マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2014年2月刊。
もうずっとニヤニヤしてた気がする。
物語のターニングポイントに入った感じがありますね。最高に悶えましたw
☆あらすじ☆
炎を吐く竜を使い、カザンの町から脱出した騎士団とクースラたち。港町ニールベルクで各地から逃れてきた騎士団と合流し、起死回生を図ることになる。しかし、ニールベルクにはある問題があった。神の祝福を授ける教会の鐘楼が無いのだ。製造が上手くいかず、作る度壊れてしまうのだと言う。そんな中クースラは、フェネシスの一族の手掛かりを得る。新たな発見に高揚するクースラだが、騎士団から呼び出され、鐘を作るよう命じられてしまう。鐘の製造の失敗、それは即ち、“破滅”を意味していた―。眠らない錬金術師の本格ファンタジー、神に見放された町を舞台にした第5弾!
以下、ネタバレありの感想です。
「竜」による大脱出からスタートする第5巻。
フェネシスの戦乙女っぽさが凜々しくて良いです。その後の彼女の「生きてる実感」の話を聞くと、また違った印象を受けるシーンでした。
どうにか窮地を脱して港町ニールベルクに辿り着いたクースラ一行。
しかしそこで再び教会の鐘が作れないという問題と、投石機を構えた敵の存在が頭を悩ませることになるというのが今回のストーリーでした。
いつまでたっても安住の地がこないのはある意味「呪い」なのかもなぁ、とか思ったり。
マグダラへの手がかりをゲットできたのは大きな収穫だったわけだから、悪いことばかりでもないのだけれど。
信仰が心を支える世界にあって、「神に見放されている」という思いは士気を大きく左右するもの。
信仰心ゆえの不安を取り除き、勝てる敵に勝てるようにするためにクースラたちは頑張るわけですが、話が進むにつれてどんどん選択肢を狭められ追い詰められていく様にはとてもハラハラさせられました。
「利子」らしくなくなっていくクースラが微笑ましかったのに、それが足を引っ張っていくのか。そう思うと複雑な気持ちにもなりましたが・・・・・・いやー、最後は本当に良かった。本当にニヤニヤしたw
今までも割と糖度高めなシリーズだと思っていたのですが、今回はさらに跳ね上がっていましたw
フェネシスの成長と共にクースラが順調にデレていくのが楽しいww
欲しいものには手を伸ばす錬金術師となったフェネシスと、先に手を伸ばされちゃった挙げ句に「腑抜け」呼ばわりされたクースラ。
いつの間にやら立場逆転ですね!こういう展開は大好物です!!
錬金術師とマグダラの関係の話も良かった。
「錬金術師らしくあること」に固執してる感じがあったクースラも、これでちょっとは肩の力が抜けるのでしょうか。
さて、クースラがちょっと素直になったところで次巻からはどんな話なるのでしょう?
今回で好感度を跳ね上げたアイルゼンとのお別れは寂しいのですが、このまま4人でコレドの足取りを追っていく旅に移行するのかな。
引き続き6巻を読んでいこうと思います。