オミサワさんは次元がちがう/桐山なると


オミサワさんは次元がちがう (ファミ通文庫)
オミサワさんは次元がちがう (ファミ通文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2018年3月刊。
面白かったー! そして超ニヤニヤするお話でした。
芸術学部のお姫様でコミュ障と言われる小海澤さんと、彼女の絵を見るためにわざわざ芸術学部に通う今城くん。
さりげなく(?)小海澤さんと距離を縮めていく今城くんは、ある時、彼女の抱える秘密を知ることになるのです。
不思議要素ありシリアスありの物語なのだけど、とにかく小海澤さんが可愛くて仕方ない作品でした。
これって結局ラブコメですよね?
ラストとか「なるほど!そりゃそうなるわ!」って爆笑しながらキュンキュンしましたし。
いやでもこれは本当に恥ずかしいな〜〜〜w

☆あらすじ☆
天才のオミサワさんは、三つほど次元が違う人だった――。
雪斗には気になる人がいた。芸術学科の小海澤有紗。無表情、無感情で人と関わろうとせず、奇行も多いが、落書きすら数百万の価値がある百年に一度の天才。そんな彼女となんとか友達になった雪斗だったが――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

百年に一人の天才といわれ、芸術学部で特別視される小海澤有紗
小海澤さんの絵を見るためにわざわざ芸術学部に通う今城雪斗は、些細なきっかけを得て少しずつ彼女に近づいていくことに成功し、やがて彼女の抱える秘密に巻き込まれていくことになります。

 

なぜ小海澤有紗は式典で「(自分の絵を)見ないでください」と泣き崩れたのか。
なぜ小海澤有紗は新しい絵を描こうとしないのか。
なぜ小海澤有紗は人とコミュニケーションを取ろうとしないのか。

 

その答えは全て小海澤さんの抱える不思議な事情にあるのだけど、これがまさにタイトルにある通りだったという。
「次元がちがう」って文字通りの意味なのか!

 

なんとなくミステリアスで浮世離れしたヒロインが主人公との繋がりを通して人間らしくなっていく系の青春小説なのかなぁと思いこんでいたので、途中から奇妙に認識がねじ曲がり、ひたひたと不安を煽っていく世界観に突入してびっくりしました。
まさか最初の「ごんごんじー」からして重要だったなんて。てっきり芸術学部で流行りの挨拶なのかなって思ってたのに。

 

そういうわけで、文字通り「次元がちがう」ことに悩んでいた小海澤さん。
彼女の本当の姿は、ミステリアスでも浮世離れしているわけでもなく、どこにでもいる可愛らしい普通の女の子でした。
それだけに彼女の孤独の辛さが想像できて胸が痛くなるのだけど、それ以上にラストでバラされた「普通の女の子」すぎる秘密に笑わずにいられないのですがw

 

いやだって、あの奇妙な抽象画の正体がまさか恋する乙女の妄想爆発お絵かきだなんて思わないじゃん!
本当になんなんだあれは・・・!(震)
確かにこれは「お願いだから見ないで・・・」って泣き崩れるのも仕方ないというか、見られたら見たやつ殺して私も死ぬ!って覚悟を決めるしかないですよね。わかりみ。
というか、この絵の正体を知らないまま直感で「愛」ってタイトル付けた学長すごくないですか? 芸術的センスありすぎない?

 

それと、よく考えたら今城くんが強烈に「愛」に惹かれたのは、小海澤さんが絵に込めた感情が影響してたのかもなー、とかも思ったりしました。
小海澤さんと関わったから今城くんも別次元に落ちやすくなった、という話だったはずなのに、なぜ小海澤さん本人と関わる前から「ごんごんじー」が聞こえていたのか不思議だったんです。
あれって絵を介して小海澤さんからの矢印を受信したせいとか? どうなんでしょう。

 

もしそうだとすると、この物語は色んな意味で「愛」に始まり「愛」に終わったわけです。
なんて綺麗な構成なんだろう。「愛」の正体がアレだとわかるオチまで含めて秀逸でした。

日常生活が困難になるほどの孤独に取り残された小海澤さんと、懸命に彼女に寄り添おうとする今城くん。
シリアスだけどコミカルな二人のラブストーリーには夢中になったし、ラストのオチで全てを吹っ飛ばして笑顔になれるハッピーエンドは非常に私好みで大満足です。

 

これ、どこかで特別編みたいな感じで小海澤さん視点を読めたら嬉しいなぁ。
今城くんに一目惚れしたり、あの(恥ずかしい)絵を描いたり、スライドのせいで苦しいときに憧れの彼に声をかけられるという乙女歓喜展開にぶちあたった小海澤さんの内心が詳しく知りたい!
だっていま最初から読み返すと、ファーストコンタクトで今城くんを見た小海澤さんがフリーズした意味も(そりゃフリーズするよね!w)、初期に何度も魅せていた「酷く悲しそうな顔」の意味も色々変わってくるわけじゃないですか(表情は当てにならないけど、だいたい真逆で考えれば良さそう。と、いうことは・・・?)
これだけでも楽しいんだから小海澤さん視点なんてめちゃくちゃ楽しいんじゃないか!?とか思っちゃうわけですよ〜

 

なんか気づけば小海澤さんのことばかり書いてる感想になってました。だってこんなにも可愛い。
小海澤さんの可愛さよ、もっともっと世に広まれ!

 

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