続・英国パラソル奇譚1 プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する


『続・英国パラソル奇譚 プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する』(ゲイル・キャリガー著/川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)★★★★☆

プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する (続・英国パラソル奇譚)
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前作「英国パラソル奇譚」シリーズの感想はこちらから


2015年12月刊。
スチームパンク冒険活劇「英国パラソル奇譚」シリーズの待望の続編。
前作主人公の娘である主人公が優雅に(?)空を旅し、インドに降り立ち、新種の紅茶を巡る複雑怪奇な事件に挑む物語です。
前作の登場人物がたくさん登場しますし、意味深に過去の話に触れたりするので前作を読んでいないとツラいかも(ソフロニア嬢シリーズは未読でも大丈夫でした)。
アレクシア女史のワンマンプレーが印象的だった前作と異なり、今作のプルーデンスは幼なじみたちと一緒にチームとして動きます。
仲間と乗り出す冒険!という点だけみても、前作とは異なる魅力がある作品だったと思います。
彼らの旅路は賑やかで機知に富んでいて、そして好奇心を刺激する謎に満ちたものでした。とても面白かったです!

☆あらすじ☆
吸血鬼や人狼らと人類が共存する19世紀の英国。悪名高き〈魂なき者〉アレクシアを母に持つレディ・プルーデンスは、養父の吸血鬼アケルダマ卿からインドでの紅茶調査任務を依頼される。素敵な飛行船に乗り込んで向かった先で、彼女とお仲間たちは、当然のように未知の異界族がらみの国家を揺るがす大事件に巻きこまれてしまい……? 恋に冒険にキュートなレディが大活躍。痛快ヒストリカル・スチームパンク、新章開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

前作ラストから20余年後を舞台に、再び動き始めた英国パラソル奇譚シリーズ。

主人公となるのは、アレクシア女史とマコン卿の愛娘にして、アケルダマ卿の養女として育てられた〈超異界族〉プルーデンスです。
前作では喋り始めたばかりだったルーも、20歳を超えた淑女に・・・・・・淑女に?

 

序盤からさっそく姿を盗んでブルーマー一枚になってらっしゃる!(((゜Д゜;)))
異界族の姿を盗み取るというルーの能力上仕方ないのですが、このヒロイン、19世紀英国淑女とは思えないほど肌をさらしまくっています。そしてそれを大して気にしていない大物っぷり。
さすがアレクシアの娘ですね。優雅にキュートに型破りなお嬢様です。

 

そんなルーが、アケルダマ卿からの依頼でインドへ新種の紅茶を求めて旅に出るというのが1巻のストーリーとなります。

 

彼女の旅の仲間に選ばれたのは3人の幼なじみたち。

 

まずはルーの親友であるプリムローズ
アイヴィが産んだ双子の片割れですね。ルーとプリムは母達よりも仲良しな親友っぷりが可愛かったですw
こういう何でも通じ合っている女の子同士の親友って結構好み。
幼なじみチームの社交担当ともいえるプリム。ママより断然優秀で驚きました(disられまくるアイヴィがちょっと不憫に)

 

そしてプリムの双子の弟であるパーシーヴァル
まさかあの両親からこんなに優秀な息子が育つとは。
幼なじみチームのインテリ担当な本の虫。
姉2人(ルーとプリム)に虐げられていじられて育ってきた感じが伝わるのが何ともww

 

最後にルフォーの息子・ケネル
ケネルだけ年齢が12歳ほど離れているはずなのですが、3人に混じると同世代にしかみえない不思議。
最初のルーを池に突き落としたシーンが衝撃的すぎて。なんで普通に会話を続けてるんだ・・・・・・。
チームのメカニック担当。母譲りの発明家な彼には、今後もスチームパンクなギミックを色々登場させてほしいところです。

 

そんな魅力的な幼なじみ4人組が飛行船〈斑点カスタード〉号に乗り込み、インドへ向けて飛び立つのです。
彼らを待っているのは異国情緒あふれるインドの風景と、謎の誘拐事件、そしてミステリアスな美女。

ルーを困惑させる謎めいた数々の事件は、やがてインドが抱えたある難題へと彼女を導いていくのです。

現地の異界族間の対立から英国帝国主義について触れていく展開にどうなることかと思いましたが、「異界族が存在する世界で、異界族を受容した英国」の立場を守ろうとするルーの考えにはとても納得。
彼女自身疑問を感じていても、それが自分と家族を育んだ土壌だからこそ、その正しさを信じたいという気持ちは理解できます。
異界族が存在する世界、という現実とは異なる世界観の特殊性が出てきたシーンでもありました。
英国が推し進める(ある意味で独善的な)秩序を求めた結果ではあるものの、「超異界族」として異界族に育てられたルーならではの平和的な決着を迎えられたのではないでしょうか。
時代背景的に、この問題提起は今後も出てきそうな予感がありますが。

 

予想外に(あるいは予想通りに)難航したルーのインド旅行でしたが、難所を切り抜ける母親譲りの頭の回転と、〈超異界族〉の能力を駆使した大立ち回りはとても爽快で、ルーの魅力がまっすぐ伝わる物語だったと思います。

ルーが指揮する幼なじみたちのチームプレイも、前作にはない見所なんですよね。
それぞれの得意分野を持ち寄って難題に挑む幼なじみたち。会話にはユーモアがあふれていたし、ややひねくれているのも付き合いの長さを感じさせるもの。こういう幼なじみの集団って他ではあまり見たことがなくて、とても新鮮で楽しかったです。

 

今回の騒動を経て、ルーたちに〈斑点カスタード〉号に仲間がひとり増えたわけですが、彼女にはまだ多くの秘密がありそう。
一体どんな秘密を隠しているのでしょうか。期待が高まります。

 

さて、前作はアレクシアとマコン卿のラブロマンスの側面が強かったのですが、ルーのロマンスについては始まったばかりの様子。
ルーの恋の相手はケネルになるのでしょうか。
ルーが思うほどケネルは彼女に惹かれていないわけではないと思うのですが(むしろ逆だろ)、恋のレッスン()で二人がどうなっていくのか楽しみですw
あと、パーシーはここに参戦しないのかな?ちょこちょこと気になる言動をしていたような・・・・・・|д゚)チラッ

 

次なる舞台はエジプトということですが、どんな物語になるのかとても楽しみです。
エジプトといえば、そろそろマコン夫妻は移住するのかな?

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