異世界トリップしたその場で食べられちゃいました/五十鈴スミレ


異世界トリップしたその場で食べられちゃいました (ビーズログ文庫)
異世界トリップしたその場で食べられちゃいました (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★☆☆☆
2017年9月刊。
カクヨム×ビーズログ文庫 恋愛小説コンテスト「奨励賞」受賞作。
タイトルまんまです。本当にそのままだった・・・・・・

☆あらすじ☆
精霊に喚ばれて異世界トリップした先は——美形軍人のベッドの上!?
普通の大学生だった私、水上桜。お風呂場でつまづいて、美形軍人さんのベッドの上に異世界トリップしちゃいました! そこでうっかりおいしくいただかれてしまいまして(比喩だよ!)、誤解が解けたのが翌朝のこと。保護してもらえることになったんだけど、砦は飢えた狼ばっかりって!? これは私と頑固な隊長さんの恋のお話――かもしれない。

以下、ネタバレありの感想です。ネガティブ注意。

 

気づけばバスタオル1枚の姿で見知らぬ異世界に転移していた女子大生・水上桜
そこに現れた見知らぬ男に押し倒され、そのまま「食べられ」ちゃうところから物語はスタート。

 

いやいや。

 

タイトルまんまかい。

 

比喩とは・・・・・・
確かに「食べられる」に性的な意味を持たせるのは比喩だけど・・・・・・えっ、えっ???

 

百歩譲って「食べられちゃった」のは良いとして(いや良くないかもしれんけど・・・)、私がまず無理だと思ったのが、この食べられちゃったシーンでの桜の心境。

ああ、なんだかもう面倒くさくなってきた。今は誰とも付き合っていないから、このまま流されてもいいかもしれない。今まで恋人としかこんなことはしたことがないし、貞操観念がないわけでもないけれど。
この状況は、どう考えても逃げられそうになくて。しかも相手はめちゃくちゃ好みのイケメン。むしろここは得したって思ってもいいんじゃないだろうか、うん。
私はそう決めて、身体に灯りはじめた熱に身を任せるのでした。

 

いやいやいや。

 

身を任せるのでした。じゃないよ!

 

見知らぬ世界に突然転移して、見ず知らずの男に押し倒されて貞操の危機って普通に恐怖じゃないのか・・・・・・
なんでそんなあっさり受け入れられるんだろう。
抵抗ゼロってことよりも出会って1分かそこらでその気になってるのが気持ち悪い。このビッチな思考回路に何か理由があるのかと期待したものの、これといって何も理由はなし。
「好みのイケメンだし処女じゃないからまぁいっかー」なノリで流されるヒロインとか嫌すぎるんですけど。
イケメンならなんでもいいのかよ!

 

頭も言動も驚きの軽さでした。
それが原因で終盤にすれ違いが起こったりするし(桜に対してグレイスが不信感を捨てきれない気持ちは分かる)(誰にでも言ってそうだもんね)(むしろなんで好きになった?)、精霊の設定絡みで桜の性格をああいう感じにした理由もわかったけど、それを加味したところで話が面白くなるわけじゃないという・・・・・・大した波乱はなくて盛り上がりに欠けますし。
精霊の加護が突然切られて言葉の壁が・・・っていう展開自体は面白かったのに、そこもなんであんなにあっさり解決しちゃうかなぁ。
「おっ!」って少しは期待しただけにガッカリしました。
桜とグレイスが言葉の壁を協力して乗り越えるって展開ならまだしも、一瞬ピンチだったけどすぐに元に戻りましたってだけじゃカタルシスに欠けます。

 

笑えもしない下ネタが多すぎたのも不快。
やたら「一夜の過ち」的な話を繰り返すけど、過ちだと思ってないでしょ?
「イケメンとヤッちゃた〜。もうしないのかな〜?」みたいなノリにはついていけないよ・・・・・・それがコメディとしても面白くないのが更に致命的です。

 

朝チュンで始まり朝チュンで終わるとかもね、総じて内容がなさすぎて困る。
途中の媚薬展開も色気のかけらもないエロでしかないし。あ、でも、あざとい女の気持ち悪さはよく出てたかなぁ。
ファンタジーな設定や世界観とは裏腹に桜の言動はエグいくらいの生々しさがありました。本当にただエグいだけだったけど。

 

グレイスは堅物系イケメンで特に不満はないものの(いや、最初のアレはアレだが)、桜を好きになったという趣味の悪さが大きな減点かな。
この頭からっぽで欲望だけは一人前なヒロインのどこが魅力的だったのか、わからんすぎる・・・・・・

 

ただ、私の感想はさておき、良い子なヒロインが多い少女小説の世界に、エグいほど欲望に忠実な主人公の作品を持ってきたこと自体は挑戦だったのではないか、とも思い始めています。
最初に読んだときは拒否感はんぱなかったんですけどね。今でも嫌悪感すごいけど。
でも、もしかしたら、この作品で保守的な少女小説の現状を少しでも壊したかったのかもしれない。
そう思うと、この作品に「奨励賞」をあげて書籍化したことは、まぁ評価しても・・・・・・すごくすごく肯定的に考えれば・・・・・・うーん・・・・・・

 

これがもっと面白い作品なら挑戦作意欲作として思いっきり評価できたんだけどなぁ。
せめて桜のキャラにもっと魅力を感じられていたら。
少女小説的にはぶっ飛んだヒロインなのだから、他作品の良い子ヒロインと同じような展開しても好感度は上がりませんよ。
好感度爆下げからスタートしている以上は、好感度爆上げするような劇的な展開がほしかったものです。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。