『灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹』(十文字青著/オーバーラップ文庫)★★★★★
灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
2015年12月刊。
はぁああああ・・・・・・最高・・・・・・!
シリーズ初期の手探りでギリギリな生活を思い出させる一方で、確かな成長と仲間との絆を感じさせる新たな世界での冒険。
終盤の逃走劇はまさに手に汗握るといった感じで、息をすることを忘れるほどの緊張感に圧倒されてしまいました。
グリムガルに感じていたあらゆる魅力を凝縮したような1冊だったと思います。本当に素晴らしくて、最後はボロッと涙が零れてしまいました。
☆あらすじ☆
『黄昏世界』から脱出したハルヒロたちは、グリムガルとも異なる『太陽の昇らない世界』にへと足を踏み入れた。なんの情報もないまま、それでも仲間を率いるハルヒロ。幸いなことに、異界の住民たちが住み着く村を発見し、ひとまずの安全を確保できたものの、過酷な環境に問題は山積みだった。更に最も必要とする「グリムガルに帰る方法」はまだ手がかりさえも見つからない。
自分たちは帰ることができるのか、そして時たま頭をよぎる本当に『帰る』場所は違うところなのでは、という感覚。様々な想いを胸に抱きつつ、ハルヒロたちは、異界の探索を進めていく。灰の中をさまよい、行き着く先には――
以下、ネタバレありの感想です。
カラー口絵をみて、「今回もしやランタが死ぬ・・・!?」と思ったのは私だけでしょうか。
ララ&ノノと共に、「黄昏世界」を抜けて「夜の世界」へとやってきたハルヒロたち。
グリムガルへ帰還する手段も見つからないまま、ハルヒロたちはとりあえず生きていくためだけに「夜の世界」を探索していくことになるのです。
「夜の世界」あるいはダルングガル。
そこは人間が存在せず、言葉も貨幣も異なる奇妙な世界。
飲食にすら困窮するハルヒロたちがとりあえず手探りで金を稼ぎ始める姿は、なんだかシリーズの1巻を思い出させます。
最初は生きるのに最低限必須なものだけを調達するのにも必死で、そのうち慣れて装備を揃えて、酒を飲む余裕ができて、貯蓄もできて。
1歩1歩、踏みしめるように自分たちの足場を作り上げていく姿なんかはまさしく初期のハルヒロたちの姿そのものでした。
昔を思い出すからか、今回はマナトやモグゾーについて触れるシーンもあったり。
ハルヒロとスザクが温泉に入ってるシーンと、ハルヒロがシホルと話すシーンは本当に涙腺を刺激して・・・・・・。
泣きそうになるハルヒロの代わりに私が泣いていました(´;ω;`)
初期を思い出させる一方で、確実にあの頃と違うのは、仲間達の成長と強い絆の存在。
今回はハルヒロ以外のメンバーの成長も強く感じました。初期と比較できたからかな。
特にシホルは強くなったなぁ。仲間のために魔法を開発するとか頼もしすぎです。
ランタは相変わらずのランタですが、彼の存在がパーティーのリズムを生み出しているんですよね。ピンチになればなるほど皆ランタへの当たりが強くなるけれど、それで本来の自分を取り戻しているようにも見えたり。
クザクはいまいちキャラの掴めない新入りでしたが、今回でようやく私的にもパーティーの正規メンバーとして受け入れられた気がします。彼が腹を割って自分の気持ちを語ってくれたからかな。誰よりもモグゾーを意識していたことを知って涙ぐんでしまいましたし。
そうそう、ようやくメリィとクザクの関係がハッキリして良かったですε-(´∀`*)ホッ
失恋の痛みを無視しようともがくハルヒロを見ているのは辛かったので・・・・・・。私はハルヒロの相手はメリィしかいないと思ってる!(しかし今回でシホルも捨てがたく思えたり)
