王家の裁縫師レリン 春呼ぶ出逢いと糸の花/藤咲実佳


王家の裁縫師レリン 春呼ぶ出逢いと糸の花 (角川ビーンズ文庫)
王家の裁縫師レリン 春呼ぶ出逢いと糸の花 (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2017年11月刊。
第15回角川ビーンズ小説大賞「優秀賞」「読者賞」W受賞作。
王宮裁縫師を夢見る少女が、理不尽な境遇に耐えながらも素敵な出会いを経て、夢に向けて頑張る物語です。
少女の成長物語としては王道といえるのだけど、うーん、全体的に惜しい・・・・・・
もうちょっと刺繍や裁縫の描写に力を入れてほしかったかな、と思いました。

☆あらすじ☆
幼い頃に両親と生き別れたレリンは、奨学金で女学校へ通い、国の最高位・王宮裁縫師を夢見ていた。だが、全校が注目するエリート騎士・フォルスと謎の美少女転入生と出逢い、天賦の才を見出されたことで事件が…!?
フランチェスカ王国を統べる女王の服を仕立てる者は、国最高位の“王宮裁縫師”(ロイヤル・クチュリエール)の称号を与えられるーー
幼い頃に両親と生き別れるも天才的な刺繍の腕を持つレリン。女学校に通う中、全校生徒が“王子様”と憧れる騎士フォルスと出逢い、彼の支えで王宮裁縫師に挑むことに。
そんな時、王女編入の噂が流れ事件が…!?
「あなたには、夢がありますか」少女は縫い裁つ力で運命を切り開く。

以下、ネタバレありの感想です。

 

名君である女王の統治下で、平民であってもチャンスを掴むことができる国・フランチェスカ。
貴族と平民が共に学ぶことのできる聖堂学校に所属する女学生・レリンは、裁縫師になることを夢見ていた。仲良くなった転入生・ジェーンの正体を知って驚いたり、憧れの騎士・フォルスと仲良くなったり、裁縫師の夢への第一歩である王宮審査会への挑戦を決意したりと、物語はレリンの賑やかな学園生活を描いていきます。

 

裁縫師を目指す少女の成長譚、女学生と青年騎士の恋の物語、養父一家からの虐待などなど、様々な出来事の中でのレリンの心理描写は丁寧で読み応えを感じました。
ただ、うーん、なんかこう、シンデレラ的なストーリーと成長譚が微妙に混ざりきれていないというか・・・・・・そこらへんがちょっと気になったり。

 

個人的に一番読みたかったのは「裁縫師を目指すレリンの奮闘と成長の物語」だったんですよね。
なので、その山場だと思っていた王宮審査会のシーンがあっさり終わったのが個人的にはとても残念でした。
審査会の最中に作品を作るのだし、もう少し刺繍の描写を厚くしてほしかったかなぁ。
あと寝転がって見上げた空というモチーフは具体的にイメージしやすくて素敵だったので、それに対応するエピソードもほしかったです。
読者的にもっと思い入れを持てる印象的なシーンをクライマックスに刺繍で再現してほしかったというか。
素人の安直な考えかもしれませんが・・・・・・ううむ・・・・・・

 

この作品で一番インパクトがあって描写も厚かったのは、養父母一家からの虐待シーン。
すごいシンデレラみを感じました。
ただ、タイトル的な期待で言えば、ヒス持ちの小悪党にヒロインがイジメられるシーンはそんなに望んでなかったというか。ううむ、あんまり読んでて気持ち良くもないですし。

 

不満の多い感想で申し訳ないのだけど、レリンとフォルスの恋と、レリンとルディアの友情はとても素敵でした。
フォルスの粘着な恋心はなかなかに気持ち悪くて(褒めてる)良いですね〜。裏表の激しいヒーローは大好物ですw
個人的にはレリンにはルディアと仲良しこよしになってフォルスがぐぬぬってる図がもっと見たかったかなー。フォルスはルディアにニヤニヤいじられてるときが一番輝いていたと思いますw

 

新人賞作品だし、シリーズ化するかな?
次は1冊まるまる学園モノとして描いてほしいかな。期待しています。

 

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