぎでは?と思ったし、巻末掌編を読んでも、この皇帝、わんこスタイルに味をしめたな?と思いました。
お茶目な皇帝陛下、めっちゃ好き。

 

シリアスブレイカーわんこはさておき、物語は皇帝の魔力を歪めた原因を探りつつ、仮の婚約者となったリーゼとシディスの恋を描いていきます。
シディスのアプローチは激甘でしたね〜〜
上でも書いたけど全然「そっとアピール」ではなかった。
独占欲むき出しでめちゃめちゃアピールしてたじゃないですか!
これで「そっと」なら積極的になったらどうなるんだ?(ていうか人物紹介は「積極的に迫ってる」って書いてあるぞ・・・!)
でもシディス本人も「今まで遠慮していた分」とか言ってるんですよね。遠慮・・・・・・遠慮?????

 

そんなシディスに振り回されつつ、なんとか婚約から逃げようとするリーゼ。
武闘派ヒロイン大好きです。戦える女の子は格好良い!
王国の水が合わなすぎて最初からお疲れモードなのが不憫でしたけどね。
あと、リーゼの鈍感さは歯がゆかったなぁ。秘密があることを考えれば仕方ないのかもしれませんが、間の悪さもすごいヒロインでした。

 

ちなみにリーゼのラブコメ関連では従兄のレオンが割と好きだったり。
レオン派では全くないのだけど、素直になれず自業自得の道を歩んでいく感じがとても好きなタイプの当て馬でした。不憫。

 

そんなわけでラブコメ方面はとても楽しめたのだけど、一方で気になったのは「リーゼが真相に気づけない理由」にご都合主義が目立っていたこと。
特に「金色の髪の少年」の正体がすぐに結びつかなかったことは、うーん・・・・・・
あれだけ「髪色が違う顔立ちが違う」と言っていたのに、結局本人そのままというオチには正直脱力しました。それが真相なら謎を引っ張りすぎだよ〜
順調に成長した皇帝はすぐに分かったのに、成長が遅かったシディスは全く分からなかった理由がピンとこないんですよね。年齢的には記憶に近いほうが分かりやすいのでは・・・・・・光の影響は髪色だけのようですし。

ドナン教へ疑いを向けなかった理由も、まぁ暗示と言われれば「そうか」としか言えないんですけど。
そのままストレートに黒幕なのではなく、なにか一捻りほしかったなぁ。
ご都合主義のせいで物語が間延びしたように感じられたのが惜しい。

 

そういえば、リーゼが婚約を嫌がっていた理由である「原初の光」の秘密って結局何だったのでしょうか。
「実は魔法が失敗した跡」と途中で言っていたけれど、えっそれだけ?
シリーズ化したら帝国に舞台を移して「原初の光」について掘り下げられたりするのかな?
期待していいのでしょうか。

とりあえず続刊を待ちたいと思います。

 

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