神様の名前探し2/山本風碧


神様の名前探し(2) (双葉文庫)
神様の名前探し(2) (双葉文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年2月刊。
神様の名前を探す幼馴染の高校生二人の旅を描く全国行脚物語第2弾。
前巻よりも主人公二人の心の揺れ動きが大きくなり、青春小説としての面白さが増しています。
そして神社巡りの舞台は福岡!
個人的に馴染み深い街だったので、それだけでワクワクが止まりませんでした〜(*´∀`)

☆あらすじ☆
“神様”の棲む社のあったハルばあさんの家が解体されるということで、瑛太はお秡いの手伝いをすることになった。瑛太はそこで、ハルばあさんの使い古された手帳を手に入れる。夏休み、瑛太と薫は、薫の祖母と三兄の住む九州への旅行に乗じて、神社巡りをすることに。まず向かったのが、筥崎八幡宮と太宰府天満宮。果たしてそこで謎は解決するのか…幼馴染二人と“神様”の名前探しの奇妙な旅、第二弾。

以下、ネタバレありの感想です。

 

手がかりが乏しいために調査は難航、さらには学生の本分にも影響しはじめて・・・・・・といった感じで開幕早々に暗雲が立ち込める薫と瑛太の名前探し。
そのなかで、鈍感だった薫の心に変化の兆しを感じるところが強く印象に残る第二巻でした。

 

今までの関係を変えたい瑛太と、関係が変わることに漠然とした不安を抱く薫。
「幼なじみ」という繋がりに思い入れがあるからこそ、自縄自縛状態で今の関係に固執する。
でも今のままじゃいられないことを思い知ることも増えていき、だからこそ焦りが生まれていくんですよね・・・・・・
過去と現在と未来の自分たちに思いをはせて、複雑に揺れる心を持て余す姿に幼馴染系青春恋愛ものの醍醐味を感じました。
瑛太だけではなく、薫の心も本格的に動き始めましたね。心情描写がどんどん深くなっていると思います。ほんとこういうのめっちゃ好き。

 

特に好きなくだりが、瑛太が中野さんの告白を断った後に薫のところにやってくるシーン。
「幼なじみの色恋沙汰」にどこまで突っ込んでいいのか、おそるおそる薫が質問して、瑛太がそっけなく(かつ、手早く)「終わった話」にもっていくところです。

「幼なじみ」という形が薫の中に揺らいでいるのに、薫はそれ以上自分の心に目を向けることをやめて、瑛太もそんな薫の心のうちを尋ねない。
互いに間合いをはかるようなギクシャクとした距離感ですよね。そのくせ、変わらないことにはちゃっかり安堵して。
ぬるま湯のように優しくあたたかい距離感に甘えてるなぁ〜って思いました。抱きしめたいくらい可愛い。
これこそが青い春ですよね。拙さが愛しい。

 

薫の中で瑛太に対する気持ちが揺らぎ始める一方、名前探しの旅は舞台を福岡へと移します。
福岡ですよ、福岡!
かつて私が住んでいた街がそのまま出てきてテンション跳ね上がりました。
「敵国降伏」を掲げる某神社の参道、よくジョギングコースに利用してたなぁ〜。
福岡の街並みの描写もとても詳細で、かの街の情景がまざまざと頭に蘇るのも楽しい。
「とおりゃんせ」を聞くと未だに福岡天神の交差点を思い出します。あれちょっと不気味な音色だよね。

 

本題である「神様の名前探し」については、二転三転する展開から目が話せませんでした。
神様・神社関連の薀蓄はちょうどいい分量で読んでいて楽しかったし、御朱印帖集めていた男の人には騙され(?)たw
やはり一場面を切り取っての早とちりはいけませんね。やりがちだから自戒しよう。

 

そして肝心のカミサマの正体はというと・・・・・・あれぇ!?
ツクヨミの話が出てきたときは「これで解決か!?」と思ったのに!
本当にあなたは誰なんだ!?
日本の神様って多すぎるし、超有名どころしかわからないんですよね・・・・・・縁結び関係っぽいと聞いても大国主大神くらいしか思いつかない・・・・・・むむぅ

 

さて、2巻に入り、名前探し的にも青春小説的にも俄然面白くなってきたのですが。

まさかの、続刊はない、という・・・・・・
切ないです。どうか、どうか続きを・・・・・・私は瑛太が憂いなくハッピーになれる結末がみたいのです(泣)
いつかどこかで物語の結末を見届けられることを切に願っています。

 

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