異世界拷問姫4 (MF文庫J)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2017年6月刊。
新章突入の第4巻。
常にクライマックス状態の疾走感あふれるシリーズですが、新章もかなり良い感じに盛り上がって胸が熱い!
そしてカプ厨の私的に大変満足のいく糖度でした。
このシリーズでここまでの糖分補給ができるとは(なにせグロいからね)
なんだこの糖度急上昇っぷりは・・・!
☆あらすじ☆
コミカライズ決定! 大人気異世界ダークファンタジー、待望の第四弾!
「余が貴様を速やかに殺してやるからな」
14の悪魔討伐を終えたエリザベートに、全人類の敵となった櫂人を討てとの命令が下される。一方、逃亡生活を続ける櫂人とヒナの下に予期せぬ来訪者が訪れ――?
以下、ネタバレありの感想です。
14の悪魔を倒し、処刑されるエリザベートの命を繋ぐために「人類の敵」となる道を選んだカイト。
ヒナとふたりっきりで過酷な逃亡劇の幕開けか・・・・・・と思わせてのイチャラブ展開が最高でした・・・!
カイト&ヒナの夫婦感が増し増し。
ふたりが巻き込まれる異常事態はいつも通りのグロさ&エグさなのに、合間に挟まれる新婚さんな雰囲気にニヨニヨが止まりません。
ベッドインまでいっちゃうとは正直思ってなかったけど(なにせヒナは人形だし)、直前の気恥ずかしいやり取りが素晴らしすぎて・・・!
「だから、だな・・・・・・・・・その・・・・・・・・・こういう時、なんて言えばいいのか」
「カイト様、頑張って!」
「頑張る! だから、だな・・・・・・・・・これから先もずっと、俺はお前と生きていくつもりでいるから。絶愛に大事にする! だから」
「頑張って!」「頑張る!」のやり取りの可愛さ半端なくないです?
彼女への言葉をひねり出そうとする彼氏を応援する彼女っていう図がもう「尊い」しか出てこない。あ、妻と夫でしたね失敬失敬。
カイトとヒナのお互いへの愛情深い関係ってカイトとエリザベートの関係とは違う温かみがあって素敵。
Wヒロイン制のなか、主従関係と恋人関係の描き方が完全に分けられた感じ。どちらの関係も尊いです。
そんな感じでほっこりする場面もありつつ、物語は土台から突き崩すような緊迫の展開に突入。
獣人の連続惨殺事件で「いつから悪魔が14体しかいないと錯覚していた?」的な展開かと思っていたら、新たな悪魔がポッと出で追加されるのではなく、はじまりの1体の謎を追うという方向で進むのが良い。こういう展開大好物です。
前提に疑問を抱かせるロングパスな伏線回収(エリザベートのセリフは覚えてなかったけど)とか、新章開幕早々に楽しくなってまいりました・・・!
もう一人の拷問姫・ジャンヌのキャラも楽しかったw
二重人格みたいな話し方がなんかクセになります。
そして黒と金の拷問姫の共演は胸が熱くなった〜!
どうせならカラーで見たかったかも・・・・・・赤と青が衝突するエリザベートVSカイトのカラー絵も素敵でしたが。
エリザベートVSカイトといえば、戦いの最中にカイトが叫んだこのセリフがめっちゃ好き。
「俺は一度死んだんだ! 何もできずに、楽しいことなんてないままに死んだんだ! だから、助けてくれたお前のことを、世界の全てより尊いと決めた! もういい、お前の事情なんて知るか! 最初からこう言えばよかった、エリザベート、俺のために助かれ!」
カイトの優しいエゴになんかもう泣けてくるというか。
このシーンの掛け合い自体はコミカルだし状況的には殺し合いなんだけど、切ないほどの優しさの応酬でもあるんですよね。
ふふっと笑えるのに胸が苦しくなる・・・・・・
また3人で賑やかなお城生活に戻れるのかなぁ。
あ、その前に世界の危機でした。
【肉屋】の正体にびっくりだったよ・・・・・・こういう道化的なキャラって存在に疑問を持ちにくいんですよね。特に私の目は節穴だから・・・・・・
次巻は発売済み&購入済みなので、引き続き読みたいと思います。