鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のつれづれ/梨沙


鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のつれづれ (集英社オレンジ文庫)
鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のつれづれ (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★☆☆
2018年4月刊。
「鍵屋甘味処改」のスピンオフにも当たる新シリーズ。
和菓子屋の看板娘と鍵屋の弟を中心に、彼らの日常に持ち込まれる謎を解き明かしていくライトミステリーです。
プロポーズを保留中の天然小悪魔系ヒロインと、保留されてしまった熱血年下男子の微妙な距離感が楽しい作品でした。
少年の奮闘が可愛すぎて悶えたから続きが読みたいなぁ・・・!

☆あらすじ☆
多喜次は兄が営む『鍵屋甘味処改』のお隣、『つつじ和菓子本舗』の看板娘・祐雨子に絶賛片想い中。祐雨子と兄は幼なじみで、彼女はかつて兄に恋をしていた。少しでも自分を見てほしいとプロポーズした結果、答えは保留。断られたわけではないし、諦めるつもりはない。そして高校卒業後は『つつじ和菓子本舗』へ住み込み、和菓子職人として修業の日々が始まるが…?

以下、ネタバレありの感想です。

 

前作『鍵屋甘味処』に登場した蘇芳祐雨子淀川多喜次の二人を主人公にした新シリーズ。
作中時間的には「鍵屋」本編終了後で、淀川と婚約したこずえは同棲中、祐雨子は相変わらず元気に和菓子を売っており、多喜次は祐雨子のことを気にしつつ和菓子職人の修行中、という状況です。

 

多喜次のプロポーズをまだ保留してたんかい!と驚いたけれど、多喜次の方から「今返事もらったら確実に振られるから待ってくれ!」っていう態度だったので納得。
勢い任せのプロポーズとはいえ、好きだと堂々宣言した上で自分の頑張りを見てくれっていう彼の真っ直ぐさは好感が持てます。
まぁ祐雨子が多喜次に対して悪感情を持ってないから出来ることかもしれないけれどw
保留してもらって頑張るのを格好いいと思うべきか、往生際が悪いと考えるべきか・・・!祐雨子

 

祐雨子を振り向かせようと和菓子職人の修行に邁進する多喜次。
修行と言っても未だ菓子作りもできない段階ではあるものの、日々、熱心に裏方仕事に励む多喜次の頑張りは素直に応援したくなります。そしてそれを祐雨子もちゃんと理解しているし、たまに見せる多喜次の男らしさに「あれ?こんな子だったかな?」と首を傾げたりもして。
あ〜〜〜、この祐雨子のちょっとした変化いいなぁ。恋愛対象外からジリジリと眼中に入っていってる感じがすごく良い。
まだまだ道のりは長そうだけど、多喜次の未来は明るい気がしてほっこりします。

 

まぁでも祐雨子さんは手強い相手なので、多喜次はたくさん頑張らなければいけないはず。
なんたって天然小悪魔ですから。無自覚に距離感ゼロの人ですから。
「こうしてると、あったかいですね」とか、あの状況で、あの関係の相手に言っちゃう!?普通言わないでしょ!?やべぇな祐雨子さん!!って感じで何度も叫びましたw

 

さて、そんな二人のゆっくりした恋模様を描きつつ、和菓子屋の日常を描いていく本作。
個人的には和菓子はとても苦手なので、どれだけ美味しそうに描かれても心(というかお腹?)に響かないのが少し残念なのだけど(ごめんなさい・・・)、和菓子の見た目の上品な麗しさだけはしっかり伝わってきました。和菓子って本当に綺麗ですもんね。

長い伝統と文化を感じさせる和菓子の薀蓄も興味深く読めたし、和菓子屋のお客さんたちが持ち込む謎の数々も面白かったです。
個人的には「中華まんと和菓子職人」に登場した老夫婦の話が好きかなぁ。老夫婦モノは弱いんです・・・・・・
老婦人の「恨み言を言ってやったわ」が切なくて。苦楽を共にしてきたのに、最後の最後にそんなことを言ってしまって後悔して。でも心は確かに繋がっていて。
「あらやだ、塩味だわ」にはジンときた・・・・・・

 

恋愛的にもミステリ的にも良かったけれど、予想外に面白くて今後に注目したいのは新キャラ・柴倉くんの存在。
途中でキャラ変(本性バレ?)してからの柴倉くんと多喜次の掛け合いが楽しくって!
同い年の気安い男の子同士の関係っていいなぁ。見ててニヤニヤしちゃいますw
祐雨子を巡る三角関係になりそうで、ならなそうで、やっぱりなりそう!?どっち!?みたいな構図も楽しい。
多喜次は余裕がないからこそ多喜次なので(ひどい)、彼を焦らせるために是非とも柴倉くんには二人をつつき回してほしいものです。

 

こちらも鍵屋みたいにシリーズ化したりするのかな?
ぜひ続きが読みたいので楽しみに待っています。

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