異世界拷問姫6/綾里けいし


異世界拷問姫 6【電子特典付き】 (MF文庫J)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2018年3月刊。
あああ〜〜〜〜〜〜
泣いた・・・・・・・・・
瀬名櫂人の物語に最後まで圧倒されてしまいました。本当に素晴らしかったです。

☆あらすじ☆
「今だけは俺が王だ。盲目的に、俺に従え」
かつて異世界で無意味に死んだ少年・瀬名櫂人は狂王と化した。
――たった一人の女を救うために。
神と悪魔に囚われた『拷問姫』の代理として、人間、獣人、亜人による会合を掌握した櫂人のもと、三種族合同の防衛戦線が動き始める。
だが、従兵達の各地への侵攻は繰り返されるごとに激しさを増し、凄惨な地獄と化した世界は、櫂人に残酷な選択を突きつける。
「今一度問おう―――セナ・カイトには、エリザベート・レ・ファニュを殺せるのか?」
綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る今最も熱いダークファンタジー第六弾。
話をしよう。
これは恋の物語ではない。
憧れと愚行と、幸福な愛の物語だ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

「狂王」として圧倒的な力を振るい、三種族を率いて「世界の滅亡」に抗う櫂人。
【神】と【悪魔】を同時に相手取る彼の戦いは、孤独だけど一人じゃなくて、悲劇だけど救いはあって、最後の最後までドラマチックに胸を打つものでした。
ていうか、もう、泣いた泣いた。ボロ泣きでした。

 

話をしよう。
これは無残に人間に殺された少年と、残酷に人間を殺した怪物の話だ。
または親に見捨てられた子供と、世界に見捨てられた英雄の話である。
どちらにしろ、憧れと愚行の話だ。
愛の話であって、恋の話ではない。

作中で何度も繰り返されるこのフレーズが実に効果的。
ていうか今回はそのパターンが色んな所でハマりすぎていました。天才か・・・・・・

 

櫂人が綴ろうとする「瀬名櫂人の物語」はどんな話だったのか。彼は何を選び、何を捨てたのか。
世界を救おうとしながら疑いと恐れを向けられるという孤独の中で、櫂人は何を思うのか。

世界の滅亡の危機という緊迫の状況にあっても、櫂人の心は不思議と凪いでいるように感じられたのは(瞬間的な怒りや寂しさはあっても)、彼がすでに選択と覚悟を終えていたからだったのでしょう。
それが哀しくて堪らない気持ちになるのだけど、彼の選択の先に何が待ってるのか気になってページを捲る手は止まらず。物語の引力が本当に凄かったです。

 

櫂人の儚さに恐ろしくなる一方で、常と変わらないヒナだけが癒やし。
なかなか出てこないなぁと思ってたら登場からフルスロットルで笑いましたw
本当に癒やされる。終わりを予感させるくせに夫婦がちゃんとバカップルしてることにも心が和むのです。

でもやっぱり寂しい。だってこれは「愛の話であって、恋の話ではない」のだから。

最後のデートは甘くて可愛くてすごくニヨニヨするのに、櫂人とヒナが交わす覚悟はあまりにも切なくて。
これは「恋の話」ではないのだから彼らの幸せな結末は望めないのか、と哀しい気持ちで読み進めるしかありませんでした。櫂人はヒナを置いていくんだろうって。

 

ああ、それなのに・・・・・・ラストぉぉおおお・・・・・・
最後まで読んで、見開き挿絵を目に焼き付けて、そしてまた表紙を見返すと、おおおお・・・・・・

 

「大好きだよ、エリザベート」にボロッと泣いて、表紙と挿絵の櫂人とヒナに泣いて、「産まれてきてよかった」にまた泣いて。
ほんとにもうどんだけ泣かすんだよーー!
これだけの愛を貫いた二人を見たら、この結末をバッドエンドなんて言えません・・・・・・
確かにこれは「愛の話」でした。恋の話ではなかったけれど、愛が人を救うお話でした。終盤の畳み掛けるような展開は、独特の語り口が読み手の呼吸まで支配するかのようで、とてもとても最高でした・・・!

 

そうは言っても残されたエリザベートの姿に切ない気持ちになるのは止められないのだけど。当たり前ですね。
はぁ、でも「瀬名櫂人の物語」は終わってしまったし(しょんぼりしながらあとがきを読む)

 

終わってない??????

 

これで完結じゃないの???????

 

マジで????????

 

てことは大団円ハッピーエンドにワンチャンあるってことですか――――!?!?

 

いや、「本当の地獄は、実はここから。」とか恐ろしく意味不明なことが書いてあるけれど(神と悪魔が作る地獄より恐ろしいものがあるのか!?)、物語が続くこと自体が重要なのです。
果たして新展開の先に櫂人たちが助かる結末が待っているのか分からないけれど、せめてエリザベートが孤独じゃなくなる結末が見たいものです。
いや嘘だゴメン3人がまた笑って過ごせるハピエンが見たい!

 

ここから先はエリザベートが主人公の物語になるようですが、「異世界拷問姫」というタイトルを意味深にさせる新キャラも登場したりして、今後の展開に期待が高まります。
しかし櫂人の「狂王」化が伏線になっていたとは・・・・・・というか「異世界召喚」自体が伏線か。

 

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