灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ (オーバーラップ文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2016年8月刊。
引き続きサウザンバレーでの戦い。
あまり話は進まなかったけれどラブコメ的にニヤニヤできたりして、なんだか楽しい1冊でしたw
ハルヒロのパーティって良いなぁと改めて思えましたし。ひとりひとりが本当に素敵。
☆あらすじ☆
ジャンボという名のオーク率いるフォルガンとの戦いが混迷を極める最中、ハルヒロたちはかつてない危機を迎えていた。ランタのフォルガンへの寝返り。そして、一人また一人と散り散りになっていく過酷な撤退戦。パーティのみんなの安否がわからないまま、ハルヒロたちは自分たちにとってパーティの仲間が、どんな存在だったかを再認識していく。失いそうになってはじめて知るそれを、ハルヒロたちは本当に失ってしまうのか、それとも――。
霧深き千の峡谷(サウザンバレー)で、“孤独”という敵と相まみえる時、灰の中から生まれし冒険譚は新たな一幕を紡ぎはじめる。
以下、ネタバレありの感想です。
まさかのハルヒロVSランタという嫌な展開になってしまった前巻に引き続き、今回もサウザンバレーの深い霧の中をバラバラに逃げ惑うストーリー。
そのなかでパーティのメンバーひとりひとりにスポットが当たって、彼らの内面が掘り下げられていきました。
シホル、ユメ、クザクのターンも良かったけれど、中でも強烈に印象的だったのはメリイ。
なんでしょうか、このラブコメ分。素晴らしい。もっとやってください。
青先生の書くラブコメ、大好きなんです。痛々しくてもどかしくて甘さよりも酸っぱさが強い感じのアレ。まさにコレですよコレ。こういうのめっちゃ読みたかった。ありがとうございます。
メリイが「ハル」呼びに至った過程といい、クールな顔をして割とどうでもいいことを考えてるところが最高に可愛いんですよね、メリイ。
セトラの恋人ごっこのせいで(おかげで)良い感じにハルとメリイの関係が刺激されてきた気がします。ヤキモチを焼くメリイも死ぬほど可愛いw
あとメリイ視点だとハルめちゃくちゃ格好いいですね。頼りがいがある。
メリイはしっかり見てるなー。「何あれ。かっこいい。」には笑ったけれどw
そんなメリイの内面はさておき、今回はメンバーそれぞれにとってのパーティについても深く語られていきました。
「家族」って表現されたシーンではぐっと泣きそうになりました・・・・・・。
記憶を奪われてグリムガルに放り込まれて以来、寝食も苦労も共にしてきた彼らの間には「仲間」という言葉じゃ収まりきれない感情が育ってるんだなぁと思って。唯一無二の居場所ということですよね。こういう温かな関係性に癒やされます。
「家族」だからこそ、もう誰も失いたくない。
それはランタについても当然に当てはまっていて、だからこそランタが戻ってこれるのかどうかが気になるところですが、今回は持ち越しかなぁ?
最後のお手紙的に帰ってこれそうですけど・・・・・・帰ってこれるよね?
怖い人に目をつけられたっぽいけれど、まさかトラブル持参で帰ってくることになるのだろうか。
ランタといえば、ランタとハルヒロがそれぞれのことを考えるシーンもすごく良かった。
友達じゃないけれど対等な関係っていうの分かります。ここもやっぱり「家族」なんだろうなぁ。性格は合わないし衝突もするけれど、パーティを大事にしたいという根っこの部分が共有できているしそう信じているから、今回の件でも相手を信じようすることができるんですよね。尊い。
あのあたりのランタの自己評価も好きです。
大言壮語しながらもランタは自分の身の程を冷静にわきまえているんですよね。「オレみたいなちんちくりんが強くなる。」のあたり。
偉そうだけど謙虚というか、ランタなりに工夫して頑張って今よりも少しでも良くしようとしているのが伝わってきて、ランタァーー!!って叫びたくなりました。
ラストのワイバーン戦の満を持して集結! っていう展開にテンション上がりましたが(一人欠けているけれど)サウザンバレーでの戦いもそろそろ終わりかな?
早く元通りのパーティに戻ってほしいものです。
次巻も期待!
メリィ❤
メリィ❤×1000
ちゃーこりんさん、コメントありがとうございます。
メリイへの愛がめっちゃ溢れてる・・・・・・!!
中国の読者です、勇気を持ってコメントを書いてみますw
いつもこのシリーズのご感想文を拝読いたしまして、ありがとうごさいます。
9巻を読み終え、いろんな気持ちが飛び交います。この中一番印象深いのは、やはり、メリイがハルヒロへの心境ですね~
ヤキモチというか、焦燥というか、とりあえず「高嶺の花」という印象がだんだん崩れ、メリイはまるで前のハルヒロのよう、やはり影響されますねw
「あなたの痛みを思うとわたしの心は簡単に引き裂かれてしまう。」「あなたが味わっている孤独を想像するだけで、わたしが軀が凍てつきそうになる。」「あなたを抱きしめて、あたためてあげたいけれど、いいよ、とあなたは拒むだろう。」←読むとなんだか楽しい、そして切ないです。「仲間」はかえって二人を縛るなんて、嘆かわしいですね~
そして、セトラへの“脅威”は否めません。メリイの言うとおり、セトラは変わった人というものの、ハルヒロヘの好意は確かにあります。たぶん、これからも溢れつつあるかもしれません。
セトラはこのパーティーに加わるのか、メリイはどう対応するのか、この先に何があるのか。10巻、とても楽しみます!
PS:日本語はだいたい読めるが、書くことが初めてです。硬い言葉を読むと幸いです、ありがとうございます。
青い風さん、コメントありがとうございます。
中国の方なんですね! 私の拙い感想を読んでいただけているなんて、恐縮です・・・w
9巻は各キャラクターの内面を丁寧に描いているので、本当に色んな気持ちがわき起こる1冊でしたよね。
特にメリイ!
クールで凜とした美人のイメージが良い意味で崩壊してしまいましたw
気になる異性へのモヤモヤとした気持ちを持て余すところに「等身大の女の子」を感じて、ますます好きになりました。ハルヒロとの距離感に悩むところなんか、キュンキュンしてしまいますし!
今後、セトラを含めて三角関係になるのかは気になるところですよね。
私も10巻がとても楽しみです!!
追伸。
日本語をお書きになるのが初めてとは思えないほど読みやすいコメントでしたよ!
グリムガルへの愛情が伝わってきて、私まで嬉しくなってしまいましたw