黄昏街の殺さない暗殺者


『黄昏街の殺さない暗殺者』(寺田海月著/電撃文庫)★★★☆☆

黄昏街の殺さない暗殺者 (電撃文庫)
黄昏街の殺さない暗殺者 (電撃文庫)

2015年12月刊。
おお、予想以上にシリアスな物語でした(;`・ω・)
有名な殺し屋と、彼に「誰も殺すな」という依頼をした貴族令嬢の物語。
クッキーに情熱を捧げるヒロインの言動には呆気にとられましたが、復讐の是非を問うストーリーはなかなか読み応えがありました。
綺麗にまとまっているし、単巻ものかな?

☆あらすじ☆
裏社会では名の知れた殺し屋・レヴンは、貴族の文化である「菓子」を市民に広めようとし、自ら店を切り盛りする巷では話題の貴族令嬢・カミーリアから、ある依頼をされる。それは「傍にいて、誰も殺すな」という、奇妙な内容だった。陽の下を生きてきたお嬢様と、闇の世界を這いずってきた暗殺者。死の眠りを与える者と、生の笑顔を与える者。まったく別の生き方をしてきた二人は、時に対立しながらも日々を過ごす。しかし、その裏では国を揺るがす巨大な陰謀が蠢いていた―。これは「菓子」と「死」が彩る、とある国での物語…。

以下、ネタバレありの感想です。

 

裏社会で有名な殺し屋『ペアオブジャックス』のレヴン
ケガをして倒れているところを貴族令嬢カミーリアに助けられたレヴンは、彼女から「誰も殺すな。常に傍にいろ」という奇妙な依頼を受けることになるのです。

 

そんな感じで始まったレヴンとカミーリアの日常を描きつつ、「黄昏街」を巡る陰謀を暴くストーリーでしたが、なかなか面白かったです。

レヴンの殺された相棒が残したメッセージ。
カミーリアの店「黄昏街」に相次ぐ嫌がらせと、殺された関係者の謎。

関係ないと思われた二つの要素が次第に絡み合っていき、ミステリ調に進む物語は魅力的でした。

 

また、その中で投げかけられていく復讐の是非や在り方への問いかけについても良かった。
「相手を殺すことこそが復讐」と考えるレヴンと、「人の血で汚れた手でクッキーを作りたくない」と別の方法を模索するカミーリア。
根本から考えの違う二人の対比が興味深く、綺麗すぎるともいえるカミーリアの主張はとても考えせられるものがありました。

カミーリアの言うことは綺麗事のようにも思えるけれど、それを貫こうとする姿には気高さを感じます。
最初は動機が「美味しいクッキーのため!」というものだったので戸惑いましたが、彼女がなぜクッキーにこだわるかの理由が明らかになれば納得。本当に優しい女の子なんだなぁと温かな気持ちになりました。

 

ただ、一連の騒動の真相は、そんなカミーリアの心を踏みにじるものではありましたが・・・・・・(´・ω・`)

 

予想より重い真相にびっくり。
なかなか憂鬱な気分になりましたが、ビートレットユゥに関しては救いがあったので良かったです。

 

とりあえず解決はしたものの、この後「黄昏街」を続けていけるのでしょうか。
先行きはやや不安ですが、カミーリアはどんな困難があってもクッキーを人々のために作り続けるのでしょうね。

 

やや淡々としすぎるところがありましたが、良い作品だったと思います。
これは単巻ものになるのかな?続編になるか新作になるかは分かりませんが、次回作にも期待したいです(*゚▽゚)ノ

黄昏街の殺さない暗殺者 (電撃文庫)
寺田海月
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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