異世界迷宮の最深部を目指そう10/割内タリサ


異世界迷宮の最深部を目指そう 10 (オーバーラップ文庫)
異世界迷宮の最深部を目指そう 10 (オーバーラップ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年3月刊。
迷宮生活編完結。
今回は五十守護者「風の理を盗むもの」ティティーの物語でした。
これがもう悲惨で切なくて苦しくて・・・・・・最後まで読むとティティーが好きすぎてたまらない気持ちになる・・・!

☆あらすじ☆
――可測する前日譚(トータル・リコール)
地上への帰還を目指すカナミに立ちはだかる『風の理を盗むもの』ティティー。
呼応するかのように千年前へ変貌するヴィアイシアの街。愛憎に満ちあふれるノスフィーはカナミを『未来(ちじょう)』へ逃がしはしない……。
全ての罪過を償うと誓ったカナミは、『詠唱』の『代償』を糧に未来(かのうせい)の先譚を紐解いていく。
――それは、千年と百十一年に及ぶ前日譚。
見栄っ張りの魔人混じりが起こした、他愛もない『ごっこ遊び』。
「なんで……?」「なんで、こんなところまで……!?」
虚ろに満ちる『第五十の試練』の果てで、いま童の原風景が想起する。

以下、ネタバレありの感想です。

 

ライナーと共に、【五十守護者】「風の理を盗むもの」ティティーと、【六十守護者】「光の理を盗むもの」ノスフィーと対峙することを決意したカナミ。

彼女たちの未練を解消することこそが自分の役目であると覚悟し直したカナミは、魔法《次元決戦演算『先譚』》で勝利の道筋を先読みし、魔法《次元決戦演算『前日譚』》によってティティーの過去を暴いて彼女に本当の未練を思い出させる――というのが第10巻のストーリーなのだけど・・・・・・

 

未来予知に過去視って・・・!

 

カナミの次元魔法がすごすぎて・・・!
本人は僅かな可能性を見つけただけで未来を引き寄せたのは自分の努力だって言ってたけど、「え!何それズルくない!?」的な反応したノスフィーの気持ちが正直わかるというか。あの瞬間だけ私はノスフィーに同情しました(笑)

 

まぁそもそも敵がチート級の強敵ばかりなので、これくらいの対抗措置があってもバランス取れているのかも。
みんながみんな強いから観戦してる側としてはワクワクしてすごく楽しいです。

 

それはさておき、今回の大部分において描かれるのは、カナミの魔法によって再演されるティティーの物語。
それは、「ティティー」が失われて「統べる王」が壊れていく過去の英雄譚でした。
「王」として周囲に期待され、その重みで潰されかけても、見栄と責任感だけで立ち続ける優しい少女。
自分がどこから始まったのか、何を欲していたのかを忘れてしまっても、「守りたい」という気持ちだけで頑張り続けた小さな女の子の物語は、本当に胸が痛くなるくらい切なくて哀しくて。
「加速」の意味が明らかになるくだりとか、ぐっと目頭が熱くなりました。
そうか・・・早く終わってくれという祈りだったんだ・・・って。なんて辛い願いなんだろうって。

 

最後にようやく自分の未練を思い出し、前へ進めるようになったことも含めて、私はこのティティーの物語がとても好きです。
子どもみたいに大声で喚き散らすところも、過去の彼女の我慢を知ればもはや愛しく見えてしまいます。
ああ、ティティー可愛いよティティー大好き。どこまでも「子ども」らしく朗らかに明るくあってほしい。
いずれ未練を解消して消える運命だとしても、彼女には最後まで笑っていてもらいたいものです。

 

それと、カナミVSティティー戦の裏で進行していたライナーVSノスフィー戦も面白かった!
ライナーはカナミの騎士としてかなり頼もしくなってきましたね〜〜。
主の命を真摯に受け止めつつ、それはそれとして独断専行するあたり、非常に好みなタイプの部下キャラになってきましたw
命を投げ出すような戦い方が少し不安だけど、彼にはカナミの精神の安定のために是非ともラストまで生き抜いてほしいなぁ。頑張れ弟分!

