ロード・エルメロイII世の事件簿2・3「case.双貌塔イゼルマ(上・下)」/三田誠


ロード・エルメロイII世の事件簿 2 「case.双貌塔イゼルマ(上)」 (TYPE-MOON BOOKS)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2巻:2015年8月刊。3巻:2015年12月刊。
時計塔のロードが謎を解き明かす、魔術師だらけのミステリー第2弾。
今回はエルメロイ2世の義妹・ライネスと内弟子・グレイが招待された社交会で起こった殺人事件を巡るストーリー。
今回でエルメロイ家の内情が色々明らかになったのだけど、それはさておき私はライネスちゃんがかなり好きです。ドSみのある美少女最高か。

☆あらすじ☆
「我が師に問う。――魔術における究極の美とは何か、と」神秘と幻想の事件簿、第二幕開演――!
双貌塔イゼルマに住まう、双子の姫。至高の美を持つとされる黄金姫・白銀姫のお披露目に、エルメロイII世の義妹であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテも参加することとなった。時計塔の社交会となれば派閥抗争もありえると、ボディガードとしてグレイを連れて行ったライネスだが、そこで起こった事件は彼女の想像をも超えていた。三大貴族。冠位(グランド)の魔術師。ロード・エルメロイII世は、『時計塔』に巣くう闇をいかにひもとくか。魔術と美、幻想と陰謀とが交錯する『ロード・エルメロイII世の事件簿』、第二幕開演。

以下、ネタバレありの感想です。

 

1巻で疑問だった「なぜウェイバーはロード・エルメロイ2世になったのか」という点が詳しく明かされる第2巻。
聖遺物パクった件はあまり関係なかったんですね。ウェイバーくん的には罪悪感があったとしても。
そういえば彼は聖遺物の件は気にしてないと思っていたのだけど、ケイネスの死という結果はやっぱり堪えたのでしょうか(そのへんアニメだとよくわからなかったような・・・・・・早く原作も読まねば)

 

しかし、そういう負い目があるにしてもウェイバーくんはお人好しですね。色々と心配になるレベル。
エルメロイ教室を勝手に奪ったとはいえ、なにも借金まで背負わなくても。生きるの不器用すぎか。
おかげで目の前で少女がSっ気たっぷりに悦に浸っちゃって・・・・・・ライネスちゃんの性癖ダダ漏れの地の文、読んでて楽しすぎましたw

今にも泣き出しそうに唇をへの字にしたままこちらを見つめてくる『彼』の顔は、ついつい踏みつけてしまいたくなるいじらしさだった。
ぞくぞくとこみあがる衝動をこらえつつ、続く要求を口にする。

泣きべそでへの字口のウェイバーくんとか、どんな顔だかハッキリと頭に浮かびます。アニメでよく見たアレだ!
確かにアレはツンツンとつつきたくなる可愛さですよね。わかる・・・わかるぞ・・・・・・

ただ、これによって背負い込まされた時計塔での面倒事が、キャンキャンと可愛かったウェイバーくんを憂鬱系無愛想なロード・エルメロイⅡ世に変えたのだとしたら・・・・・・いやでも、今も割とツッコミ気質は昔のままでしたね。

 

さて、前回同様、今回もミステリー形式に物語は展開するのだけど、今回はなんとバラバラ密室殺人事件。
根源に至る可能性を持つほどの『■』を持った黄金姫が、派閥からの亡命を依頼した直後に惨殺された。ライネスたちは冤罪を晴らすべく事件の真相解明に乗り出し――

・・・・・・書きながら気づいたのだけど、最初の黄金姫のシーンでは一貫して『■』という表現不可能を表現しているのに、亡命の話をしてるシーンでは「美しい」って言葉を安易に使ってるんですね。これ、伏線だったのか。全然気づきませんでした。
ライネスちゃんの「2回めで慣れた!」を素直に信じてたよ・・・・・・

 

それはさておき、冒頭からドSみを発揮してきたライネスが、話が進むほどに追い詰められていく上巻の展開はすごく面白かったです。
嗜虐嗜好のある美少女が、物語そのものに被虐されてるのって、なんか倒錯感あるなって(変態)
しかもしかも、絶体絶命大ピンチのところに颯爽と駆けつけるのが我らがロードなんですよ???テンション上がるしかないよね???
あと、このシーンのライネスちゃん、性根の捻くれ方が可愛すぎません?????

どれほど急いでやってきたのかなどと、こちらも訊いてはやらない。せっかく磨いてもらった靴を泥だらけにしたことも、感謝なんてしてやらない。メイドの死体が浮かび上がり、血染めのトリムマウが停止したこんな現場にありながら、なおも私たちを欠片も疑わないことにも、心が動かされたりするはずがない。

はぁ・・・・・・なんとも・・・・・・お兄ちゃんの様子をしっかり観察しておいでで・・・・・・ふふっ

萌えがあふれちゃいますね。

 

さてさて、前回の事件が「魔術刻印」を巡る物語だとしたら、今回の事件は時計塔の勢力図を示す物語。
組織の中で生きる魔術師たちの立ち回りが面白かったです。魔術師としての歪な部分が前回よりも強く感じられた気がします。
なんでだろ?個体よりも群体の方が、人間的な感情を消し飛ばされやすいのかな。損得にシビアになるというか。

 

そして魔術師たちの勢力関係が分かってくると、エルメロイ教室の立ち位置の面白さも分かってくるものですね。
というかロード・エルメロイ2世という存在そのものがかなりのイレギュラーなのか(仮初めでも貴族派の家門からロードになった新世代の凡才ってことだし。指導者としての価値は今まさに評価されているところみたいだし)
何はともあれ、今回の陰惨な事件の中で浮き彫りになった魔術師の魔術師らしさをみると、エルメロイ教室のぽかぽかした賑やかさに癒やされるのは間違いないです。エルメロイ教室は時計塔の癒やし。
当のエルメロイ二世の癒やしになっているかはさておき(フラット&スヴィンの問題児コンビめちゃくちゃ好き。まるでウェイバーくんの胃を痛めつけるために存在しているかのようでした)

 

余談。
キャスターの元マスター・アトラム氏が登場したけど、どんなに面白いキャラしててもあの残虐非道っぷりは忘れてないぞ・・・・・・と思ったらウェイバーくん直々に「聖杯戦争を、なめない方がいい」というお言葉が飛び出し、それな!となりました。

 

余談2。
グレイが目撃したラストのエルメロイⅡ世の姿が切なすぎました。会わせて、あげたい・・・!
でも彼が第五次聖杯戦争に参加できたかどうか、すでに知ってる私は哀しみで死にそう・・・!

 

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