そしてハルヒロのリーダーとしての成長っぷりは、毎巻思うことですが、本当に著しいものがあります。
自分自身を捨ててでも仲間のためにがむしゃらになれるハルヒロが痛ましくも好ましい。
これまではリーダーとして成長するハルヒロにばかり目が向いていましたが、今回はハルヒロ自身の成長も垣間見えた気がします。
盗賊スキルの高さもですが、最後の戦闘は本当にすごかった。
いつの間にこんなに強くなったんだろう。様々な経験が戦士としてのハルヒロも育てていたんですね。
ハルヒロたちの成長や懐古に胸が熱くなるなか、手探り状態で進んでいくダルングガル探索。
このままグリムガルに帰れないの!?と真剣に不安になってしまいました。ウンジョーの話からだと絶望しか見えませんでしたし。
それでもグリムガルに帰るために心を奮い立たせるハルヒロたち。
たとえダメでも仲間がいる!!という安心感が心地良いんですよねぇ。
それだけに終盤の火竜襲撃で血の気が引いたのですが・・・・・・。
いやだってグリムガルだし。何が起こっても不思議じゃなさすぎて、本当にハルヒロ以外パーティー全滅もありえそうで。
一人になったハルヒロの生死を彷徨うようなモノローグがさらに絶望を煽るんですよ・・・・・・あれ、もしかして、マジで?みたいな。
誰も欠けないで、本当に本当によかった!
きっとこの先も困難しか待っていないに違いありませんが、このパーティーはきっと生き抜いてくれるはず。
もう誰かが欠けるのはイヤですよ本当に。
シリーズ史上最高の1冊でした。
この続きがとても楽しみです!
その前にアニメが放送開始かな?こちらもめっちゃ期待しています٩( ‘ω’ )و
はじめまして。福岡のとある場所に住んでる大学生の男です。以前からあなたのこのサイトを見ておりました。感想なのでネタバレなのですが、それを見ても自分で読んでみたくなるような本を多数取り上げて頂きありがとうございます。
僕は対魔導学園35試験小隊、この恋と、その未来、SとSの不埒な同盟をこちらのサイトをご覧になって、購入を決めました。
長文すいません。これからも無理せずに更新を楽しみに待ってます。
茶一こりんさん、コメントありがとうございます。
おお!九州仲間ですね!
ブログを読んでいただいてありがとうございます。
そう言っていただけると、とても嬉しいですし励みになります(*´∀`)
挙げられた作品をみるに、異能バトルもシリアスな恋愛もラブコメもOKなんですねー。
これからも参考にしていただけるよう更新を頑張ります!( ・ㅂ・)و ̑̑
はじめまして。アニメから入った者です灰と幻想のグリムガルあまりにも面白いので一気に7巻まで読みました。7巻は初めから息もつかせない展開でもうどうなるのかと心配しましたがウンジョーが出てきてから少し希望が見え出しソウマのレシーバーでなんか熱くなりました。それでも慎重なハルヒコさんなので帰るまで時間は大分かかりましたが・・・それがまた良い後メリィとクザクの関係はっきりして良かった多分そうじゃないかと思っていたけどスッキリした。最後の満身創痍のハルヒロをはじめに抱き起こしたのがメリィというのが今後の展開に希望を持ってしまうのは深読みかなぁ・・それでは更新楽しみにしてます
samuさん、コメントありがとうございます。
7巻の緊張感、本当に凄まじいものがありましたよね!
どこで息継ぎをすれば良いの!?ってくらい呼吸を忘れてハラハラしっぱなしでしたw
メリイとクザクの関係については、まぁ何もないだろう(ないと信じたい)とは思っていましたが、ようやくハッキリして私もスッキリしました。
やはりハルヒロにはメリイが似合うと思うので、私も今後の展開に希望を持ってしまっています(´・ω・`)
ラブコメ少し入ってもいいのよ?とも思うのですが、まぁそう甘くはならないのがグリムガルですよね・・・・・・。