 

さて、ノスフィー戦は繰越しになってしまったけれど、迷宮生活編はこれにて完結。
ついに地上に戻ってきました。とりあえずラスティアラと合流する予定みたいだけど大丈夫なのかな?1年経ってるのがなんか怖いんだよなぁ。
あと僕の好きな人はラスティアラって爆弾発言を残して寝ないでカナミ!ティティーの反応大丈夫??(ヤンデレの恐怖が・・・・・・いやティティーなら・・・・・・???)

 

余談。
今回のカラー口絵、最高すぎて泣きました。
本編を読み終わって改めて見返したら神すぎて目が潰れるかと思った。

 

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「異世界迷宮の最深部を目指そう10/割内タリサ」への4件のフィードバック

  1. ライナーは本当に良いキャラ!
    カナミがやばいくらい強くなりましたよね
    まあボス戦は精神攻撃が重要で、力押しより未練解消の方が有効ですけど
    なろうだと今最終章やってるので書籍は振り返りができてありがたいです

    1. コメントありがとうございます!

      ライナー素敵に育ってきましたよね!
      確かに、カナミの強さって「話を聞いてくれ!」or「話を聞かせてくれ!」って感じでボスの足止めをするために必要なイメージ・・・

      なろうだと最終章なんですか!?
      私は書籍版でまとめ読みしたいのでWEBには手を付けてないのですが、こちらはあと何冊になるのか。ドキドキしてきました・・・!

  2. ロード・ティティーはただの童のティティーへ、ノスフィーの試練はまだまだ先に……
    そしてティティーの物語はもうちょっとだけ続く……そんな10巻
    私はWEB既読しているので展開自体は知っていたのですが、物語自体も長くなりすぎた部分をしっかりと削って良くなってるし何より表紙もそうだけど、カラーページのロードの幻想的な作り物の絵画とティティーとアイドの素朴な日常を切り取った絵の二つの違いが非常によかった。挿絵も別れの挨拶の所が一番好きです。良い笑顔だ……

    後もう知ってるとは思いますが他の人のコメントを捕捉して起きますとWEB版は最終章の後二章程続きます……一応連載的には最終章は最終ではないらしいです。
    そして割内先生は章や節の中に色々意味を込めるので……結構そういうの良く読むともっと楽しめるかもしれません

    1. コメントありがとうございます。

      >私はWEB既読しているので展開自体は知っていたのですが、物語自体も長くなりすぎた部分をしっかりと削って良くなってるし

      WEB版からの良改変があったんですね〜
      無理に書籍1冊にまとめようとした結果ぶつ切りになってしまったり、全部を書籍化しようとして1冊の本としての完成度が落ちる作品もあるなか、いぶそうは毎巻の読み応えが素晴らしいところも好きです。丁寧に手直しが入っている感があって。

      >何より表紙もそうだけど、カラーページのロードの幻想的な作り物の絵画とティティーとアイドの素朴な日常を切り取った絵の二つの違いが非常によかった。挿絵も別れの挨拶の所が一番好きです。

      イラストはどれを見ても素晴らしいですよね・・・・・・物語との相乗効果が絶大すぎて最高です・・・!

      >後もう知ってるとは思いますが他の人のコメントを捕捉して起きますとWEB版は最終章の後二章程続きます……一応連載的には最終章は最終ではないらしいです。

      最終章が最終ではない??
      初めて知りました!
      その後2章分も続くとは、どんな構成になるのでしょうね。楽しみです!

      >そして割内先生は章や節の中に色々意味を込めるので……結構そういうの良く読むともっと楽しめるかもしれません

      かなり細かく伏線を撒いていく作品ですからね。私は記憶力が酷いので、忘れている部分も多そう。
      そろそろまとめて再読しようと思います・・・!

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