『アオイハルノスベテ4』(庵田定夏著/ファミ通文庫)★★★★☆
アオイハルノスベテ4 (ファミ通文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
2015年11月刊。
最高にクライマックスな第4巻。
あまりにも熱くて完結巻かと思ったのですが、どうもまだ続くらしい?
☆あらすじ☆
明日、死ぬとしたら、どうする? ――世界は今、変わった。
――輪月高校が廃校になる。激動の夏休みが終わり、しばしの平穏を満喫する浩人たちに、それは唐突に告げられた。高校がなくなってしまえば〈シンドローム〉はどうなるのか。浩人に訪れるはずの未来、死は回避できるのか? 動揺を隠せないまま、浩人は生徒会長の瓜生と臨時タッグを組んで抵抗するのだが……。旧校舎の取り壊しが始まったその時、世界は変わってしまった。学生たちにしか見えない能力は遂に――現実のものとなる。オールデイズ青春グラフィティ、第四巻。
以下、ネタバレありの感想です。
輪月高校の廃校騒動、そしてシンドロームの現実化と暴走・・・・・・最初から最後まで怒濤の如く展開していった第4巻でした。
シンドロームの問題がなくても、母校がなくなるのは思い出もなくなるみたいで悲しいことですよね(´・ω・`)
輪月高校を守るために、生徒会や今まで関わってきたシンドローム使いたちと協力し合っていく展開は、最高に青春を感じられて面白かったです。
ただちょっと大人たちチョロすぎない?と思わなくもないのですが。まぁそれだけシンドロームに怯えてたってことなんだろうか。
それにしても今回の生徒会長、主人公っぷりがかなりやばい。
コピー能力とかズルイでしょ。
浩人の能力なんて、引きこもりとか言われたり女子にネーミングでドン引きされたり散々なのにw
それはそれとして、会長は会長なりに輪月高校の未来を案じて行動していたことがわかって、なんだか好感度があがりました。みんな、自分の守りたいもののために必死だったんだなぁ。
会長は格好良かったのですが、最終的には浩人も負けていませんでした。
特にラストの大河内との会話。
死を回避するためにこれまで頑張ってきた浩人でしたが、その頑張って生きてきた日々の中で彼なりに悟るものがあったんですね。
「死なないことが、生きるってことじゃないよ。死に向かって進んでいくことが生きるってことなんだよ」
常に死を考えながら、一日一日を必死に生きてきたからこその充足感。
死ぬのはイヤだけれど、死んでも後悔はしない!と言い切れる毎日を送ってきたという自負が浩人の覚悟を生んだのでしょう。
格好いいなぁ。私も死に際にこういうことを言える毎日を送らねば。
浩人の「死の未来」というシリーズ最大の伏線が回収された第4巻。
あまりにも綺麗に終わったので「いい最終巻だった・・・・・・」と満足していたのですが、あとがきにびっくり。
どうもあと1冊続くらしい?
まだ「シンドローム」自体の謎が解けたわけではないので、そこらへんを描いていくのでしょうか。旧校舎の幽霊の正体も気になりますし。
最終巻を楽しみに待っていようと思いますヾ(*˙︶˙*)