評価:★★★★☆
2016年4月刊。
同い年の「親戚の女の子」と同居することになった高校生が、彼女との距離感を通して「女性」を意識していく青春小説。
透明感のある筆致で思春期の男子高校生の繊細な情緒が描き出されている作品だと思います。読み心地がすごく良い。
物語はまだ始まったばかりですが、これは傑作になりそうな予感。
最後に大きく動き出した人間関係がどんなドラマを生み出していくのか、とても期待しています。
☆あらすじ☆
母と二人で暮らす家で、遠い親戚の女子、和泉里奈と同居することになった坂本健一。里奈の控えめな性格や気遣い、女子校育ちの無防備さは、他人との距離に悩む健一に、初めて思春期の性を意識させる。同じ十七歳の女子と一つ屋根の下で生活していることを友人達にも隠そうとしていた健一だが、幼い頃からの腐れ縁、森由梨子に知られてしまい、彼女との距離感にも微かな変化がもたらされることに――。多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー。
以下、ネタバレありの感想です。