キズナの姫と生徒会騎士団


『キズナの姫と生徒会騎士団』(降橋いつき著/角川スニーカー文庫)★★★★☆

キズナの姫と生徒会騎士団 (角川スニーカー文庫)
キズナの姫と生徒会騎士団 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2016年1月刊。
異世界から現代日本に転生した姫君と騎士団の「逆異世界転生もの」。
ただし異能はあってもバトルはありません。青春を謳歌する話なので。
あらすじ通りの激甘青春恋愛小説。甘酸っぱさのち激甘です。
かつては騎士と姫という身分の壁があった二人が、今では幼なじみの同級生。
そんなヒロインとの距離感に戸惑いながらも、主人公はお互いの関係を意識し始めるのです。
これでもかってくらい甘酸っぱい恋愛模様にひたすら悶えました。萌え転がるーー!!((└(:3」┌)┘))

☆あらすじ☆
未知の異能力(キズナ)を発現し、異世界で姫を守る近衛騎士だったユウリたち五人は、現代日本に転生してしまった……! 記憶を取り戻したユウリは、現世での、姫とのあまりに近い距離感に戸惑いながらも、自身の内に淡い恋心が芽生えていることに気づく。そして、その想いは姫も同じで……。決して許されない、身分を超えた恋愛の行方は!? 異世界の姫と近衛騎士が、現世で生徒会結成! 期待の新鋭がおくる、激甘青春ストーリー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

仕えている姫君を連れて逃げていたはずなのに、なぜか見知らぬ部屋で目を覚ました騎士ユウリ
そこは彼にとっての「異世界」である現代日本。
何が起こったのか分からず激しく混乱しつつも、ユウリは前世の記憶を持たない「姫君」鴻島姫と、前世の記憶を持つ騎士団の仲間たちと共に、高校の生徒会役員として「青春」を送ることになるのです。

 

(意識の上では)つい最近まで近衛騎士として姫を守ってきたユウリ。
それなのに今の姫にとってユウリは中二病をこじらせた手のかかる幼なじみでしかなく、そんな認識の違いが段々と二人のすれ違いを生んでいくのです。

 

「騎士」として守りたいと姫に付き従うユーリと、そんな「幼なじみ」の態度に次第に傷ついていく姫。
そりゃ職務で傍にいますとか言われても嬉しくないですよねぇ。
でも微妙な距離感にモヤモヤする姫が可愛くて、せっせと尽くすのに肝心なところが朴念仁なユウリにニヤニヤ。
すれ違っていく二人の甘酸っぱい恋の行方を楽しんでいたら、終盤で激甘モードになってトドメを刺された気分です。なにこれ最高か。

 

騎士としての使命感と芽生えた恋心に揺れるユウリの心情がとても繊細に描かれていて、それが更に作品の良さを底上げしているのです。
もうほんとローリングしすぎて息切れ_(:3」∠)_

 

そういえば、記憶を途中で取り戻す系の異世界転生で「思い出すまでの現世の記憶」が全て消えてしまう設定って初めて読んだ気がします。
「今のユウリ」についてのアイデンティティが揺らぎそうなシーンがあったものの、あっさり流してくれてホッとしました。
記憶喪失ものでよくある「彼女が見ているのは『今の自分』なのか『昔の自分』なのか」に悩む展開が微妙に苦手なのでw

 

ユウリと姫の恋愛小説としても面白かったのですが、仲良し生徒会が文化祭のために頑張る学園青春小説としても楽しめた本作。
騎士団メンバーの気心知れた関係がすごく好みです。
弱体化したキズナの能力を「戦い」ではなく「青春」のために使うシーンは、今後の彼らの在り方を示しているようでとても素敵でした。
不幸だった前世の記憶を持ったまま、現世の幸せを噛みしめながら大切にする。そんな風変わりな青春小説なんですね。こういうの好きだなぁ。

 

とても面白い作品でした!
ほのめかされた程度で終わった謎もあるので、そのへんをスッキリさせるためにも是非シリーズ化してほしいです。
学校に集まった転生者が姫の随行員ばかりだったこととか、前世の姫たちの最期に何が起こったのかとか。

 

ユーリと姫以外の騎士団メンバーの恋も気になりますしね。
特にレンジの恋は掘り下げたら絶対楽しい←

 

というわけで続刊待ってます!!

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