ロード・エルメロイII世の事件簿1「case.剥離城アドラ」/三田誠


ロード・エルメロイII世の事件簿 1 「case.剥離城アドラ」 (TYPE-MOON BOOKS)
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評価:★★★★☆
2014年12月刊。
面白かったー!
Fate/Zeroのヒロイン(?)ウェイバーくん改めロード・エルメロイ2世が、魔術師の世界で起こる謎を解き明かすミステリー。
読者にフェアなタイプのミステリーではないかもしれないけれど、怒涛の薀蓄をもって語られる謎と真相にワクワクする作品でした。ちょっとだけ読み心地がラングドン教授シリーズに近いかも?こういうの大好きです。
それにしてもFateの世界観って面白いなぁ。神秘の探求者にして俗世を切り離せない魔術師の世界の薄暗さが楽しい。
そして10年前は頼りなくてイジケ虫だった少年の成長が・・・・・・もう・・・・・・感無量すぎて・・・・・・

☆あらすじ☆
第四次聖杯戦争から十年後、少年は君主(ロード)となった―――。Fateシリーズに連なる魔術ミステリー、ここに開幕!!
『時計塔』。それは魔術世界の中心。貴い神秘を蔵する魔術協会の総本山。この『時計塔』において現代魔術科の君主(ロード)であるエルメロイII世は、とある事情から剥離城アドラでの遺産相続に巻き込まれる。城中に鏤められた数多の天使、そして招待者たちそれぞれに与えられた〈天使名〉の謎を解いた者だけが、剥離城アドラの『遺産』を引き継げるというのだ。だが、それはけして単なる謎解きではなく、『時計塔』に所属する高位の魔術師たちにとってすら、あまりにも幻想的で悲愴な事件のはじまりであった──。魔術と神秘、幻想と謎が交錯する『ロード・エルメロイII世の事件簿』、いざ開幕。

以下、ネタバレありの感想です。

 

ウェイバーくんといえば、凄惨極まる第四次聖杯戦争の数少ない生き残りにして、あの戦いで大きな成長を遂げた時計塔の少年魔術師。
そんな彼は十年後、あのエルメロイの後を継いでロード・エルメロイ2世となっていた――

 

・・・・・・なぜ????

 

ウェイバーくんがエルメロイ2世になった事情はこのシリーズの中で明かされるのでしょうか?
それとも私が読んでない他の作品で既に明かされてるのかな?
エルメロイ家への借金ってなんだろう。イスカンダルを召喚した触媒をパクったこととか?

 

閑話休題。

 

物語は、エルメロイ2世の内弟子となったばかりの少女・グレイを語り手として、とある魔術師の遺産を巡る事件に巻き込まれていく2人を描いていきます。

魔術師が仕組み、魔術師が被害に遭い、魔術師が解き明かすミステリーではあるのだけど、伏線と真相が噛み合ってるから個人的にはミステリーとして普通に楽しめました。
あの伏線がこう生かされるのか!というカタルシスはあったと思う。楽しかったです。

 

「魔術刻印」を巡る魔術師たちの様々な感情が描かれていたところも面白かった。
魔術刻印って魔術師にとって「誇り」や「生きる意味」みたいなイメージがあったのだけど、彼らそれぞれに色んな事情がある以上、魔刻印路に対する想いも多種多様になるわけで。
イスタリ兄妹のエピソードは兄の愛にグッときたし(なのに・・・!泣)、魔術刻印を託された清玄が夢見た未来も切ないくらいで(なのに、ここも・・・!悲鳴)

 

なんというか、彼らの感性に常人から外れた「魔術師らしさ」があるのは確かなんだけど、そこに一摘みの人間らしさが見えることでより強く人間臭さを感じるんですよね。良くも悪くも俗世から離れきれていない。
だからこそ独特で味わい深いドラマが生まれるのかも。なんて楽しいんだ・・・・・・

 

そして本作で一番ドラマを感じたのは、なんといってもエルメロイ2世。
10年の時間が彼を大人にしたけれど、10年の時間でも変わらなかったものがあるっていうのが、もう、ほんと、もう・・・・・・
終盤で精神世界に閉じ込められたシーン、隅々まで胸熱すぎて苦しくなりました・・・・・・ずっと「私」だったのにあそこで「ボク」に切り替えるとかずるい!
セリフのひとつひとつも泣ける・・・・・・イスカンダルとウェイバーくんのお別れシーンを思い出すしかないじゃないですか。なんて尊い主従愛なの・・・!
未だに残っている卑屈さはご愛嬌。むしろ卑屈さを抱えながら前に進んでいるところに成長を強く感じられて良い。

 

そんなウェイバーくんのワトスン役となるヒロイン・グレイについては、「ビジュアルそうきたかー!」って感じ。
Fateにわかなので詳しくないのだけど、セイバー顔ヒロインっていうのが結構いるんでしたっけ。
アルトリアの遠縁っていう設定は面白いけれど、それだけじゃないのは間違いないし彼女の事情についてはこれから更に掘り下げられていくのかな?
不思議な空気がある凸凹気味の師弟が可愛かったので、二人が今後どんな事件に巻き込まれていくのか楽しみです。

次巻も早めに読まねば!

 

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