ヴぁんぷちゃんとゾンビくん 吸血姫は恋したい/空伏空人


ヴぁんぷちゃんとゾンビくん 吸血姫は恋したい (角川スニーカー文庫)
ヴぁんぷちゃんとゾンビくん 吸血姫は恋したい (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年12月刊。
面白かったー!
吸血鬼とゾンビの出会いから始まる現代ファンタジー。
孤独な少女と名前のない少年のズレた掛け合いが可愛く、互いを通して「自分」を知っていく物語としても面白かったです。
人外恋愛譚として私好みな作品。ぜひシリーズ化してほしいなー!

☆あらすじ☆
ひとりぼっちの吸血姫と心を持たない死人青年の、ガール・ミーツ・ボーイ
魅了の魔眼を持つせいで、心を通わせる相手が作れない吸血鬼の少女・ルーミア。だからこそ、誰よりも“恋愛”に憧れていて──。そんな彼女が出会ったのは、心がないゆえに対等になれるゾンビだった!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

魅了の魔眼によって人の心を簡単に操れるために孤独を抱える吸血鬼の少女・ルーミア
とある目的のために造られ、名前も心も持たない少年のゾンビ

そんな二人の出会いから始まる物語なのだけど、人外×人外っていう時点で既にツボ。
「人にあらざるモノ」ならではの苦悩が人間同士のボーイ・ミーツ・ガールとは違う切り口になって面白かったです。

 

心を持たないゾンビに欲しかったものを見出すルーミアと、「名前」を持たないからこそ「自分」を求めるゾンビ。
夜道の出会い、穏やかな交流、残酷な衝突を経て、ゆるやかに重なっていく二人の心情がすごく良かった。
互いに惹かれ合う理由がとても丁寧に描写されているんですよね。だから二人の心が繋がる瞬間に感動できる。
こういうの好きなんですよー!特にルーミアの甘酸っぱい感情がすごく美味しかったです。

 

そういえば、ゾンビくんの正体って個人的には意外だったり。
あまりにも胡散臭いから逆に違うのかもって穿ってみすぎた・・・・・・
いやだって、あんなあからさまに怪しい人が本当に敵だなんて!
彼がルーミアを家に誘った理由が冷たすぎてゾッとしました。彼女の気持ちも全部分かった上で罠をはるあたり、比喩的な意味で「心」がないんだって思わずにいられなくて・・・・・・

 

だからこそ、ゾンビくんターンを経てからの展開には胸が熱くなりました。
もうねー、「我思う故に我あり」ができない人外が、我ではない「彼女」を介して自分の存在を証明するっていうのが最高すぎです。
1人では立てないから。彼女が自分を見つけてくれたから。
そんな、かけがえのない関係が生まれた瞬間をみた気分です。尊い。

 

人外恋愛譚だからこそできる変化球な「彼女」と「彼」の物語。
求めてきたものを手に入れたルーミアと、彼女から心を学ぼうとするゾンビくん改め不楽。
これから二人はどんな関係を築いて、互いから何を得ていくのでしょうか。
ここからの話もきっと面白くなると思うんですよねぇ。
日本で陰陽師から逃げたり戦ったりする話でもいいし、日本を飛び出て二人で世界を旅する話も読んでみたい。

何はともあれシリーズ化してほしい新作です。期待しています!

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