ゴブリンスレイヤー6/蝸牛くも


ゴブリンスレイヤー6 (GA文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年9月刊。
始まりから1年が経ち、変わったものと変わらないものが描かれる第6巻。
今回はゴブスレさんの内面にいつもより一歩踏み込んだ感じで面白かったです。

☆あらすじ☆
「ゴブリンを退治したい、それ以外はしたくない、と言っていて……」
「一党は?」
「ないみたいです」
「馬鹿げている」
新たな冒険者希望者の集まる春。ゴブリン退治だけを希望する魔術師の少年が受付嬢を困らせていた。
一方、辺境の街から少し離れた場所に、冒険者訓練場が建設中。そこには、かつて村があったことを、ゴブリンスレイヤーは知っていた――。
「ゴブリンをぶっ殺すんだ!」
少年魔術師らと一党を組むことになったゴブリンスレイヤーたちはゴブリンの跋扈する陵墓へと向かう。
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第6弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

女神官が冒険者となって1年。季節が一巡したんですね。

この1年という時間のなかで、変わったもの、変わらないもの。
それを冒険者となったばかりの魔法使いの少年や、その他の新米冒険者たちを通して描かれていくのが印象的でした。

 

まず目を引いたのは女神官の成長。
新米たちの頼りなさに比べれば、一時的にでもリーダーシップをとれるまでになった女神官の成長は著しいもの。初期から考えるとその成長ぶりになんだか嬉しくなってしまいます。最後はちょっとグダってしまったけれど、それもまた伸びしろ。
ゴブリンスレイヤーたちと乗り越えた戦いの数々は、しっかりと女神官の中で血肉となっているんだなぁ。彼女の成長と活躍は今後も期待できそうです。

 

で、その次に印象的だったのはゴブリンスレイヤーの心の揺れ動き。
いつもは泰然自若としているゴブスレさんが、今回はすごくセンチメンタルな雰囲気でした。
それは、失われた故郷の跡地に訓練場ができることへの寂しさなのか、少年魔法使いにかつての自分を見ることへの切なさなのか。

 

男3人で飲みに行った帰り際にゴブスレさんがこぼした「俺は、冒険者になりたかった」という言葉は悲しいな・・・・・・
今回の話で、ゴブスレさんが「ゴブリンスレイヤー」としての自分を「冒険者」とは違うものとして語っているのが、もうなんか泣けてくるというか。
彼はいつか「ゴブリンスレイヤー」としての自分から解放される日がくるんだろうか。
そもそも解放を望んでいないのかもしれないけれど、今回の話を読んでいると、ゴブスレさんは未だに10年前の悪夢の中に取り残されているような気もしてきて何とも言えない気持ちになるんです。
重戦士の「やりたい事と、やらなきゃならん事と、できる事は違うな」って言葉が刺さる。

 

せめて少年魔法使いの前途は明るいものであってほしい。
そう思ってしまうラストシーンは素敵でした。
でもゴブスレさんの笑い声、なんか胸がキュッとなる・・・!

 

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