後宮樂華伝 血染めの花嫁は妙なる謎を奏でる/はるおかりの


後宮樂華伝 血染めの花嫁は妙なる謎を奏でる (コバルト文庫)
後宮樂華伝 血染めの花嫁は妙なる謎を奏でる (コバルト文庫)

前作の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年6月刊。
皇族たちの恋を描く中華後宮ミステリー第6弾。
今回は恋愛嫌いで武官嫌いの舞姫と、彼女に一目惚れした一途な武人の恋を描いた物語です。
私がこれまでの後宮シリーズで一番好きなのは「後宮錦華伝」のカップルなのですが、それに勝るとも劣らない魅力的な息子夫婦の恋物語でした。ほんと甲乙つけがたい。特に今回のヒーローのウブさがすごくすごく良いものだったので・・・!
ちなみに毎回変わる謎解きのテーマは『音楽』。
舞、童謡、楽器などなど、中華風に雅な音楽の世界がとても素敵でした。

☆あらすじ☆
三年前の春、帝の従弟で武人の高元炯は、紫の衣をひるがえして舞う後宮の宮妓・幽彩媚に一目惚れをした。以来彼女のことが忘れられずにいたが、恋愛に奥手な元炯は心の中で彼女を想うことしかできない。しかし蛮族の制圧で武勇を馳せた元炯は、褒美として皇帝から彩媚を下賜されることになり、二人は結婚することになる。元炯の初恋は実ったかに見えたが、実は彩媚は大の武人嫌いで…?

以下、ネタバレありの感想です。

 

洪列王・高元炯は、宴で舞を披露した宮妓・幽彩媚に恋をし、褒美として皇帝から下賜された彩媚を側妃として迎えることになる。
しかし、喜びに心を踊らせる元炯に対して、彩媚は恋愛を疎んじている上に大の武官嫌いだった。
新婚早々、彩媚の本音を知ってしまった元炯は、落ち込みつつも彼女に振り向いてもらおうと努力することになるのです。

 

もうね、この元炯が最近読んだなかではダントツに可愛いヒーローなんですよ・・・!
生真面目なんだけど大らかな性格で、自分よりも彩媚の気持ちを優先しようとする優しさが素敵。
かといって心に余裕があるわけじゃないし、近年稀に見る童貞力の高さに正直笑うしかなかったw
それでも初恋に対して必死に真摯に向き合おうとする姿に愛おしくなるんです。

 

そういう可愛げのある性格で、かつ、ビジュアルがいかついというのがまた最高!
おっきくて優しい森のくまさんって感じでしょうか。森は関係ないが。
凛々しいイケメン絵を見てもなお頭に残る『筋肉ダルマ』の字面のインパクトよ・・・・・・ピュアハートのマッチョ・・・・・・

 

あと、元炯の恋が単なる一目惚れじゃないっていうのも良いんですよね〜〜
最初は能天気でお花畑に見えた彼の恋が、実は凄惨な過去を救済された結果だったというのがロマンチック。
それは彩媚が意図したことではないけれど、元炯の心を救った舞は彩媚の努力の結晶ですもん。二人の運命が交錯する舞台として最高では。素晴らしいです。

 

一方の彩媚はなかなかに頑なだったけれど、彼女の過去を知ると恋愛に対する恐怖心に近い拒絶にも納得してしまいます。
子ども時代の刷り込みは強烈なトラウマとして残るものだろうしなぁ・・・・・・

でも「武官嫌い」という設定が「殿下だけは違う」という特別感を生み出していくというのは、ベタながらキュンキュンしました。
まぁね、こんなのんびりした可愛いくまさんを拒絶し続けるとか無理でしょ。絆されますよ。見ててほっこりせずにいられないですって。
それにしても貧乏性が高じると「せっかく芽生えた恋心がもったいない」になるのかw ブレないなww

 

ほっこりといえば、何かというと元炯がお兄ちゃんズに恋愛相談をしに走るのにもほっこりしました。
仲良し3兄弟め。相談しといて「すけこまし」って言い放つ元炯さんが無邪気にひどい。
私は「後宮錦華伝」の氷希&翠蝶のカップルが好きだったので、二人の息子たちが元気に仲良く育っている姿を見ることができてとても安心しました。
後宮シリーズは「ハッピーエンドのその後」はエグいときがあるからな・・・・・・ほんと良かったよ・・・・・・

 

まぁ呂守王家は皇族だけど現在は傍系(?)だし、後宮に直接関わらないから平和なのかもしれません。
後宮は・・・・・・今回も凄絶だったから・・・・・・栄成妃の悲恋が重すぎて・・・・・・
なんというか、「前作ヒーローがヒロイン以外の女との間につくった子どもが酷い目にあう(ちなみにヒロインは毒によって流産)」と書くと本当に少女小説か?って気分になりますね。
そのエグさが好きだし面白いんだけどエグいわ!!

 

そういえば栄成妃の狂気の引き金をひいた告げ口は誰の手によるものだったのかな?
結局明らかになっていませんよね?
途中まで割と真面目に李寧妃を疑ってました。
当て馬送り込んできたあたりで、ひぇぇ〜お前ぇぇ(怒)てなったけどそこは穏便なオチがついてよかった。

 

舞姫としての彩媚が、舞、童謡、楽器などの「音楽」にまつわる謎を解いていくミステリーパートも面白かったです。
前作は科学の範囲が曖昧で微妙だったのだけど、今回はテーマと謎に統一感があったと思います。
惜しむらくは楽器の名前が難しくてイメージしづらかったことくらいかな(泣)

 

やっぱり後宮シリーズは好きだ!と再確認。
次巻も楽しみです。

 

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「後宮樂華伝 血染めの花嫁は妙なる謎を奏でる/はるおかりの」への4件のフィードバック

  1. 後宮樂華伝いいですよね。ちなみに栄成妃に告げ口したのは誰かはwebコバルトに載っている番外編に書いてありますよ。(言われてみると、確かに納得できる人です)後宮シリーズの番外編は二つあって、「今宵、月下に君を想う」のほうが後宮樂華伝の番外編です。(もう一つは次の後宮刷華伝の番外編)webコバルトは無料で登録とかもいらないのですが、連載が終わって半月経つと消されてしまうので、お早めにどうぞ。

    1. KORさん、コメントありがとうございます。

      すごく良かったです〜!今のところ、後宮シリーズで1番好きです(しかし後宮錦華伝と迷う)

      >ちなみに栄成妃に告げ口したのは誰かはwebコバルトに載っている番外編に書いてありますよ。

      え!!そうなんですね!?
      読んでいて割と引っかかる積み残しだったのにWEB掲載しちゃったんですね・・・・・・期間限定なら早めに読みに行かねば(・_・;)
      情報ありがとうございました〜!

      1. 間違えました。半月ではなく半年です。ただ、「今宵、月下に」はだいぶ前に連載された作品なので、期限が結構近づいてます。お早めにどうぞ。

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