悪魔の孤独と水銀糖の少女/紅玉いづき


悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)
悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2018年5月刊。
悪魔の島に訪れた死霊術師の孫娘と悪魔を背負った罪人の男の孤独と愛を描いたファンタジー。
物悲しい雰囲気が、静かに心に馴染んでいく。そんな錯覚を覚える作品でした。
「孤独」と「愛」の物語で、ヒロインと死霊術師たちの絆に心が震えます。家族愛がとても良かった・・・・・・
その一方で全体的に読みにくさや展開の唐突さを感じたりもして、設定は好きなのにイマイチ気持ちが乗らない部分もありました。
私のコンディションが良ければもっとハマったのかなぁ。いつか再挑戦したいです。

☆あらすじ☆
『ミミズクと夜の王』紅玉いづきが贈る、極上のファンタジー。
「あなたを愛するために、ここまで来たんだもの」
黒い海を越え、呪われた島にやってきた美しい少女、シュガーリア。今は滅びた死霊術師の忘れ形見である彼女が出会ったのは、大罪人の男、ヨクサルだった。彼は無数の罪をその身に刻み、背負う悪魔は、『孤独を力にかえる』という──。
「あんた、何様のつもりだ」
「わたしはシュガーリア。この世界で最後の……死霊術師の孫娘よ」
愛など知らない男と、愛しか知らない少女が出会った時、末路を迎えたはずの物語が動きはじめる。
水銀糖の少女の、命をかけた最後の恋は、滅びの運命に抗うことが出来るのか。

以下、ネタバレありの感想です。

 

自らの復讐のため、悪魔の島に訪れた死霊術師の孫娘・シュガーリア。
彼女が探し求めた相手であり、孤独を力に変える悪魔を背負う男・ヨクサル

物語は、「かつての黄金の島であり、今は悪魔の島であり、未来永劫、孤独の島である」場所を舞台に、二人の過去と現在を交えつつ、二人が抱える「孤独」とそれぞれの「愛」の形を描かれていきます。

 

正直、なんだか文章のノリが合わなくて、ちょっと読むのが大変でした。
なんでだろう。紅玉さんの作品は初めてではないのに。むしろ「ミミズクと夜の王」とかすごく好きなのだけど。
私の体調が悪かったせいだろうか・・・・・・

 

それはさておき、少しずつ明かされていくシュガーリアと死霊術師のじじさま・ばばさまたちの「愛」のお話はとても素敵でした。
おじいちゃんたちと孫娘の関係性がとても可愛いし、タルトケーキの約束がとても切ないし、悲劇の先に生まれた宝石の絆はとても尊くて。
なかでも印象的だったのはシュガーリアが宝石で自分の顔の傷を治したシーン。
大切な宝石を使い捨てることに彼女自身も辛そうなのに、それでも「でも、顔に傷なんてつくったら、みんなが悲しむんだもの」と言い切った彼女には強い愛を感じました。
大切な人が大切にしてくれた自分だから大切にしなければ。
そんな気持ちが伝わるシュガーリアの姿に、なんて完成された愛なんだろうと思いました。

 

そういうわけで、家族愛的な物語としてはとても丁寧に美しく整えられていたと思います。

 

一方で、シュガーリアとヨクサルの関係はなんだか、途中経過がふわふわとしてて、よく分からなかったかなって・・・・・・オチは悪くなかったのだけど。
色々と唐突な展開が続いているようにも思えて、ちょっと気持ちがついていかなかったんですよね。
あの白い騎士はどこから何で出てきたんだ・・・? 私が読み落としてただけで何か脈絡があった・・・?
シュガーリアのヨクサルに対する「愛」の意味もなんだか個人的にうまく整理できずに、こう、モヤモヤと・・・・・・愛・・・・・・愛ってなんだ?

 

「愛玩」として愛を与えられ、自らも与えて生きてきたシュガーリアが、望みを叶えるために「愛」を使った、というのはなんとなく分かる気もするのだけど。
いや、やっぱりここでいう「愛」がよく分からない。
出会う前から「愛する」って決めてかかっている、その愛って何ですか・・・・・・どこでどう変化したのかも分からなかった・・・・・・
シュガーリアと死霊術師たちが互いに抱く「愛」は私にも理解が及ぶものだったのになぁ。

 

うーん。何回か読み直さないとダメっぽいです。読解力が足りず、申し訳ない。体調整えて出直そう。

ただ、ラストの暗さを残しつつ前を向くラストは好きなので続きがあるなら読みたいです。
愛がどうのって愚痴ってしまったけれど、シュガーリアとヨクサルの関係は(設定的に)好きなんだ・・・!

 

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