『皿の上の聖騎士〈パラディン〉1 ーA Tale of Armourー』(三浦勇雄著/ノベルゼロ)★★★★☆
皿の上の聖騎士〈パラディン〉1 ― A Tale of Armour ―(NOVEL 0)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
2016年2月刊。
これぞ王道ハイ・ファンタジー。とても面白かったです!
理不尽に奪われたものを取り戻すため、大陸中を旅することになる騎士の姉弟の物語。
序盤でかなりショッキングな展開が起こるのですが、そこから始まる旅路と戦いの連続にワクワクさせられる作品でした。
「伝説」の真実を知ることで波乱の運命に巻き込まれても、助け合って道を切り開こうとする姉弟の関係性がすごく好み。
ドラゴンなどの霊獣が存在する神秘的で壮大な世界観のなかを、登場人物が生き生きと動き回るのも良かったです。一部、予想外な方向にも生き生きとしていて笑いましたがw
次巻以降も楽しみです!
☆あらすじ☆
伝説の甲冑が纏われた瞬間(とき)、新たな神話が開闢(はじま)る。
フィッシュバーン家には伝説がある。大国レーヴァテインがまだ小さな辺境国だった頃、ご先祖様が大陸中の霊獣を訪ね歩いて防具を授かり、集まったそれらは一着の聖なる甲冑と成った。――それが全ての始まりだった。
以下、ネタバレありの感想です。
100年前、霊獣たちの力を借りた甲冑を纏い、小さな辺境国だったレーヴァテインを大国にまで押し上げた「聖騎士」。
その子孫であるフィッシュバーン家のアイザックは、「聖騎士」の称号を受け継いだ姉アシュリーが「聖騎士の鎧」を纏ったことによって、「聖騎士伝説」に隠された悲惨な真実を知ってしまうことに。
受け継がれてきた「聖騎士の鎧」とは何なのか。
レーヴァテインの繁栄は、何を犠牲にして成り立ったものだったのか。
あまりにも理不尽な真実に衝撃を受け、変わり果てた姿となったアシュリーを連れて祖国から逃げ出したアイザック。
その先で更なる真実を知ったことで、アイザックはアシェリーの体を取り戻すことを決意するのです。
西洋ファンタジー版「どろろ」かな?という感じに開幕した物語。
霊獣たちに奪われた体を取り戻さなければならないわけですが、その原因となった事実が壮大な世界観に似合わず俗っぽくて笑ってしまいましたw
といっても、霊獣たちのデレは怖すぎるんですけど。
程度の差はあれ総じてヤンデレだなぁと思っていたら、最後のペロリストに鳥肌たちまくりでした。
ヒュドラのツンデレとドラゴンのクーデレなんて問題じゃなかった。ペロペロ怖い。ガン見怖い。「お願い」って言っただけでデレちゃうヒュドラのチョロさを見習えよ!(((゜Д゜;)))
そして、今後の展開によっては霊獣大戦争的な話になるかもしれないとか。変態による争奪戦。それはそれで面白そうです。
聖騎士伝説の真実は衝撃的で、伝説の霊獣たちの本性も衝撃的。
だとすると、全ての根幹となった「聖母伝説」についても何らかの衝撃的な真実が隠されていそうな気がするのですが、どうなんでしょう?
とりあえずは体集めと霊獣大戦争回避を目的とする旅物語になっていきそうですし、その中で少しずつ世界観についても掘り下げていってほしいものです。
ストーリーも面白かったのですが、悲惨な状況で進む割に物語が暗くなりすぎないのはキャラクターの魅力があってこそ。
元気で快活で弟大好きなアシュリーはとても可愛く、そんな彼女にコンプレックスを抱きつつも過保護になってしまうアイザックもまた可愛いw
シスコンとブラコンの姉弟にドラゴン娘のイザドラが加わった3人旅の雰囲気がすごく好みでした。
個人的には、今後イザドラが姉弟に対してどういう立場をとっていくのか気になります。アイザックと恋愛的な話になったりするのだろうか。
物語はまだ始まったばかり。
でも開幕早々アイザックがボロボロなんですけど、この調子で欠損を繰り返すなんてことはないですよね?(;`・ω・)
今後の展開が楽しみな新作です。2巻も期待!
ブログを読んでタイトルの「皿の上」で何となく察せてしまった・・。
想像が当たってるとなると結構エグイ始まりですね^^;でもブラコンとシスコン要素で暗くなり過ぎず救われます。積み本が減ったら買ってみようと思える作品ですね^^
カナタさん、コメントありがとうございます。
「皿の上」というタイトル自体は、「大陸の皿」と呼ばれる平野を舞台にしているためだと一応は思うのですが、もしかしたら色んな含意があるのかもしれません。
というか、カナタさんの想像はほぼ当たっていると思うので、そういう意味でも「皿」という言葉を使っている気もしましたw
なかなか背景のエグいファンタジーですが、キャラは明るいしノリも軽快なので、楽しく読めますよ!
シリアスになりすぎないのがオススメポイントですw
積本が減ったらぜひどうぞ〜٩( ‘ω’ )و
シスコンとブラコンの姉弟ですか……
素晴らしい(笑)
茶一こりんさん、コメントありがとうございます。
そこ、イチオシ要素ですw
気になったならオススメですよ٩〜(๑❛ᴗ❛๑)۶