やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12/渡航


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
約2年ぶりの新刊です。
ちょっと前の内容を忘れていたのだけど、そうだった、奉仕部最後の依頼の話だった・・・
いよいよ最終章突入です。

☆あらすじ☆
たとえ、その選択を悔いるとしても。
バレンタインデーのイベント、水族館での雪の日を経て、自分たちが踏み出すべき一歩を定める八幡たち。そんな奉仕部に、ある大きな依頼が持ち込まれる。その依頼に対して、今までとは違ったやり方で取り組むのは、三人にとっては自然な流れのはずだった。
それが、自分たちの求めていることなら――。
たとえ、その選択を悔いるとしても。
時間の流れがいつか自分たちを大人にするのかもしれない、出会いと別れを繰り返して人は成長するのかもしれない。でも、いつだって目の前には「今」しかなくて――。
雪乃、結衣、八幡。それぞれの想いを胸に抱えながら、各々が選択する「答え」とは。
新たなる青春群像小説、物語は最終章へ。シリーズ12巻。

以下、ネタバレありの感想です。

 

奉仕部最後の依頼を前に、過去の自分達を振り返る3人。
その振り返り方がもう切なくて切なくて・・・・・・楽しそうに話しているのだけど、どこかギクシャクとした明るさを感じます。それがすごく逃避っぽくて辛い。
「進んでしまえばもう後戻りはできない」と分かっているからこその束の間の逃避。
これから立ち向かうためにゆっくりと覚悟を決めていくような雰囲気に、なにやら私が緊張してしまいました。

 

そうして、ようやく明らかになった雪乃の依頼は「最後を見届けてもらうこと」。
このあたりの話、わざと回りくどくて暈したような表現が多かった気がする。
本当に少しずつ、少しずつ雪乃の中に踏み込んでいくのかもしれません。
雪乃が最後にどんな成長を見せてくれるのか、期待したいものです。

 

さて、そんな雪乃の第一歩となるのが、いろはすが持ち込んできた企画「卒業式後のプロム」。
プロムといえば少女漫画では稀に使われるネタだったりするけれど、実際に日本の高校で導入してるところってあるのかな?
お金がかかりそうな企画ですもんねぇ。準備も大変そうだし、馴染みがないから保護者や生徒の理解を得るのも難しそう。
だからこそ雪乃の挑戦に相応しいのかもしれないけれど、その不安がそのまま作中で問題として投下される終盤の展開は胃が痛くなるものでした・・・・・・

問題を抱えそうな新企画に保護者が反発してしまうのもわかると言うか、仮に少数派であっても声が大きい否定意見ほど強く心を挫くものはないと言うか。
そのへんの描き方がさすがに上手。リアルでありそうな展開だよなぁって読みながら冷や汗でした。
お母さんの論法の面倒くささがなぁ。そもそも悲観主義ベースで現状維持をゴリ押ししてくる人を論破するのって難しいですよね。壁が高い・・・・・・

 

プロム問題についてはかなりの崖っぷち状態で次巻に持ち越し。
この問題が奉仕部全員にとっての(仕事としての)最後の山場になるのだとしたら、ここから更に揉めるのかもしれませんね。怖い。

 

一方で、奉仕部3人の関係にも暗雲。
「共依存」って言っちゃうかぁ・・・・・・そういう側面があることは否定しないけれど、そんな簡単な言葉で決めつけられるものでもないでしょう?
人と人の関係性の、ほんの僅かな一面だけを切り取った言葉に負けないでほしいな。
でも反論できずにほぼ全面的に認めてしまうところが今の八幡の弱さなのかも。がんばれ・・・・・・
ネガティブにぶん殴ってくる依存という言葉に対し、八幡が最終的にどんな答えを出すのか楽しみです。

 

それにしても「終わり」や「区切り」の方向性で「変化」を描いていくのが、いよいよシリーズの終幕っぽくて寂しくなる・・・・・・
小町の高校入試を兄妹で同じ高校に進学するという「始まり」ではなく、兄離れ妹離れという兄妹関係に区切りをつける形で描いていたのが印象的でしたし(結局、保留にはなったけれど)
奉仕部3人の関係も、雪乃の自立や結衣のモノローグ的に、3人で過ごしてきた時間を終わらせる方向での変化に見えるし・・・・・・

 

あとは何気にショックが大きかった「平塚先生の離任」
そうだよなぁ。公立高校ですもんね。先生って生徒を見送るだけの人じゃないんですもんね・・・・・・
でもこういう形で教師キャラとの別れを描く学園モノって意外と珍しく感じてドキッとしました。
平塚先生はいつでも帰れる場所というか、近くで見守ってくれるイメージがあっただけに、なんだかすごくショックでした。今の八幡を取り巻く人間関係の儚さを象徴しているみたいで。
それが当然のことではあるのだけど、ただ先に流れるまま、二度とは戻ってこない時間に哀愁はんぱなくなってる私がいる・・・・・・「思い出」になりつつある青春って感じに胸が苦しくなる・・・・・・

 

2年待たされた割には最終章の序章みたいな内容だったけれど、安定の面白さでした。
どれだけ時間がかかってもいいから納得のいくハッピーエンドが読みたいものです。次巻も期待!

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。