サムライ・オーヴァドライブ 桜花の殺陣


『サムライ・オーヴァドライブ ー桜花の殺陣ー』(九岡望著/電撃文庫)★★★☆☆

サムライ・オーヴァドライブ ―桜花の殺陣― (電撃文庫)
サムライ・オーヴァドライブ ―桜花の殺陣― (電撃文庫)

2016年1月刊。
「エスケヱプ・スピヰド」の九岡望さんの新作は、最強の少女剣士と、その護衛を任された少年の出会いから始まる刀剣バトルアクション。
世界観や設定が込み入っていて、なかなか理解して読むのが大変でした。ところどころ読みづらい箇所があったのも気になりましたし・・・・・・。
ただ、まだまだ序章といった感じなので今後に期待したいところ。
面白そうな伏線が張られてますし、私の好きな男女のバディもの(になりそう)なので続きが楽しみな新作です。

☆あらすじ☆
銃よりも、戦車よりも、“刀剣”が強き力を持つ“もう一つの現代”――。それらを受け継いだ少年少女たちによる、新時代の剣戟バトルの火蓋が切られる!  刀剣ヲタクが高じ、刀剣管理機構『SEAS』に籍を置いた少年・方助は、かつて自分の命を救った一振りの“業物”の使い手と邂逅する。しかし方助の記憶と異なり、その人物は年端もいかない少女で、さらに初対面の方助が本気で心配するほど世間知らずで気弱であった。だが、ひとたび愛刀に手をかけた少女・鳴の一撃はもはや“天変地異”の領域で――!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台となるのは、計り知れないポテンシャルを持った刀剣が存在する架空の現代日本。
刀剣管理機構「SEAS(シース)」に所属するサポート要員「刃走」の少年・月叢方助は、「鋼の血統」季風家の当代・季風鳴のサポートと身辺警護を任されることに。
そうして出会った二人は、やがて刀剣密輸組織「ソードフィッシュ」と魔剣を持った謎の男ハインツの関わる事件に巻き込まれていき・・・・・・という感じで物語は進んでいきます。

 

刀剣の攻撃力の高さから「剣士」の戦闘力が計り知れないものとなっている本作。
ただ、そういう「剣士ありきの世界」についてちょっとイメージしづらかった気がします。
一般人は剣士という存在をどう見ているのでしょう?
この巻だけだと剣士たち自身が剣士の世界を語っているだけなので、現代社会の中で剣士が客観的にどういう地位にあるのかが良く分からなかったんですよね。

 

その剣士たちが所属するSEASにしても活動内容は分かるのですが、なんだか輪郭がハッキリしないぼんやりとしたイメージ。
妖刀使いとの戦いだけに絞ったほうがSEASの説明としてシンプルだったような。
刀剣関連の世界警察みたいなイメージでいたのですが、そこに世界機関内部の小競り合いや「鋼の血統」のアレコレが混ざった結果、あまり設定を咀嚼できないまま読み終わってしまいました。
うーん、詰め込みすぎ感。

 

とはいえ、設定そのものは面白いと思います。
代々刀を受け継ぐ剣士の血統や、血と鋼を混ぜ込む緋鋼という技法なんか、エスケの九岡さんっぽい硬派な和風世界にワクワクしました!
日本の銘刀と西洋の伝説の剣がぶつかり合う、なんていうのも何だか贅沢で楽しいですし。
ややこしいと思った設定も、きっと次巻あたりからは消化できているはず。

 

キャラ、というか主人公とヒロインの関係性も好みでした。
優しくてちょっとドジな天才剣士の鳴と、そんな彼女をサポートする方助のバディっぽさがとても良い!
方助には何か秘密がありそうですが、「ヒロインの活躍を下から支える主人公」というのはアリだと思うのでこの良さは簡単になくさないでほしいですねー。

 

剣戟バトルについては期待通りの面白さ。
スピード感は健在ですね!鳴と方助が力を合わせて強敵に立ち向かうところは熱くて、読んでいてとても楽しかったです。

 

ところどころで読みにくい箇所があるのが気になったり(場面転換とか前作ではもっとスムーズに書いていたような?)、色々惜しく感じたところはありましたが、今後に期待したい新作。
方助の秘密とかお守りの中身とか、まだ回収されていない伏線が気になりますし、次巻を楽しみに待ちたいと思います。

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