灰色のマリエ2


『灰色のマリエ2』(文野さと著/レジーナ文庫)★★★★☆

灰色のマリエ〈2〉 (レジーナ文庫)
灰色のマリエ〈2〉 (レジーナ文庫)

前巻の感想はこちらから


2016年1月刊。初出はレジーナブックス2014年12月刊。
親しみを感じなければ灰色にしか見ることができない、不思議な目を持つマリエ。
そんなマリエの偽りの結婚を描く物語ですが、2巻で綺麗に完結。
不実な夫だったエヴァラードの自業自得祭が楽しくも切ない、とても素敵なラブロマンスでした。

☆あらすじ☆
幼い頃からの憧れの人、ヴィリアンの願いを聞き入れ、彼の孫息子のエヴァラードと夫婦になったマリエ。だが、二人の関係は病に侵されているヴィリアンが天に召されるまでの期限付き。一見、砂上の城のような関係ではあるものの、いつしか、二人はこの暮らしに居心地の良さを感じるようになっていた。しかし、互いに一歩踏み込めず、決定的な変化は訪れない。そんな時、ヴィリアンの容体が急変して―。かりそめの結婚から始まった二人の恋の結末は?文庫だけの書き下ろし番外編も収録!

以下、ネタバレありの感想です。

 

前巻で互いに歩み寄ること決めたこともあって、今回は最初からとても良い雰囲気の契約夫婦。
とはいえ、エヴァラードは過去の言動に首を絞められまくり、マリエは彼の情人の存在を気にかけたままという、もどかしい距離感ではあるのですが。

 

そんな第2巻は、エヴァラードの自業自得とブーメランと煩悩でお祭り騒ぎな脳内が楽しすぎましたw
「祖父が身罷るまで」発言、家政婦扱い、そしてオーロールの存在と、まさに身から出た錆に苦しめられたエヴァラード。
マリエに恋したことで自分の過去の所行に後悔するエヴァラードを最初はフフンと笑っていたのですが、彼の切実な気持ちがとても丁寧に描かれていくことであっさり感情移入してしまい、次第に辛くなっていきました。
これだけ悔やんで反省して素行を改めているのだから、もう報われてもいいのでは・・・・・・と思わずにいられない可哀想な男です。頑張れ頑張れと応援したくなる。

 

といってもオーロールの切り方があまりにも雑すぎて、「ああやっぱりこいつは迂闊な男なんだな」と思ってしまったりも(´・ω・`)
相手が悪女なんで決別にスッとしたのは否定しませんが、そもそも自然消滅を狙うからこんなことになるんですよ・・・・・・。
マリエに対しては改めたけれど、彼は根本的に女性に対して紳士的じゃないんですよねぇ。
そんなんだから最後に余計な逆襲に遭うんですよ。やはりどこまでも自業自得。

 

迂闊なところも見せつつも、マリエに振り向いてもらおうと懸命に頑張ったエヴァラード。
そんな彼に対してマリエはどう応えるのだろう?とドキドキしていたのですが、彼女の心の変遷の描き方もとても素敵でした。
特殊な灰色の目を通して見えてくるのは、色彩豊かにゆっくりと花開く恋心。
設定の妙があることで、迫ってくるリミットを意識しながらも想いが溢れてくるのが伝わってくるのです。ううう、こういうの好きすぎる!

 

ヴィリアンへの淡い初恋がエヴァラードへの愛情に昇華していく、というのも良かったです。
そのヴィリアンといえば孫息子に負けず劣らず家庭的にダメな夫だったわけですが、サンドラとの関係性は印象的でした。
こういう夫婦の形もあるのかな。恋ほどの強さや激しさを持たずとも、愛に代われるくらい「時間」って重いものなのかもしれませんね。
とりあえずサンドラ夫人、格好いい。

 

全2巻で綺麗にまとまった、とても良い恋愛小説でした。
終盤のバスのシーンとか、ラストのプロポーズとか、すごく往年の海外ロマンス映画っぽさを感じる作品だったような気がします。
19世紀〜20世紀初頭の欧米を感じさせる世界観も少女小説的になんだか新鮮で楽しかったです。
読んだことないのでイメージですけど、ハーレクイン系の作品ってこんな感じなのだろうか。

文野さとさんの次回作も読んでみたいと思いますヾ(*˙︶˙*)

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