始まりの魔法使い1 名前の時代/石之宮カント


始まりの魔法使い 1 名前の時代 (富士見ファンタジア文庫)
始まりの魔法使い 1 名前の時代 (富士見ファンタジア文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年5月刊。
未だ文化も言葉も持たない原始時代の異世界。
そこにドラゴンとして転生した主人公が「魔法学校」を作ろうと奮闘する文明構築系ファンタジーです。
試行錯誤しながら「魔法」を発見していく過程がとても丁寧で面白く、読んでいてすごくワクワクしました・・・!
ちょっと古風な詠唱にやたらロマンを感じてしまったりw
壮大な歴史物語の序章といえる1冊。
ここからどんな文明が育っていくのか、とても楽しみです。

☆あらすじ☆
この世界の魔法は、名前でできていた――。
“私”が竜として転生を果たしたのは、文化も言葉もまだない原始時代だった――。これは、竜の魔法使い“センセイ”とエルフの少女が、魔法を、国を、歴史さえをも一から作り上げる、ファンタジークロニクル。

以下、ネタバレありの感想です。

 

オカルト好きの人間として前世を生きたのち、異世界にドラゴンとして転生した主人公「先生」
彼が生まれたのはエルフがいるファンタジー世界でありながら、人間は文化も言葉も持たない原始的な生活をしているような時代。
そのことを残念に思いつつも「先生」は有意義な人生を送るために魔法学校を作ろうと決意する――というのが本作のストーリーとなります。

 

最初に出会ったエルフのニナや最初の生徒となった人間のアイと共に暮らしながら、この世界に存在する「魔法」について研究していく先生。

先生は自分やニナが深く考えることなく生まれながらに使える魔法を、人が後天的に使えるように、その仕組みを解き明かしていくことになるのです。

この過程がとにかく面白かった。
特に詠唱発見のくだりが良いんですよね。魔法に詠唱なんてお約束もいいところなのに言われるまで気づけませんでした。詠唱破棄から始まっただけに「当たり前」に疑問を抱くのがいかに難しいことなのかを再認識させられる。このハッとさせられる感覚がとても楽しかったです。

 

それと詠唱のパターンがなんだか古風でノスタルジックな雰囲気なのも良いんですよね〜。ロマンがあります。
詠唱が長ければ長いだけ効果があるようだけど、対象に呼びかけて自分が認識すればいいわけだから詠唱の中身自体は即興で作っていいんだろうなぁ。むしろこんな大仰で堅苦しい感じじゃなくても良いのでは。
ということはあれは先生の趣味ですよね?

 

魔法を中心にして文明を構築していく物語としても面白くなりそう。
今回は原始的な集団が先生の指導で言語(日本語を使うのかw)を手に入れたり、魔法によって狩猟生活の負担を減らしたりムラ社会を築いたりしていたけれど、今後はここからどんどん文明社会を築いていくわけですよね。
第0話が6000年後の世界だったから煽り通り「歴史」を描いていく物語となるのでしょう。
先生の目指すものが「魔法学校」であることや今回のエピソードを考えるなら、その文明は魔法使いの文明になるのだろうけれど科学文明の歴史との差異や分岐が気になるところです。

 

今回で予想外に切なく描かれた先生とアイのロマンスの行方にも期待しています。
天命に逆らえなかった現実を見せられたときは悲しくなったけれど最後のこれはアイも転生するってことですよね?
第0話の「わたし」はアイの生まれ変わりなのかな(このプロローグがあったからアイは不死を手に入れたと思ったのになぁ)
記憶も持っているようだからセンセイと同じような転生をしてるってこと?
しかしここで気になるのは「実際わたしはおばあちゃんですから」のセリフ。
えっ、また定命の人間なの・・・・・・?また死に別れるかもしれないの・・・・・・?
生まれ変わっても何度でも出会えるってロマンチックだけども、ちょっと切なすぎではないです?
そのへんの真相が気になります。とりあえずアイとセンセイの再会が待ち遠しい。

 

というかメインヒロインはアイなのかなー?
あらすじとか表紙的にニナがメインヒロインなんだと思ってたのだけど。ニナは恋人ではなく相棒的なポジションになるの?
先生とアイを見つめるニナの心情が切なかったので私はなんとなくニナに肩入れしたくなる・・・(不憫萌)

そのあたりの人間関係も楽しみです。次巻も期待!

 

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