そんな世界は壊してしまえ (2) ‐クオリディア・コード‐ (MF文庫J)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★☆☆
2016年6月刊。
アニメ放送間近の「クオリディア・コード」の前日譚となるのかな。東京編の後編です。
前巻で色々狂ってる話だったというのは分かっていたけれど、今回もやっぱり狂っていました。個人的にはモヤモヤした読後感がちょっと気になる感じ。
まぁでも語り口は陽気で面白かったのでそこは満足です。その陽気さが逆に不気味でもあるのだけど。
☆あらすじ☆
アニメ『クオリディア・コード』2016年7月より放送開始!
自身の正義に揺らぎを覚えた朱雀が、いびつな価値観と少女たちを前に取った行動とは? そんな世界は壊してしまえ――。『変猫』コンビの最新作! 待望の第二巻。
以下、ネタバレありの感想です。
ポジティブクズとがんばる教のサイコさんが、落伍者たちをがんばってがんばってがんばって立ち直らせるよ!! な後編。
東京主席との約束で、期日までに落伍者を使える戦力に鍛え上げることになった朱雀の奮闘を描くストーリーです。そこまでは良かった。
もうサクッとオチの話に入りますけど、あの終盤の流れは何だったのでしょうか( ゚ω゚;)
この物語って、この世界の博愛主義者って気持ち悪いよね、ヒロインのカナリアの愛も狂気的で怖いよねって流れだったと思うんですよ。
しかもそれを貫いた結果が、信じる者はバカを見る的な裏切りと手のひら返しのダブルアタック。
うわー、これは酷い展開だと血の気が引いてしまいました。
まぁでもこの流れなら朱雀の暴走もやむなしか(しかしページ数的に大丈夫か)とおそるおそる読んでみたら・・・・・・。
「愛だ。」の一文に頭が真っ白になりました。
一瞬分かるような気がしたけど、やっぱりサッパリ分からない。
カナリアの狂気はそのままなのに、いつの間になんか美しい話になったんです?
あそこの朱雀の心の変化がハイスピードすぎて、ちょっと理解が追いつかないのですが。
闇オチからの救済が駆け足すぎる気がするなぁ。
そして世界は特に変わっていないけどトップの首がすげ変わったことで、エピローグはなんだか爽やか。
いやいや、こんな爽やかな締め方をするような話でした??
宗教的なノリからの爽快などんでん返しを期待してたんだけど、求めていたのは果たしてこんな結末だったんだっけ・・・・・・。
混乱が丸出しな感想になってしまいましたが、読んでる間は楽しかったです。
語り口は軽快で、何度も吹き出しましたし。
露骨な宣伝はちょっとしつこかったけどネタの入れ方自体は巧いなぁと思ったし、旬すぎる都知事ネタを突っ込むのも身軽なラノベならではという感じでニヤッとしてしまいましたw
強烈なジェットコースターに乗った後の乗り物酔いみたいな読後感も、そういうものだと思えば楽しめたってことなのかもしれない。
とりあえずアニメを楽しみにしておきましょう。
ちょっと物語を急いだ感がありまふね(笑)
ちゃーこりんさん、コメントありがとうございます。
そうなんですよねぇ。もう1冊あったら丁度良かったかもしれないのに。
神奈川編も2冊でしたし、シリーズ的に2冊完結が指定されていたのかもしれませんね。