白銀王の日帰り王妃/守野伊音


白銀王の日帰り王妃 (角川ビーンズ文庫)
白銀王の日帰り王妃 (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年5月刊。
面白かった〜!
幼なじみで遠縁で片思い中の王様に頼まれ、バイト王妃になった女子高生の日帰り異世界トリップ・ファンタジー。
隙あらば笑いを取ろうとする軽妙な文章にニヤニヤを抑えるのが大変でした。相変わらず守野作品は外で読めない。
明るく元気に進む物語ですが、次第に見えてくる幼なじみの絆と覚悟は切なすぎて胸がキュッと痛くなるほど。
テンションの振れ幅が大きすぎて私の感情は色んな方向に大騒ぎです。この緩急の付け方めちゃくちゃ好み。
そして何より主役カップルが性癖に刺さりすぎて・・・・・・結婚するよりも先に、恋をするよりも先に、なんという強い想いで繋がっているのか・・・!

☆あらすじ☆
幼馴染みが異世界の王様なので、色々あって王妃バイト始めました
平凡な高校生・春野月子には、異世界の王様な幼馴染み・ルスランがいる。とある事情で密かに片思い中のルスランの王妃バイトをするうち、国を揺るがす陰謀に巻き込まれて!? WEB発、日帰り異世界トリップラブ!

以下、ネタバレありの感想です。

 

亡き曾祖母が異世界人であること以外は普通の女子高生・春野月子
そんな彼女は気づけば異世界にいた。目の前には曾祖母が遺した鏡越しに、長年仲良くしてきた幼なじみ兼遠縁のルスラン
異世界の国レミアムの王であるルスランは「色々と面倒な事情があるからバイトで王妃になってくれ」と月子に頼み、密かにルスランに片思い中の月子はノータイムでこれを承諾。
こうして月子の日帰り王妃生活がスタートするのです。

 

住む世界は違えど、小さい頃からたくさんの時間を過ごし、すでに阿吽の呼吸は習得済みの月子とルスラン。
そんな二人は序盤から息ぴったりの掛け合いを見せてくれます。
ボケとツッコミの応酬が面白すぎて何度吹き出したことか・・・・・・外で読むんじゃなかった!

 

そういうわけで仲良しの最上級みたいな二人なので、「夫婦」という形になっても甘い雰囲気なぞ生まれることはなく。
それでもルスランに恋をしている月子は、この機会になんとか告白できないものかと奮闘するのです。
とりあえずルスランの恋愛対象に入るにはどうすればいいのか考え続ける月子。まずはルスランの長い長い名前を覚えるところから・・・というのが彼女の残念さですけどね。いやでもあれは覚えられないよ。あとがきで生みの親も投げてるじゃん!

 

「日帰り王妃」なんてあだ名を付けられつつ、高校生活と異世界王妃生活の二足のわらじで頑張る月子。
最初は彼女の異世界観光気分に釣られてワクワクしながら読んでいました。
空中庭園とか水中庭園とか、字面だけで楽しさがやばい。
魔力0の不自由を強いられているくせに全力で異世界生活を楽しむ月子のタフさも笑えます。「なんか裏では大変そうだけど、能天気な話なんだなぁ〜」とほのぼのしていました。

 

甘かった。

 

物語が進むにつれて明らかになっていくのは、レミアムを含めた異世界が抱える問題、ルスランのトラウマと執着、そして月子の覚悟。
それを知ってしまうと、月子とルスランの夫婦漫才すらも尊く感じてしまいます。

恋よりも先に愛があった。月子にとって大事なものは何年も前から既に決まっていた。

だからこそ月子の取捨選択に迷いはなく、どんな状況でも彼女は真っ直ぐに突き進むのです。ただルスランのためだけに。
その健気な一途さにとても惹かれます。だって彼女が決めた道はとても辛くて厳しいものだから。

 

ラストシーンがまた良い。

「ごめん、ごめん月子・・・・・・・・・・・・どうか、どうか俺と一緒に、地獄に堕ちてくれ」

「一緒に生きよう」と笑顔いっぱいの明るい恋も好きだけど、「一緒に地獄に堕ちよう」と泣きながら誓い合う関係の仄暗い執着感は更に好きすぎて好きすぎて。
月子とルスランの恋はそのどちらでもあって、そこがまた美味しいのです。ていうか性癖に刺さりすぎてしんどいよ!

 

ルスランの協会に対する憎悪とか、月子の正体を知った協会の動きとか、まだまだ問題は山積み。
二人の困難な道のりは気が遠くなるほど長いものになりそうですが、この先の物語は読めるのでしょうか。
我慢できなくてWEB版見にいったけど書籍分で全部だったんですよねぇ。
シリーズ化してほしいなぁ。期待しています!

 

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