マグダラで眠れIV (電撃文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2013年9月刊。
新天地に辿り着いたはずなのに、落ち着く暇もなく・・・・・・。
今回も面白かったです。変わっていくクースラを見ているのがとても楽しい。
☆あらすじ☆
「諸君に、帰る場所はない。故に、進む以外に道はない」
新天地を求め、クラジウス騎士団と共に、改宗宣言のあった異教徒の町カザンに入植したクースラたち。異教徒の技術を得るため、まずは騎士団の手が伸びる前に、町に残る文献を読みあさることにする。そこでクースラたちは、カザンに残る竜の伝説を知る。 そんな中クースラたちは、新たな工房を得ることに成功。新天地で、仲間四人での穏やかな生活が始まるかと思われた。だがその矢先、彼らにある過酷な運命が降りかかることになり――? 竜の伝説が残る町で、クースラたちは大きな決断を迫られる! 眠らない錬金術師と白い修道女の物語、絶好調の第4弾!
以下、ネタバレありの感想です。
どうにかカザンの街に辿り着いたクースラたち。
見知らぬ街の雰囲気や新しい工房への高揚感とかも良いですけど、フェネシスやイリーネが傍にいることでクースラ自身が変わってきたなぁという印象が強かった気がします。
「利子」の名を返上するかな、とか思うところとか。絆されてるなぁとニマニマw
まぁ最初からやたらと和やかなムードだったんで、うっすら嫌な予感はしていたのですが。
中盤でカザンの街に仕掛けられていた罠に気づいた瞬間の「ああやっぱり・・・!」というガッカリ感。
クースラたちは放浪が義務づけられてでもいるのか?ってくらいに波乱万丈ですね。これからどうなるんだろう。
絶望的な状況の中で、クースラが合理的に考え出した案はひどく寂しくて冒頭のフェネシスの「占い」を思い出せるものでしたが、とりあえずそれは取りやめになってよかった。
イリーネの「正確に間違えるより、大雑把に正しいほうがはるかにまし」って言葉は素敵ですね。その方が生きやすそうだし、後悔が少なさそう。なんだかすごく私の心にもしっくりと馴染む言葉でした。
離れないことを選択したクースラとフェネシスの距離感もさらに縮まっていって、なんだか甘くてくすぐったい雰囲気に。うっかり状況を忘れそうだったけれどピンチなんですよねw
そして最後の「竜」の復活劇はとても面白かったです。
ここから切り開いた活路で何が起こるのか。次巻も楽しみです。