おこぼれ姫と円卓の騎士17 新王の婚姻/石田リンネ


おこぼれ姫と円卓の騎士 17 新王の婚姻 (ビーズログ文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年7月刊。
ビーズログ文庫の人気作「おこぼれ姫」シリーズの完結巻。
いやぁ、ついにここまできた!という感慨が深い最終巻でした。色々と。
国を割る内乱がクライマックスだっただけに苦い部分もあったけれど、最後は大団円といっていいのではないでしょうか。
とても満足しました!
石田リンネ先生の新作は既に発売され積んでいるので、そちらも早めに読みたいと思います。

☆あらすじ☆
全ての決着がここに。最強女王伝説――その始まりの物語、ついに完結!!
将来自分が女王になることを“知って”いたレティーツィア。
だけど、いつ、どんな理由でその日が来るかは知らなかった。
王の素質を備えたフリートヘルムを王座に担ぎ上げるべく、軍師ゼノンが引き起こしたクーデターへの反撃の準備は整った。
争いが続けば必ず犠牲が出ることを心に刻み、レティは己の元に集った王の専属騎士(ナイツオブラウンド)と王都奪還を目指す! ――圧巻の最終巻!

以下、ネタバレありの感想です。

 

歴史に名を残そうとするゼノンの暗躍により内乱が起こってしまったソルヴェール国。
騎士と共に窮地を乗り越え、これまでのレティの物語を集約していくような味方にも恵まれ、いざ反撃に打って出ることになる――という最終巻。

 

戦記よろしくレティ+メルディVSフリートヘルム+ゼノンの構図で戦いが繰り広げられていくのだけど、勝敗を左右した要因は「人の心に寄り添えるか」だったのでしょう。
レティもメルディも人の心を捨てず、フリートヘルムも人の心を捨てられず、人の心を持たないゼノンひとりが敗北。
血なまぐさい戦場にあってなお貫いた綺麗な理想論が道を切り開く、というのがなんともロマンチックでした。

 

フリートヘルムもなぁ、彼は、なんというか、ポジションが悪かったとしか・・・・・・。
ただ、優秀でカリスマもある人だけど「味方の手綱をとりきれなかった」という一点において「王の器」ではなかったんじゃないかな、とも思います。
玉座への野心がある人ではあったけれど、なんだかんだいって最後のスッキリした「お兄ちゃん」っぽさがフリートヘルムの本質だったようにも見えました。

本当に色んなことがあったけれど、シリーズの最初から魅力を感じていたフリートヘルム、グイード、レティの仲良し兄妹な関係が(表面上はさておき)優しい場所に落ち着いてくれたのはホッとしました〜。

そしてやはりこの二人はナイツオブラウンド入りするんですね!
王子を騎士にする経緯は予想外だったけれど、この瞬間を待ってました!という感慨深さがありました。

 

決して少なくない登場人物たちそれぞれに見せ場を作りつつ、内乱を経ての女王誕生まで描ききった最終巻。お見事だったと思います。
それぞれの活躍は楽しめたけれど、個人的にはクレイグと親友の熊の友情を特に讃えたいと思います(クレイグのオモシロおじさん化は最後まで暴走し続けて本当に好きでしたw)

 

そんな最終巻は「王達の会議の間」がしっかり登場し、これが面白いシリーズだったんだよなぁとしみじみ。
王たち、みんなほんと良いキャラしてました。それぞれのお話が読みたいくらいエピソードも魅力的でした。

思えばここでレティが聞いた「愛人王」の諡で、割とレティの恋の結末は想像できていたりして・・・・・・一番最初に読んだときは逆ハーエンドの可能性も考えなかったわけじゃないけれどw

 

レティとデュークの恋については、作中でも言及されているように「収まるべきところに収まった」感じ。
レティの「結婚相手」についても、まぁそうなるかもなぁと少し笑っちゃいましたw エリザベス1世オチ!
デュークって「王婿」って感じじゃないですもんね。彼は生涯「騎士」であってほしかったから納得。
身分違いを無理に乗り越えずとも、主従として恋人(愛人)として、二人が共に在ろうとしてくれるだけで私は嬉しかったです。

最終巻ということで糖分増し増しだったことも満足しました。
「接触事故」には笑ったw
堅物デュークと生真面目レティの恋愛は近年稀にみる牛歩っぷりだったけれど、それだけに最後の甘い雰囲気にときめきが止まりません。
いやぁ、ここまで長かった・・・!

 

思えばこのシリーズは石田リンネ先生のデビュー作だったんですよね。
初期は色々と引っかかるところもあったのだけど(主に文章面で・・・)、巻を重ねるごとにキャラも物語自体も成長していくような、そんな作品だったと思います。
とても素敵な少女小説でした。石田先生の新作を読むのも楽しみです。

 

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