死にたがりビバップ -Take The Curry Train !-/うさぎやすぽん


死にたがりビバップ -Take The Curry Train !- (角川スニーカー文庫)
死にたがりビバップ -Take The Curry Train !- (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2017年8月刊。
第22回スニーカー大賞「特別賞」受賞作。
自殺志願者が集まる寝台特急を舞台に、変人どもが酒を飲んでは管を巻き、カレーを食べては舌鼓を打ち、ピンチが起これば大騒ぎ!という群像劇コメディ。
熱いカレー推しラノベでした。カレー食べたい。
全体的にシュールを突き進む感じで、とっちらかった内容を勢いでまとめてフワッと仕上げたみたいな印象でした。
もう少し詰めて描いてほしかった・・・という点は多々あるのだけど、会話劇のノリが好みで読んでる間は楽しかったから満足です。

☆あらすじ☆
「生きる意味がない」と嘆く完璧主義者は、納得いく死に場所を求め〈寝台特急ボンディ〉に乗車する。
それは余生を謳歌する、穏やかな旅になる――はずだった。
酔いどれの旧友、メイドに扮した麻薬捜査官、ギャングの可憐な跡取り娘、爆弾をまとう元恋人……旅は道連れ、ギャングも乗り込み銃弾飛び交うバカ騒ぎへと突入する!!
不器用な自殺志願者たちの奏でる、熱烈な群像劇を召し上がれ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

カラー扉絵の登場人物紹介の段階で「あっ・・・」と思ったのだけど、本作はひたすら「カレーは美味いぞ!!」と良い笑顔+サムズアップで主張されている気分になるラノベでした。
登場人物みんな香辛料由来ですし。ほとんどイジってないからネーミングに慣れるのに少し時間がかかったり。
こんなの笑っちゃうから話に集中できないでしょ!

 

それはさておき、物語の舞台となるのは「寝台特急ボンディ」。
そこに集められたのはなぜか自殺志願者ばかりで、特に大した理由があるわけでもなく「死にたい!」と元気よく叫ぶ彼らの騒がしい特急の旅は、テロリスト登場により思いもよらぬ方向に進んでいくことになるのです。

 

自殺したい人間たちが集まってそれぞれの死生観を突き詰めていくのかと思いきや、ひたすら酒を飲んで酔っぱらいカレーを食べては幸せを感じるという、なんともいえないフワッとした雰囲気。
未来に希望を持たない自殺志願者たちの群像劇というよりは、酔いどれカレー好きどもの群像劇という感じでした。みんなカレー好きすぎだろ!

 

そんな感じで、なんだろう、読ませる勢いやパワーはありました。酔っぱらいのパワー的な何か。
ダラダラっとモノローグを垂れ流すような地の文も好みだし、コメディ全振りな会話劇やギャグのセンスは相性が良かったのかクスクス笑えて楽しかったです。
でもテーマがカレーなのに「糞食らえ」ってあえて使うのはひどい(ひどい)

 

キャラも個性的で良かったと思います。
特にジンメリックの悪友感が好き。すごい低レベルな言い争いがすごく楽しかったw
あとメリックとカルダの大人ラブな雰囲気はもっとそこ詳しく・・・! 最後にカルダがまた登場するのかと思ったのになくて残念でした。
みんな個性的なんだけど、揃いも揃って根が良い人たちなんですよね・・・・・・自分は死にたいけどお前が死ぬのは許さん!という理不尽なのか優しさなのか良くわからない意見の合致に笑うしかなかったw

 

うーん、そんな感じで全体的に好みな作風ではあるんだけど、あと一歩足りない感じがあるのは何かなぁ。
日本なのか異国なのかよくわからない世界観はまぁシュールで良いとして、ダーッと勢いよく進むわりにクライマックスがあまり熱くならなかったからかな。マフィア相手なのにあんまり緊張感とかなくて予定調和に進む感じがもったいない。
それと、最後のゆるっと締める雰囲気も嫌いじゃないんだけど、答えを出す前にもう少し死生観を掘り下げて描いてほしかったかも。まぁシリアスな作風じゃないから、ここは完全に好みの問題ですね。

 

とはいえ「生きて食べる、カレーが美味しい」というオチは好きです。
美味しいものを食べることができるなら生きる理由になるのかも。そしてカレーはとても美味しい!

 

熱いカレー推しのおかげで無性にカレーが食べたくなる作品でした。
だけど私はハヤシライス派!

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。