レッド・クイーン2 ガラスの剣/ヴィクトリア・エイヴヤード


レッド・クイーン 2 ガラスの剣 (ハーパーBOOKS)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年2月刊。
奴隷階級レッドと支配階級シルバーが存在する世界を舞台に、シルバーしか持たない異能に目覚めたレッドの少女の革命を描くファンタジー第2弾。
暗鬱に猜疑心と裏切りと絶望に満ちているストーリーで、めちゃくちゃしんどかったけど面白かったです。

「誰が誰を裏切るか分からない」をモットーに人間不信をこじらせていくヒロインの苦しみと葛藤がとても辛い。
家族も友達も仲間も愛した人すら信じられないまま、自分の中にある稲妻だけを頼りに少女は血塗られた道を突き進むのです。

怪物と化していくヒロインは、世界を変えることができるのか。

今後の展開にますます目が離せなくなる緊迫の第二巻でした。

☆あらすじ☆
赤と銀の血にこの剣(つるぎ)が染まっていく。追放された王子と奴隷の少女、シリーズ第2弾!反響続々! 〈レッド・クイーン〉シリーズ第2弾。
罠に嵌められ、“王女”から一転、反逆罪で追われる身となったメア。自分の他にも奴隷の身で支配階級“シルバー”の不思議な力に目覚めた人々がいると知り、捜索に向かう。無慈悲な国王に先を越されれば彼らに命はない――。メアは仲間を守るために戦いの先頭に立ち続け、手を血に染めるたびに傷ついていく。だが周囲からは畏怖され、孤立を深めて……。革命を背負わされた少女の孤独な戦い!

以下、ネタバレありの感想です。

 

メイヴンの裏切りによって国から追われる身となり、レジスタンス・スカーレット・ガードに身を寄せることになったメアとカル。
レッドでありながらシルバーと同じような異能を持つニュー・ブラッドを保護し、味方とするために、メアたちは秘密裏に各地を巡ることになるのです。

 

というわけで第2巻は仲間探しの冒険譚なのだけど、これがまぁ1巻に輪をかけて暗鬱な雰囲気で語られていくわけです。

レッドの集団にいながら、周囲から猜疑心と憎悪に満ちた目を向けられる「稲妻娘」と「シルバーの元王子」。
メアに見せつけるかのように、残虐に「ニュー・ブラッド」を狩っていくメイヴン。

どこにも光はなく、希望が見えたと思えば絶望で押しつぶされる。
暗いトンネルの先に何があるのか分からないまま、誰ひとり信じられないメアは必死で走り続けることしかできなくて・・・・・・

そんなメアの内面が如実に物語の雰囲気に影響しているのでしょうね。
散々裏切られたメアが「誰が誰を裏切るか分からない」をモットーに人間不信となるのは仕方ないのかもしれないけれど。
彼女の態度って「自分は信じないし、相手が自分を信じないのも分かっている」というスタンスですよね。
これが登場人物全員における暗黙の了解と化していて、そこにドライでシビアな空気が生まれているのです。まさに状況に相応しい殺伐さ。
でもこれが延々と続くと流石に心が疲れるんですよね。面白いけれど、本当にしんどい思いをさせられました・・・・・・

 

うーん。メアの疑心暗鬼はどうにかならないのか。
せめてカルかカイローンくらいは信じてやれよと思うけれど、メアはカルのことは「シルバー」として線引きしているし、カイローンのことは「ただのレッド」として線引きしているしで、全く自分側に置いて考えないんですよね。
誰も信じられないと悲嘆に暮れる割に、どこか考え方が傲慢なメアを見て「お前は何様だよ」って何度思ったことか。結構腹立つヒロインです。

 

とはいえ、メアの在り方を簡単に茶化していいわけではなく。
本人が考えるように、メアの存在はレッドにとってもシルバーにとっても無視できないほど大きくなっているわけですから。
「メアリーナ」という無辜の怪物にされた少女は、「レッドクイーン」という本物の怪物に変わりつつある。
この変化はメア自身にも止められず、かつての自分と今の自分の乖離に苦しむメアの姿はとても痛々しく、同情してしまいます。

 

どれだけニュー・ブラッドの同類を集めても、本質的には孤独なままのメア。
このまま怪物に成り果てるのか・・・・・・とハラハラしていただけにラストの急展開は衝撃でした。上には上の「怪物」がいるのです。
仇敵である皇太后を打倒して、新勢力を味方につけて、さぁいざ新しい戦場へ!っていう展開になると思ったのに・・・!

 

メイヴンの手に堕ちたメアはどうなってしまうんだろう。
というか、メイヴンはメアをどうするつもりなのだろう。
メイヴンの手紙にヤンデレっぽい執着を感じたのだけど、メイヴンのメアに対する気持ちが私には良くわからないんですよね。
彼の想いは愛なのか憎悪なのか、それとも他の何かなのか。

メアの方も「メイヴン絶対殺す!」って意気込んでいる割には彼への未練をのぞかせるし。
やめてくれ〜〜私はカル派なんだ〜〜〜!

 

メアと引き離されたカルがどんな行動を取るのかも気になります。
そもそもこの物語で一番つらい立場にある(と私は思っている)カルの結末が、個人的に一番の気がかりだったりします。
シルバーの王子として生まれ育ったのに、今やシルバーから追われ、レッドとして生きることはできないのにレッドの中にいるしかないカル。
メアの「じゃあカル、あなたはいったいなんなの?」って言葉は残酷すぎる・・・・・・

 

彼らの未来はどうなってしまうのだろう。
ああ、早くこの続きが読みたい!

レッド・クイーン 2 ガラスの剣 (ハーパーBOOKS)
ヴィクトリア エイヴヤード
ハーパーコリンズ・ ジャパン

 

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