アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女


『アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女』(天城ケイ著/富士見ファンタジア文庫)★★★★☆

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)
アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2016年1月刊。
第28回ファンタジア大賞「大賞」受賞作。
とても面白かった!!ε٩( ºωº )۶з
暗殺者の青年が貴族の力を発現できない令嬢の家庭教師となり、失敗すれば暗殺することを隠しながら彼女の才能を育てていく物語。
ヒロインより主人公の方がチョロインじゃないか!とか、教師バカか!とか、お前実はクールじゃないだろ!とか、色々と私好みで楽しい作品でしたw
設定に詰め込みや粗さを感じる部分もありましたが、ガラスに覆われた幻想的な世界観や、ストーリーのテンポの良さで欠点をまるっとカバーできている感じ。
鬼畜イケメン教師(?)と健気な教え子の関係性も魅力的でしたしね。
今後も期待できそうな新作なので、続きがとても楽しみです。

☆あらすじ☆
暗殺教師の矜持にかけて――少女の存在価値を世界に示せ
貴族のみが化物と戦う力・マナを持つ世界。青年クーファは、公爵家に生まれながら無才の少女メリダの才能を見出すため、家庭教師として派遣される。彼女に才能がなければ、暗殺――という、裏の任務を負って……。

以下、ネタバレありの感想です。

 

まず世界観がかなり好み。
夜の闇に覆い尽くされた世界で、人類が生存できる唯一の領域である「ランタンの中の世界(フランドール)」
巨大なシャンデリアに見立てられた世界観が、とても煌びやかに想像力を掻き立てるのです。イラストが欲しかったなぁ。

 

フランドールの外には人類の天敵が存在し、その対抗手段となるのが貴族階級の恩寵「マナ」
ヒロインであるメリダは由緒ある公爵家の令嬢でありながらマナを発現できず、そんな彼女のもとに家庭教師として派遣されるのが主人公の青年クーファです。
メリダの亡き母の不貞を疑う依頼主の意向により、クーファはメリダの才能を開花させるように教育し、もしダメなら不義の子として暗殺する、という任務に着手することになるのです。

 

このクーファがとってもチョロい!!
あっさりと暗殺任務から育成任務に切り替えたシーンには「えっ?」と思ったのですが、結局彼はメリダに最初から絆されてたってことでいいのでしょうか。
あの辺のクーファの心の動きをもっと書いてほしかったのですが、メリダの矜恃を目にしてチョロくも落ちてしまったんだと勝手に納得しましたw

 

クーファって言動はクールにみえるけれど、実は全くクールじゃないですよね。
メリダが絡むと言動が暴走するし、初試合のときもソワソワしたりはしゃいだり落とし前をつけようとしたりと、とても忙しい人でしたし。うん。やっぱりクールキャラではない。

しかも教師バカ。
「うちの子はやれば出来る子でしょ!ほらほら見て見て!!」(ドヤァ)な態度には笑いましたww

 

こういう感じはキャラがぶれているとも言えるのかなー?
個人的には教え子のためにポーカーフェイスを決めたまま暴走するクーファは面白かったのでアリ。
むしろ感情がよく動いて人間味を感じられて好印象でした。暗殺者というジョブ的にどうなのかはともかく。

 

そんなクーファの教え子となるメリダ。
素直で健気で、本当に頑張り屋のヒロインでした。
教官モノって「実は才能を持っているけど使いこなせない」的なヒロインが多いような気がしていたので、本当に才能がないというのは新鮮。
マナを出せないのは覚醒展開の布石かと思っていたのに。薬とか裏技もいいところすぎる。
ただ、天賦の才はなくても人間的に大きな資質を持っているようなので、今後も努力型のヒロインとして頑張って成長してほしいものです。

 

キャラと世界観、ストーリー展開は良かったのですが、全体的に設定がちょっと詰め込みすぎな印象。
騎士団の種類や任務、位階の種類、マナの扱い方と戦い方などなど、少なくない設定の説明を咀嚼するのは大変でした。
ただ設定自体は魅力的だったし今回であらかた理解できたと思うので、続刊では最初からすんなり読めるはず。

 

さて、次巻に続きそうな幕引きとなったので、とりあえず2巻がでるのは間違いないはず。
このままクーファがメリダの教育を続けて、メリダの素性と施した裏技のことを隠しながら、彼女を公爵家の人間として相応しく育てていくことになるのでしょうか。

メリダの才能が育てば彼女はクーファを殺すことになるかもしれない、逆に育たなければ彼が彼女を殺すことになる。
そんな運命を隠したまま、クーファとメリダがどういう関係を築いていくのかとても楽しみです。

 

個性の光る作品だったと思うので、ぜひともうまく軌道に乗ってほしいな。
そして次巻では鬼畜イケメン教師度増し増しでお願いします!!

 

余談ですが、「ヴァンピール」って名字は伏線にしてもバレバレだったと思うのですよ。他になかったのかな?

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