浅草鬼嫁日記3 あやかし夫婦は、もう一度恋をする。/友麻碧


浅草鬼嫁日記 三 あやかし夫婦は、もう一度恋をする。 (富士見L文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年11月刊。
元あやかし夫婦の転生浅草ファンタジー第3弾。
表紙の中央に酒呑童子と茨木童子がいるのだけど、今回の話を読んだ後に見返すと大変泣けてきます。
水面に写ったひとりぼっちの茨姫が・・・・・・お顔が見えないよ・・・・・・

☆あらすじ☆
宿縁の地・京都を舞台に、元「最強の鬼嫁」たちの本当の物語がはじまる!
前世であやかしだった真紀たち三人の前に、宿敵・安倍晴明の生まれ変わりだという教師・叶冬夜が現れた! 叶は真紀たちが、お互いに前世にまつわる3つの嘘をついていると指摘。三人の仲に不協和音をもたらして――

以下、ネタバレありの感想です。

 

教師として真紀たちの高校に赴任してきた安倍晴明の生まれ変わり・叶冬夜。彼は「今の真紀たちを幸せにしたいが、そのために3人がついている「嘘」を暴く」と宣言し―― という不穏な幕開けの第3巻。

 

真紀、馨、由理の3人全員が嘘をついているという話なのだけど、前世絡みで何かしら抱えていることが分かっている真紀はともかく、他の二人も嘘をついてるの??
特に馨にびっくり。実直な彼は嘘なんてつけなさそうなのに・・・・・・・・・と思ったら本人も「俺なんか嘘ついてるっけ?」って首を傾げてて笑いましたw うんうんw 君はそうでないとww

 

さて、今回は真紀が抱えていた「嘘」にまつわる、酒天童子と茨姫の過去が明らかになるお話。
酒呑童子と茨姫の恋の始まりと終わりって詳しく読みたかった部分だったんですよねぇ。
悲劇的な結末を迎えることは知っていたけれど、その経緯とその後の茨姫については空白だったので。

そして、その空白部分こそ真紀が隠したかったもの。

私も酒呑童子と茨姫の没年は近いと思い込んでいたので、この「嘘」はなかなかに衝撃的でした。
彼女にとってどれだけ虚しく長い時間だったんだろう。
一緒に生きていくはずだった片割れをなくして、来世で再会するためだけに必死でさまよって。
その時期の彼女については深く語られなかったけれど、想像するだけで胸が痛くなります。
今の真紀が馨といる幸せを噛みしめるわけだ・・・・・・「幸せになりましょうね」という言葉の重みが増したなぁ・・・・・・

 

酒呑童子と茨姫の恋は悲劇だったけれど、転生し再会を叶えた二人の今があるから救われます。
カクヨムに掲載されている二人の再会とか、ほんと愛おしいんだけど・・・・・・「シュウ様」って夫を立ててた茨姫が今の真紀になった経緯が切ない。ジャイアニズムは愛の形ですね。

浅草鬼嫁日記 外伝 あやかし夫婦の再会(カクヨム)

かつての二人は王と女王という立場ゆえに選択を誤ったけれど(いや間違いとも言えないのだけど・・・)、今生の二人は普通の高校生。
だからこそ普通の幸せを掴んでほしいと願わずにいられません。
酒呑童子が言っていた隠居生活に近いものが今生で実現できているわけだし。
あやかしたちの「王」にはならず、アドバイザーとか助っ人的な形であやかしたちを助け支えていくポジション。その下地を作ったのが残された茨姫だったというのも泣ける・・・・・・
今は自分たちの幸せを一番に考えていい立場なのだから、思う存分幸せになっておくれ・・・!

 

今回は馨の真紀に対する想いが、いつも以上に語られていたことも楽しかったです。
普段の二人の様子からは真紀の気持ちの方が大きいようにも見えるけれど、馨もだいぶ真紀のことが大好きですよね。
「もしかしたら自分を好きになってくれたのは恩返し的な感じなのかも・・・」と悩める酒呑童子に吹き出してしまいました。いや、成り行きを踏まえるとそう考える気持ちもわかるのだけど、、、真紀だよ???みたいな。
熟年夫婦な二人だけにこんな甘酸っぱいすれ違いをみせてくれるとは予想外。大変美味しかったです。やっぱ言葉って大事だね!

 

前世の悲劇を乗り越えて、今世で幸せをつかもうとする二人をますます応援したくなる第3巻でした。
ところで馨の「嘘」ってまだ分かってないですよね?
由理の「嘘」も衝撃だったけれど、これはこれでどんな事態を引き起こすのか読めないな・・・・・・

 

なんかもう最終巻といっても良いほどの盛り上がりをみせてくれた第3巻ですが、あとがきを見るに本題はここからなのかな?
次巻もとても楽しみです!

 

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