『【急募】猜疑王の契約王妃(※短期のお仕事です)』(乙川れい著/ビーズログ文庫)★★★☆☆
【急募】猜疑王の契約王妃(※短期のお仕事です) (ビーズログ文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
2015年12月刊。
猜疑心のカタマリな王さまと、「契約王妃」となった修道女見習いのラブコメ。
コメディパートはふふっと笑える面白さでした。国王様、こじらせてるけど純情で可愛いww
後半の展開にやや粗さを感じましたが、ストーリーは綺麗にまとまっていると思います。
とにかく夫婦のキャラが良かったので、シリーズ化に期待したいです(*´∀`)
☆あらすじ☆
国王サマはこじらせ男子!? なのでただ今「短期の王妃募集中」です。
修道院にて生活する伯爵令嬢のエステラに父親が突然「契約王妃」の話を持ってきた! とある時期だけどうしても王妃が必要なのに“猜疑王”といわれる国王・ヴィクリスは、美形で有能だが片っ端から人を疑い、結婚・離婚を繰り返す“こじらせ男子”! 早速、数百枚の婚前契約書が渡されたエステラだが、とある罪を浄化したい彼女はとことん信心深い性格で──!?
以下、ネタバレありの感想です。
内乱の英雄でありながら、数々の謀略に襲われた結果人間不信をこじらせた猜疑王・ヴィクリス。
こじらせすぎて歴代王妃とうまくいかず離婚を繰り返すヴィクリスの元に13番目の王妃として嫁いだのが、修道女見習いの見習いをしていた伯爵令嬢エステラでした。
国に伝わる「女王座の呪い」を避けるため、半年という期間限定の「契約王妃」となったエステラは、その生活の中でヴィクリスの純情で優しい人となりを知っていき・・・・・・という感じでストーリーは進んでいきます。
ヴィクリスの人間不信はこじらせすぎですが、たまに垣間見える純情さはとても可愛かったです。
美人は罠だ!って怯える王様面白すぎる。
まぁ四六時中騒がれてたら部下としてはたまったものじゃないでしょうけれど。
あまりにも面倒くさいヴィクリスに対し、エステラはまさにぴったりのキャラクター。
厳しい規律もさくっと受け入れ、ヴィクリスの不審行動もモノともせず。ベッドの仕切りすら突っ込まないのは大物過ぎました。あの仕切り、顔を確認するための窓が開いてるのが最高に笑えますw
そんな感じでギクシャクとしつつも絶妙にウマの合ったヴィクリスとエステラ。
前半のラブコメパートはほのぼのと可愛くて、とても和みました (*´罒`*)
後半は一転して、内乱時代に残されたトラブルを巡るシリアスな展開へ。
全体的には良かったのですが、ところどころ腑に落ちない部分があったのは残念でした。
特にエステラが契約王妃であることを勝手に告白したシーンとか、良心の呵責に耐えられない上にヴィクリスに失望していたとしても、ちょっとこれまでの彼女の行動とズレがある身勝手だったような。バラすことでの不都合はよくよく理解していたと思ったのですが。
そんな細かい部分が気になったものの、最終的には綺麗にまとまったので満足です。
オチには笑いましたがwなるほどそんな抜け道が。
そういえば、エステラの「罪」って結局子どもの頃のいたずらだけなんですかね?
父と疎遠だったこととか、修道の誓願が立てられないこととか、意味深に語られていた割にはそんなに?って感じでちょっと肩すかし。
「冷たい手」の謎もわからないままで残念です。
ここらへんは次巻があれば回収される伏線だったりするのでしょうか?
とりあえずシリーズ化に期待していようと思いますヾ(*˙︶˙*)