ラブと貪食の黒戮呪剣


『ラブと貧食の黒戮呪剣〈コルドリクス〉』(宮澤伊織著/MF文庫J)★★★☆☆

ラブと貪食の黒戮呪剣〈コルドリクス〉 (MF文庫J)
ラブと貪食の黒戮呪剣〈コルドリクス〉 (MF文庫J)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2016年2月刊。
魔剣を持った少女に出会い、殺されかけた挙げ句に胃袋を掴んでしまった盗賊が、少女の巻き起こす騒動に巻き込まれていく物語。
魔剣にビビリながらもヒロインを気にしてしまう主人公と、彼にあっさり餌付けされてしまった腹ぺこヒロインの関係がやたら好みでしたw
終盤のあっさりめな決着がやや物足りないものの、コンパクトにまとまった良い作品だったと思います。
序章的な話にもとれるし、ぜひシリーズ化してほしい新作です。

☆あらすじ☆
吸魂力の変わらない、ただ一つの魔剣です。
汚れ仕事で生計を立てていた盗賊のジントは、なりゆきで大剣を背負った女剣士を拾うことに。少女の大剣は人の魂を贄にする魔剣……なのだけど、「うう、ジントぉ、おなかすいたぁ」「今は我慢しろ!」おや?【電子限定!描き下ろし短編付き】

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公ジントは、盗賊「兄弟団」の下っ端。
仲間達が襲った旅人の返り討ちに遭ったものの、なぜか「半分になった心臓」がみえる不思議な傷を刻まれて生き残ったジントは、腹を空かして倒れてしまったその旅人・ティラニアを拾うことに。
自分を殺そうとしたティラニアと彼女の持つ魔剣コルドリクスを警戒しつつ、ジントはティラニアにごはんを与えて面倒をみて・・・・・・という具合にティラニアに関わってしまったのがジントの運命の分かれ道だったんでしょうねぇ(しみじみ

ティラニアを拾ったがためにジントは兄弟団から裏切者扱いされ、それによって兄弟団から逃げるというジントとティラニアとジントの弟妹たちの逃避行が始まってしまうのです。

 

という感じで、急転直下な勢いでスタートした逃亡劇。

そのなかでジントとティラニアが距離を縮めたり、ティラニアの抱えている事情を知ったり、兄弟団の追っ手とバトったりするわけですが、逃避行を経て形作られていくジントとティラニアの関係性がとても面白い作品だったと思います。

 

ティラニアについては、さっさと餌付けされてなんというチョロイン!とか思っていたのですが、彼女の事情を知るとその人懐っこさが切なく見えてしまいました。
親しく感じる人こそ距離を置かなければならないティラニアの孤独を考えると、生き残ったジントに対して思わず懐いてしまうのも仕方ないかもしれませんね。
・・・・・・犬のたとえは分かりやすかったけど他になかったのだろうかw

 

そんなティラニアを何かと理由をつけて追いかけてしまうジント。
最初の餌付けからして、ポリシー以上の理由があったとは。
ティラニアへ抱いている想いは植え付けられた感情なのか?と戸惑うところは大変美味しくて好みな展開でしたw
オチも良かったです。
やっぱり無からは何も生まれないって事ですよね!ニヤニヤしちゃったよ!

 

ジントって結局のところ尽くすタイプってことなんでしょうねぇ。
「自分を殴る男から離れられない女」とか評されて、それに「ティラニアは悪くない」と返しちゃうジントに笑いましたw
あっ、これは何かよく耳にするパターン・・・・・・!そうですね!悪いのはコルドリクスですもんね!
それはまぁ置いといても、ジントがティラニアを放っておけない理由は普通に素敵なものだったので良かったです(第三者から本人の前でバラされたのは不憫だったけどww)

 

結局コルドリクスの問題は解決しなかったんで、ジントがティラニアの傍にいるためには一撃必殺の攻撃を避けまくるしかないんですよね。うーん大変だ。
当たったら死ぬだろうけれど、ティラニアのために頑張って回避しながら傍に居続けてほしいものです。

 

そんな感じでキャラもストーリーもなかなか良かったのですが、少し残念だったのは終盤のバトル。
剣舞が始まってから敵が棒立ちになっているように思えてしまいました。アッサリ気味の決着はいまいち盛り上がりに欠けてしまっていたような・・・・・・。

まぁバトルそのものは全体的には悪くなかったんですけどね。

 

さて、これはシリーズ化するのでしょうか。
まだティラニアがコルドリクスを得た理由も分からないし、むしろ彼らの旅はこれから始まるわけですし、ぜひこの続きが読みたいところ。
というわけで2巻待ってます!

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。