俺を好きなのはお前だけかよ


『俺を好きなのはお前だけかよ』(駱駝著/電撃文庫)★★★☆☆

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)

2016年2月刊。
第22回電撃小説大賞「金賞」受賞作。
気になっていた女の子から恋愛相談&協力を求められ、嫌いな女の子から好意を寄せられてしまった高校生のラブコメ。
畳み掛けるようなハイテンションモノローグが軽快な作品だったのですが、この作品の真骨頂は最終盤に入ってから。
あまり好感の持てなかった主人公なのに、一気に好きにさせられました。なんか悔しいw
2巻発売が決まっているようなので、次巻も楽しみです。

☆あらすじ☆
ここで質問。もし、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃない。クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼馴染み・ひまわりという二大美少女!! 意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。そして告げられた『想い』とは! ……親友との『恋愛相談』かぁハハハ。
……やめだ! やめやめ! 『鈍感系無害キャラ』という偽りの姿から、つい本来の俺に戻ったね。でもここで俺は腐ったりなんかしない。なぜなら、恋愛相談に真摯に向き合い二人の信頼を勝ち取れば、俺のことを好きになってくれるかもしれないからな! ん? 誰が小物感ハンパないって?
そんな俺の哀しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。パンジーこと三色院菫子。三つ編みメガネな陰気なヤツ。まぁなんというか、俺はコイツが嫌いです。だって俺にだけ超毒舌で、いつも俺を困らせて楽しんでいるからね。だから、コイツとは関わりたくないってわけ。
なのに……俺を好きなのはお前だけかよ。

以下、ネタバレありの感想です。

 

「鈍感系巻き込まれ型主人公」という名の猫をかぶっていた高校生・如月雨露(ジョーロ)
気になっていた幼なじみのひまわりと生徒会長のコスモス先輩から同じタイミングで親友・サンちゃんへの好意を伝えられ協力を求められたジョーロは、かぶっていた猫を放り投げ、ふて腐れながらも2人の協力をすることに。
一方、自分にばかり毒舌を吐く大嫌いな図書委員のパンジーからは何故か告白されてしまい・・・・・・という感じに物語は進んでいきます。

 

天丼に天丼を重ねて更に天丼するのが特徴的なコメディ。
うまくテンプレを外しつつもひたすら天丼していくので、すっごくスラスラ読めました。かつてないスピード感で読めた気がします。

それだけ展開に勢いがあって、ジョーロのモノローグもテンポが良かったということですね。
なんというか、手軽に読める系ライトノベルの極致にあるような作品だった気がします。

 

ただまぁ正直に言うと、地の文のテンションには乗り切れないところもありました。
ギャグがあまり合わなかったことと、そもそも語り手であるジョーロをいまいち好きになれなかったので・・・・・・。
彼がふて腐れている理由はわかるし、そんな状況でよく頑張ってるとは思うものの、だからといって好感を持てるほどでもなかったんですよね。パンジーに対しても(彼女の毒舌も酷いけれど)態度も口も悪いですし。小学生男子みたいな罵り方はちょっと(´・ω・`)

 

そんな感じでストーリーは面白いけれど主人公はいまいちかな、と思っていたのですが最後の最後に手のひらを返してしまいました。というか返させられた。

パンジーの口から語られるジョーロの「優しさ」。
そして、一連の騒動の真実を知ったジョーロがとった言動。

終盤のジョーロの姿と彼の真意を知ると、曖昧だったこの作品の輪郭が一気にクリアになるのです。
ジョーロってもしやかなり格好いい主人公なのでは・・・・・・!とおののきました。ラストの回想シーンもそうですが、筋をきっちり通す人間ってとても素敵です。

 

それにしてもパンジーの男を見る目が鋭すぎて衝撃を受けるしかない。流石エスパー。
そしてジョーロとはなかなか良いケンカップルになりそうな予感が。楽しみですw

 

この作品、テンプレ外しがうまいし、キャラもありきたりにみせかけて人間くさいエグみを持たせてるし、そのくせ最後は爽やかにまとめ上げるっていう意外と難易度の高いことをあっさり成し遂げてしまっている気がします。そのくせ驚くほどの読みやすさ。実に侮れない作品でした。

この巻だけでも綺麗にまとまっていますが、ジョーロとパンジーの恋をこの調子で掘り下げていけばすごく読み応えのある恋愛小説になるに違いありません。

というわけで次巻に期待!

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
駱駝
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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