『アンデッドガール・マーダーファルス1』(青崎有吾著/講談社タイガ)★★★★☆
アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
2015年12月刊。
面白かった!!
怪物が当たり前に存在する19世紀末ヨーロッパを舞台に、「鳥籠使い」と呼ばれる探偵が怪奇な事件の謎を解くミステリー。
ファンタジーとミステリーの調和が絶妙で、幻想的なムードが最高に好みでした。
事件そのものは陰惨なものなのに話がコミカルに進んでいくのは、津軽と鴉夜の漫才めいた不思議な空気のせいなのか。それとも津軽の噺家のような語り口のせいなのか。師弟の会話を楽しんでいるうちに気づけば読み終わってしまっていました。
推理そのものは論理明快で突飛なものはなく、ミステリーとしてもしっかりとした読み応え。
怪物同士のバトル要素もあり、これがなかなか面白かったのも嬉しい誤算でした。
☆あらすじ☆
吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された……!? 解決のために呼ばれたのは、人が忌避する“怪物事件”専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥籠を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。謎に満ちた悪夢のような笑劇(ファルス)……ここに開幕!
以下、ネタバレありの感想です。