神様は少々私に手厳しい4/守野伊音


神様は少々私に手厳しい 4 (プライムノベルス)
神様は少々私に手厳しい 4 (プライムノベルス)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2018年1月刊。
次々と襲いくる手厳しい運命に対し、ハートフル&コミカルに立ち向かっていく異世界セカンドトリップファンタジー第4弾。
表紙上部の飛行機にギョッとしたのだけど、手前のカズキの内心を知ると渾身のドヤ顔が面白すぎましたw
状況は相変わらずのハードモード。それだけに人の優しさが沁みます・・・

☆あらすじ☆
反乱軍を迎え討つため、かつての敵の砦ウルタで過ごすカズキ。双子の弟であるユアンからは相変わらず嫌われていたが、兄のユリンから、ユアンの女嫌いの理由と二人の過去を聞く。自分達を売った母親を自分はもう捨てたが、ユアンはずっと母親から受けた傷を抱え続けている。そんなユアンの傷を癒してほしいと願うユリンに、カズキは自分にできることは必ずすると約束する。一方、ウルタ砦に姿を現した反乱軍が用意していた兵器に、皆は見慣れぬせいか怪訝な表情をするばかり。だが、カズキは悲鳴を上げてしまう。それは爆弾、そして大砲だったのだ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

爆弾を手にした反乱軍を相手に、自分にできることを精一杯頑張るカズキ。
自分の世界に由来する脅威とはいえ、彼女が責任を感じる姿に胸が痛くなります。これは「自分たちの世界の問題をカズキひとりに押し付けてはいけない」というリリイたちと同じような考え方なんだろうなぁ。優しすぎるというか真面目すぎるというか。

 

結局、優しい人たちの優しい願いは運命に押しつぶされてしまうのだけど、さて、ここからどう展開するのか。
一度世界に現れてしまった兵器をなかったことにはできないし、この世界でルーナと幸せになりたいというカズキが願うならいつまでも「迷惑をかけてはいけない異邦人」扱いではいられないだろうし。「黒曜」の名は、どれだけその背景が理不尽なものだとしてもカズキを示しているわけですしね。
一体、この状況からどんな形で落とし所をつけるのか楽しみです。

 

それはさておき、今回はメインヒーローであるはずのルーナの出番がほぼなし。
代わりにカズキの騎士となったアリスちゃんの株が爆上げでした。ルーナはカズキにダダ甘だけど、アリスちゃんは鉄拳ならぬデコピン制裁付きの体育会系厳格指導派なので、ルーナと一緒のときよりも賑やかで騒がしくてテンポの良さが読んでいて楽しいです(ルーナといるときの素っ頓狂な甘さも好きだけど!)
今回は特に檻越しに手を繋いで互いの存在を拠り所にする雨のシーンが最高にエモくて素敵だったなぁ。二人の絆が強く感じられる描き方がとても好きでした。
アリスちゃんの親友ポジション、実に良い塩梅だと思うんですよね。このままのカラッとした友情を貫いてほしいところ。

 

一方、出番控えめのルーナはというと、うーん、記憶喪失展開かぁ・・・・・・正直苦手だったり・・・・・・
ルーナとカズキは物語開始時点から既に互いへの好感度MAXだったし、リセット展開がくるのは仕方ないのかもしれませんが。ベタだけど!(泣)
ただ、その記憶喪失になった経緯は酷い。ケガの衝撃ではなく意図的なものとか・・・拷問のあととか・・・・・・うっかり一回死んだとかどういうこと・・・!震
神様はカズキだけでなくルーナにもなかなか手厳しい様子。

 

ちなみに記憶喪失のくだりのなかで一番グッときたシーンがこれ。

やったね、ルーナ! 私達、出会えば出会うほど何パターンもの出会い方ができるよ! 同じ人と何度も出会える。凄い、お得! ルーナ、後3回くらい記憶を失っても大丈夫だよ! 次はどんな出会い方をする!?
どうしよう。なんかわくわくしてきた。(254頁)

こういう風に思えるカズキが好き。
ここのカズキって(多少の強がりは混じっていたとしても)本当にわくわくしてるんですよね?
ただの能天気ではなく、ルーナの中から自分が消えたことに対する絶望は確かにあるのだけど、それでも見つけた喜びを素直に受け止める。
恋するオトメの強さが格好いいです。どれだけ凹んでもしなやかに元に戻る明るい気性にみんな惹かれるんだろうなぁと、彼女の愛されっぷりに再度納得する私でした。

 

さて、色々としんどい状況が続いているけれど、次の舞台はガリザザなのかな?
とりあえず悲劇の幼児返りを起こしてしまったユアンが元に戻った時に、今回の記憶を保持しているのかがとても気になります。とても。

 

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