マグダラで眠れIII (電撃文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2013年4月刊。
面白かった!!
しかし新天地はまだまだ遠い様子。その前にクースラとフェネシスの関係に変化の兆しが・・・・・・?
☆あらすじ☆
ついにカザンの町への入植を許されたクースラたち。鍛冶屋組合の少女イリーネと共に、旅に出る準備を始めることに。 しかしその最中、ウェランドが“錬金術師ではない”という疑いを掛けられ、町を出られない危機に陥ってしまう。最初ウェランドを放っておこうとしたクースラだったが、フェネシスの熱意を汲み、ウェランドを助け出す決心をする。そして、“自分たちが錬金術師であること”を証明する方法を探り始めるのだが──。 眠らない錬金術師が贈るファンタジー、コミック化も決定で、絶好調の第3弾!
以下、ネタバレありの感想です。
新天地カザンに舞台が移るかと思いきや、まだ準備段階でした。
旅支度を始めるシーン、すごくにやけてしまった〜。
イリーネの優秀さに打ちのめされ、工房内では未だ足手まといなフェネシス。それがこういう場面で役に立つことになるとは。
経験は力になるし、人材は適材適所ですね。
ぐぬぬしつつも大人の対応をみせようと意地を張ったクースラに笑うw
そんな一幕をまじえての旅支度回でしたが、やはりトラブルは付きものなのか。
降ってわいたウェランドの結婚騒動と、突きつけられた「錬金術師であることの証明」という難題。
ウェランドについては軽薄で不可解なナンパ男というイメージが強かったのですが、彼はもっと優しい人間なんですね。
自分のマグダラに忠実でドライなところはあるけれど、女性に関してはとても気が回るし、今回の結婚騒動の対応も意外だったし。
いつかウェランドのマグダラについても掘り下げてみてほしいなぁ。
ウェランドの問題に関しては予想外に早く解決。けれど、3巻の本題はここから。
ウェランドを助けなかったクースラに対し、怒りをみせるフェネシス。
旅路の中での別任務で2人のこじれた関係がどうなるのかと思いきや、まさかの展開にめっちゃ笑ってしまいました。
クースラが「自分は《利子》だから」と嘯きながらも、フェネシスとマグダラを天秤にかけて葛藤するのもかなり読み応えあったのになぁw
真相を知った瞬間のクースラのブチ切れが楽しいwww
彼はたいがい格好つけなので、良い薬になったかもしれませんね。
でもフェネシスの成長を喜んじゃうところは大人だとも言えるのかな。大人というか保護者? 親鳥的な。
錬金術師としてのしたたかさを見せたフェネシスの今後も期待できそうです。
姉貴的ポジションにおさまったイリーネの存在は良い感じにフェネシスの背中をポンポン押していきそう。
さて、楽しい終幕だったと思っていたのに最後の最後に急展開。
新天地は本当に遠いですね・・・・・・。