『絶対ナル孤独者〈アイソレータ〉3 ー凝結者 The Trancerー』(川原礫著/電撃文庫)★★★★☆
絶対ナル孤独者 (3) ―凝結者 The Trancer― (電撃文庫)
前巻の感想はこちらから
2016年2月刊。
丸一年振りの新刊です。せっかく面白いのに刊行速度ぐぬぬ。
なかなかヘタレっぽさの抜けない主人公ですが、ちょっとずつ成長しています。
ミノルの成長にしたがってタイトルからはどんどん離れていくものの、その意味するところは今回終盤でちらりと見えたり。
政府秘密組織VS敵対組織のSF異能バトルものとしても面白い展開になってきました。
次巻は早めにお願いします!
☆あらすじ☆
凶暴なルビーアイ二体を倒すことに成功した“孤独者”こと空木ミノルは、同じような能力を持つ“味方”が集まる厚生労働省安全衛生部特別課―通称“特課”にスカウトされる。“特課”最強の能力者といわれる“屈折者”小村スウとコンビを組んだミノルは、敵の隠れ家に侵入する作戦に挑む。そこで目撃したのは、最強最悪の敵“液化者”の意外な正体で…!絶体絶命の窮地に陥ったミノルとスウの運命は…!
以下、ネタバレありの感想です。
今回は「特課」のメンバー・〈屈折者〉小村スウが顔見せ。
一度はユミコを殻の内側に入れたはずなのに何度やっても再現できなかったのに、スウはあっさり殻の内側に入れてしまえて「なんで!?」とパニックになるミノルが面白かったですw
そしてそれに嫉妬するユミコがほんとに可愛いくて可愛くて(*´∀`)
いや恋愛方向の嫉妬じゃなくて、もっと重たい話ではあったのですが。
ミノルとユミコのほんのりラブコメな関係が好きなので、原発潜入シーンや実験失敗時の喧嘩シーンにニマニマしてしまいましたw
・・・・・・もっと増やしてくれても良いのですよ? |ω・)
スウについては、最初いまいちキャラが掴みにくいなぁと思っていたのですが最後でとても好きになりました。
ただ、彼女の自己犠牲的な決意の出所については、考えると少し怖さを感じるものであったりして。
スウが決意を語るシーンを読んでいる間は、「仲間を守るために」「敵組織を壊滅させるために」殉死も厭わないなんて格好良すぎる!とか思っていたのですが、リキダイザーが残した言葉を考えるとヒヤリとするんですよね。
人間を殺せという精神操作を受ける「赤」。しかしそうやって操られているのは本当に「赤」だけなのか?
ゾクッとしました。振り返ると、スウに過剰な嫉妬をしていたユミコの反応まで怖くなるなぁ(;`・ω・)
さて、人類殲滅を目論むルビーアイの組織が本格的に登場したことで、物語そのものも大きく動き出した第3巻。
結局、リキダイザーとトランサーとの決着は持ち越しとなりましたが、スパイアクション的な緊迫感と派手な異能バトルにとてもワクワクしました。
リキダイザーの能力がチートすぎると思っていたのですが、真のチートはミノルだったか・・・・・・。
今回の組織との戦いのなかで、ミノルが自分の能力について発想を転換した瞬間がとても印象的。
殻の能力の根源にあるものがチラリと見えて、なんだか少し胸が暖かくなりました。
しかしこの調子で精神的に成長して守りたいモノを守ろうとする人間になるのだとしたら、孤独を得たいとするミノルの望みはどうなるのでしょう?
もうすでに大分孤独じゃなくなってる気が。
トランサーとディバイダの因縁の秘密もわかりませんし、ミノルの能力についてもまだ全容は不明のまま。
今回の一件を通して得た「情報」によって、黒と赤のサードアイたちの戦いに何か変化が起きたりするのでしょうか。
続きが気になります。次巻もとても楽しみ!
できれば1年以内の刊行があるといいなぁ・・・・・・
ラブコメもあり異能バトル?なのですね。
素晴らしい(笑)
異能は男の憧れです!(笑)
突然ですがみかこさんならどんな異能がほしいですか?
僕はめっちゃくちゃ動きが早いやつがいいです(笑)
茶一こりんさん、コメントありがとうございます。
ラブコメは割合的にはほんの少しなんですけど、それっぽい雰囲気になった瞬間の破壊力にニヤニヤしてしまうのですw
ちなみに、めちゃくちゃ動きが早い異能って、この作品のヒロインがそうなんですよ〜( ´ ▽ ` )ノ
私は瞬間移動がいいですねー。どこでもドア的な。あとは何でも一瞬で覚えられる記憶能力とかw